フナの解剖実験記録|科学と生態の理解を深めるために

雑記・まとめ記事


今宵、私たちが取り組むのは「フナ」の解剖実験です。この解剖を通じて、魚類の内部構造や健康状態の確認方法を学びます。

また、無菌環境での実験操作の練習を兼ねて、細菌感染実験を模した解剖手法を実践していきます。

教育的配慮

なお、今回の解剖実験は、魚類の生態や内部構造を学び、健康状態を評価する科学的なトレーニングの一環として実施されました。

本実験は、動物福祉に配慮し、日本の動物愛護法および研究倫理に基づいて行われています。

教育的な目的で記録を公開しており、一般の方が模倣することを推奨するものではありません。

解剖対象

今回解剖するのは以下の個体です。

種類
オオキンブナ (Carassius auratus buergeri)

この個体は氷零麻酔を用いて一時的に麻酔を施し、動きを抑えた状態で解剖を行います。
麻酔後、魚が暴れにくくなるように新聞紙で目を覆い、作業に移ります。

計測と準備

体長の測定

ノギス(精密な計測器具)を使って体長を測定しました。体長には以下の3種類があります

体長

標準体長
頭の先端から尾柄(尾びれの付け根)までの長さ

尾叉長
頭の先端から尾びれの切れ込み部分までの長さ

全長
頭の先端から尾びれの先端までの長さ

この段階では、標準体長を測定し、個体の基本的な大きさを記録します。

体重の測定

次に、量りを使って体重を測定しました。
この際、新聞紙を敷いて測定を行い、その重量を差し引いて正確な体重を記録します。

体重の計測は、健康状態の評価や成長段階の分析において重要な指標です。

血液の抜き取り

解剖を進める前に、体内から血液を抜き取る作業を行います。この工程には二つの目的があります。

  • 血液検査を行うためのサンプルを得ること
  • 解剖時に内臓が血液で覆われ、視界が悪くなるのを防ぐこと

しかし、血を抜き取る作業はなかなか難しく、少しでも焦ると狙った部位から正確に抜き取れないことがあります。
慎重に針を刺し、確実に作業を進めることが重要です。

解剖作業

腹を開く

次に、解剖バサミを使って腹部を切り開きます。この作業では、無菌環境を保ちながら慎重に切断を進めることが求められます。

魚の腹部は柔らかいため、肉切りバサミを用いながらゆっくりと丁寧に進めました。

内臓の確認

腹部が開いた後、内臓の状態を確認しました。幸いにも、この個体には健康上の大きな問題は見られませんでした。

内臓が鮮明に見えるよう血液を抜いた効果がここで発揮されました。

内臓の摘出

最後に、臓器を一つ一つ慎重に取り出しました。
腸が途中で切れてしまうトラブルがありましたが、全体として臓器の摘出は成功しました。

取り出した臓器を順番に確認し、それぞれの形状や状態を記録しました。

摘出した臓器は以下のような構造を確認できます

確認できた臓器
  • 肝臓
    魚の代謝機能を担う重要な器官

  • 消化器官の長さや構造を分析
  • 心臓
    血液循環の中心部

摘出作業を通して、魚体の健康状態や臓器の特徴を学ぶことができました。

解剖を終えて

今回の解剖では、実験操作の手順や無菌状態での作業の重要性を再確認しました。

また、魚の体内構造を直接観察することで、教科書では得られない多くの知見を得ることができました。

まだまだ技術的な改善点は多くありますが、今後も経験を重ねてより正確な解剖技術を身に付けていきたいと思います。

私たちは今後も科学的な知識を深めるため、倫理的かつ責任ある実験に取り組んでいきます。

詳細な解説や今回の実験に関する追加情報は、ブログ記事にて紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!

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