水中で美しい写真を撮影するためには、適切なカメラ選びが重要です。
特に、デジタル一眼レフカメラ(一眼レフ)は、高画質で動きのある魚を正確に捉えることができるため、プロの水中写真家からアマチュアまで幅広く支持されています。
この記事では、水中撮影のためのデジタル一眼レフカメラの選び方について、初心者にも分かりやすく解説します。
デジタル一眼レフカメラの基本構造とは?
デジタル一眼レフカメラは、光学ファインダーを通してレンズが捉えた画像をリアルタイムで確認できるのが特徴です。
ミラーとペンタプリズム、またはペンタミラーが内蔵されており、レンズを通した光をファインダーに反射します。
撮影の際、シャッターボタンを押すとミラーが跳ね上がり、光が直接イメージセンサーに到達して画像が記録されます。
この構造により、素早いオートフォーカス性能と正確な構図確認が可能です。
水中撮影に適したセンサーサイズの選び方
水中撮影においては、イメージセンサーのサイズが非常に重要です。現在、一眼レフで使われる主なセンサーサイズは以下の3種類です。
フルサイズ(35mmフィルム相当)
約36x24mmの大きなセンサーで、高画質と広いダイナミックレンジが特徴です。
暗所での撮影や高精細なディテールを必要とする場合に最適です。
APS-Cサイズ
約23x15mmのセンサーで、フルサイズに比べて少し小さいものの、軽量でコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
高感度性能も優れており、水中撮影で使いやすいサイズです。
フォーサーズ規格
17.3×13.0mmのセンサーで、最も小型の一眼レフで使用されています。コンパクトで軽量、かつ持ち運びやすいため、旅行やダイビングに便利です。
水中撮影では、暗い環境や低コントラストのシーンでも高感度性能が重要になります。
センサーサイズが大きいほど、光を多く取り込むことができるため、ノイズの少ない鮮明な画像が得られます。
また、深い場所での撮影や、薄暗い早朝・夕暮れ時の撮影には特に高感度が求められるため、フルサイズセンサーが重宝されます。
水中撮影に最適なオートフォーカスとタイムラグ
水中で動き回る魚を撮影するためには、オートフォーカスの性能も非常に重要です。
一眼レフカメラは、位相差検出方式のオートフォーカスを採用しており、素早く正確にピントを合わせることができます。
特に動きの速い魚や、突然現れる生物を捉える際には、このAF性能が大きな役割を果たします。
また、カメラのレリーズタイムラグ(シャッターを押してから実際に撮影されるまでの遅延)も重要です。
一眼レフカメラの多くは、このタイムラグが非常に短いため、水中での瞬間的なシャッターチャンスを逃しません。
ハウジングの選び方と注意点
水中撮影で一眼レフを使用するためには、防水ケースである「ハウジング」が必要です。
カメラ自体が防水機能を備えていないため、専用のハウジングを使うことでカメラを水中に持ち込むことが可能になります。
以下のポイントに注意して、最適なハウジングを選びましょう。
互換性
選んだカメラに対応するハウジングが製造されているか確認します。
メーカー純正のものはありませんから、ハウジング制作しているメーカーのものを使用しましょう。
Canon、Nikon、OLYMPUSといった大手メーカーの一眼レフの場合は複数のハウジングが提供されていることが多いです。
材質と耐久性
ハウジングの材質によって、耐久性や重さが異なります。
アルミ製のハウジングは強度が高く、深海での使用にも適していますが、重いため持ち運びが大変です。
プラスチック製は軽量で扱いやすいものの、深海での圧力には注意が必要です。
ただ、基本的には大型になりますから
重いのは変わりませんね。
カスタマイズのしやすさ
ハウジングには、ポートの交換やライトの取り付けなど、カスタマイズできるものもあります。
特に、水中でレンズを交換したり、ストロボを使いたい場合は、拡張性のあるハウジングを選ぶと良いでしょう。
もし希望のカメラに対応するハウジングがない場合は、
特注で作成してくれるメーカーもあります。
例えば、株式会社Proofは特注ハウジングを提供しており、
希望に応じて最適な形状やサイズを作ってもらうことが可能です。
センサーサイズによる水中撮影への影響
選んだセンサーサイズに応じて、撮影の仕方や使用できるレンズが変わってきます。以下はセンサーサイズごとの主な特徴です。
カメラとハウジングの大きさの選び方
持ち運びや取り扱いのしやすさを重視するか、画質を重視するかでカメラの大きさを選ぶ基準が変わります。
コンパクト性を重視する場合
フォーサーズやAPS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラが最適です。旅行や頻繁にダイビングをする場合には、小型で軽量のカメラとハウジングが便利です。
家庭用やWebでの共有が目的であれば、フォーサーズでも十分な性能があります。
画質を重視する場合
フルサイズセンサーを搭載したカメラがベストです。
高解像度で広いダイナミックレンジを持つフルサイズは、大判プリントや4Kモニターでのディスプレイに対応できるため、プロフェッショナルな撮影に向いています。
ただし、ハウジングやアクセサリーも大きく重くなるため、取り扱いに注意が必要です。
まとめ
水中撮影におけるデジタル一眼レフカメラの選び方は、センサーサイズやオートフォーカス性能、使用するハウジングの種類など、さまざまな要素が関係しています。
自分が撮りたいシーンや目的に合わせて、最適なカメラとアクセサリーを選びましょう。水中撮影は、カメラの選び方によって結果が大きく変わるため、じっくりと検討してみてください。
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