
今回はフナのいるちいさな水族館として
「下水道科学館あいち」を紹介していきます。

下水道・・・?科学館・・・?

名前は明らかに違いますが、実はしっかりとフナを展示している水槽施設なんですよ。一緒に見ていきましょう。
メタウォーター 下水道科学館あいちとは


普段何気なく使っている水、家庭で使う水はどこからきて、どこへいくのかな?
毎日使う水をきれいにする下水道の仕組みや働きを中心に楽しく紹介しているんだ
ゲームや体験型が多く、わかりやすい工夫がいっぱいだよ
愛知県にある「メタウォーター 下水道科学館あいち」は、下水道の仕組みや水の循環について学べる科学館です。
ここでは、下水がどのように処理されて綺麗な水へと生まれ変わるのかを、実際の設備を見ながら学ぶことができます。また、水の環境や生態系に関する展示も行われており、淡水魚の水槽展示もその一環です。
この施設では、下水処理に関するさまざまな体験型展示があり、大人から子どもまで楽しみながら水の大切さについて学ぶことができます。
例えば、下水処理の過程を模型や映像で解説するコーナーや、実際にろ過された水を使った展示などがあります。

その中で、フナが展示されている水槽も興味深いポイントの一つとなっています。
本記事では、実際に見学した際の水槽の様子や展示されている魚について詳しく紹介します。
入口の小型水槽


館内の入り口付近には、60cm未満の小型水槽が設置されています。この水槽では、下水処理場でろ過された水が使用されており、処理水の清浄度を示す実験的な意味合いも持っているようです。
水槽内には、フナをはじめとした淡水魚が泳いでいましたが、展示表記には「タイリクバラタナゴ」「ドジョウ」「カワバタモロコ」の名前しか記載されていませんでした。しかし、実際にはタイリクバラタナゴの姿は見られず、代わりにフナが泳いでいました。
この水槽には、タナゴ類の産卵を目的とした大型の二枚貝が設置されており、水草としてはマツモが使用されていました。また、背景にはすだれが掛けられており、落ち着いた雰囲気を演出していました。

推測するに、もともとこの水槽には展示表記されていた魚が泳いでいたものの、寿命や環境の変化によって減少し、その代わりに別の水槽にいたフナが移されたのではないかと考えられます。

展示の維持や管理の都合上、こうした入れ替えが行われることは珍しくありません。
大型水槽:フナだけの贅沢な展示


館内には、大型の水槽も設置されており、こちらにはより多くの魚が展示されています。この水槽は巨大な擬岩を使用した迫力のある造りとなっており、まるで自然の渓流を再現したような雰囲気です。
通常であれば、こうした水槽にはイワナやアマゴなどの渓流魚が展示されていそうですが、実際に泳いでいたのは「フナ」でした。
しかも、フナだけがいる水槽となっており、大型の展示水槽でフナを鑑賞できるというのは、なかなか贅沢な展示と言えるでしょう。

水槽内のフナは15cm未満の個体が多く、群れでゆったりと泳いでいました。展示表記には「ウナギ」の名前があったものの、実際には姿が見当たりませんでした。
また、表記にはありませんでしたが、フナに混じってコイの姿も確認されました。
フナだけしか展示されていない理由



では、なぜこの水槽にはフナだけが残ったのでしょうか?
水槽の解説パネルを見ると、以前はさまざまな魚種が展示されていた可能性があることが分かります。しかし、長期間の展示の中で魚たちは寿命を迎えたり、病気や水質変化の影響を受けたりして、徐々に数を減らしていったと考えられます。

その結果、生命力の強いフナだけが残ったのではないでしょうか。
フナやコイは淡水魚の中でも特に長寿であり、水質の変化にも比較的強い魚です。そのため、下水処理水を使用した水槽環境においても安定して生き続けることができたのでしょう。
現在の展示状況を見ると、大型水槽は十分な水量が確保されており、水質も適切に管理されていることがうかがえます。

自然環境を再現した広々とした水槽で、のびのびと泳ぐフナの姿を見られるのは、ある意味でとても贅沢な光景と言えます。
フナの展示の意義

メタウォーター 下水道科学館あいちの水槽展示は、単に魚を見せるだけでなく、下水処理水の活用や水の循環の大切さを伝える役割も果たしています。
特にフナの展示は、水質の変化に対する適応力の高さや、長寿命な淡水魚としての特徴を知るきっかけにもなります。
また、一般的な水族館では見られないような「フナだけの大水槽」という展示は、観察する側にとっても新鮮な体験となるでしょう。

水族館では主役になることの少ないフナが、
ここでは堂々と泳ぎ、豊かな水環境の一部として紹介されているのです。
施設情報
- 住所
愛知県愛西市戸倉町 - 料金
無料 - 営業時間
9:30~16:30 - 休館日
月曜日(祝日の場合は翌日休館)、年末年始 - アクセス
名鉄津島線「津島駅」からバスで約20分
車の場合、東名阪自動車道「弥富IC」から約10分
コメント