肉鰭類とは何か?

魚類学
先生
先生

今回は「肉鰭類」という魚類について解説していきます。
皆さんは「肉鰭類(にくきるい)」という言葉を聞いたことがありますか?

女の子
女の子

うーん、聞いたことが無いですね。
どんな魚なんですか?

先生
先生

肉鰭類は鰭が特徴的な魚の仲間です。
普通の魚と比較して鰭の中に筋肉や骨が含まれています。

男の子
男の子

鰭に筋肉や骨があると、普通の魚と同違いが出るんですか?

先生
先生

そうですね、肉鰭類のようにしっかりと強いことにより鰭で体を支えることができるようになります。
私たちの祖先はこの肉鰭類から進化したと言えるんですよ。

男の子
男の子

私たちの祖先が魚だったんですか!?

先生
先生

そうなんです。
肉鰭類は私たち脊椎動物の祖先に近い存在なんですよ。
現在はシーラカンスと肺魚の仲間が現存しています。

女の子
女の子

シーラカンスは聞いたことがあります。
「生きた化石」と呼ばれている魚ですよね。

先生
先生

その通りです。
シーラカンスも肺魚も地球の長い歴史のなかで生き延びてきた魚ですから、恐竜時代の生物がそのまま残っているような存在ですね。

男の子
男の子

だから「生きた化石」ですか。
ロマンを感じますね。

先生
先生

それでは肉鰭類の世界を一緒に見ていきましょうね。

硬骨魚類との違い

魚類にはいくつかのグループがあります。その中で、肉鰭類とよく比較されるのが「硬骨魚類(こうこつぎょるい)」です。

硬骨魚類とは、サケやタイ、イワシのような私たちが普段食べる魚のことです。

硬骨魚類のひれは、骨が細くてひれ全体が薄く広がっています。これに対して、肉鰭類のひれは太い骨や筋肉で支えられており、より頑丈な作りをしています。

この違いは、ひれの役割にも関係しています。硬骨魚類は水の中を速く泳ぐためにひれを使いますが、肉鰭類は泳ぐだけでなく、歩くような動きも可能です。

例えば、肺魚はひれを使って川底を歩くように移動します。また、シーラカンスもそのひれで水中をゆったりと進み、岩場の間を器用に動くことができます。

先生
先生

このように、ひれの構造の違いが、それぞれの魚の生き方を決めているのです。

肉鰭類の進化と生物学的特徴

肉鰭類の最大の特徴は、その進化の歴史にあります。約4億年前、地球上の生物はほとんどが水の中で生活していました。しかし、肉鰭類の「ティクタアリク」が、ひれを使って水辺に上がるようになりました。この進化の過程が、私たち陸上動物の祖先に繋がっているのです。

陸上進出の鍵

また、肉鰭類の魚には特徴的な骨格があります。その骨格は、四肢動物(ししどうぶつ)の足の骨とよく似た構造を持っています。

このことから、肉鰭類は陸上動物の祖先にあたる重要な存在であることがわかります。

男の子
男の子

これが僕たちの祖先なんですね・・・

肉鰭類の分類

現在、肉鰭類として生存しているのは次の3つのグループです。

    単系統性と分類の議論

    肉鰭類は、四肢動物を含めて考えると単系統群となりますが、四肢動物を含めない場合、側系統群として分類されます。
    この分類の問題は、進化の系統をどう整理するかという科学的議論を反映しています。

    内鼻孔の進化

    内鼻孔を持つことは、肉鰭類の重要な特徴の一つです。特に、ハイギョや四肢動物に見られる内鼻孔は、嗅覚や呼吸の効率を向上させる進化として注目されています。
    この進化の過程が、私たち陸上動物の祖先に繋がっているのです。 

    現生する肉鰭類の特徴

    シーラカンス(輻鰭下綱 Actinistia)

    シーラカンスは深海に住む魚で、「生きた化石」と呼ばれるほど、長い時間その姿を変えずに生きてきた魚です。
    約4億年前に登場し、現代までほとんど進化していないことがわかっています。

    どんな種類がいるの?

    インドネシアとアフリカの深海にて2種類が確認されています。

    肉鰭類としての特徴は?

    普通の魚とは違い、シーラカンスには内鼻孔(鼻の穴の奥につながる構造)がありません。他の肉鰭類と少し違う進化をしています。 

    ② ハイギョ(ハイギョ下綱 Dipnomorpha)

    ハイギョは肺を持っている魚で、水中のエラ呼吸だけでなく、空気を吸って肺呼吸もできます。乾季などで水がなくなったときでも、土の中に潜って生き延びることができます。

    どんな種類がいるの?

     オーストラリアハイギョ、ミナミアメリカハイギョ(南米のハイギョ)などがいます。

    特徴は?

     ハイギョの肺は、私たち四肢動物の祖先が持っていたものとよく似ています。つまり、ハイギョの肺は、魚が陸上に進出するための進化のヒントになる大切な特徴なのです。

    ③ 四肢動物(四肢動物下綱 Tetrapoda)

    四肢動物は、私たち人間を含む「手足」を持った動物たちのグループです。このグループには、陸で生活する両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類が含まれます。

    どんな種類がいるの?

    カエルやワニ、ペンギン、犬など、身近な動物がすべてこのグループに属します。

    特徴は?

    四肢動物は、肉鰭類のヒレが進化して手足に変わったことで誕生しました。広い意味では、私たちも肉鰭類の仲間だと考えられるのです。

    まとめ

    先生
    先生

    ということで、今回は「肉鰭類について」解説していきました。

    現在生息する多くの魚類と比べると鰭が丈夫で水中よりも陸上に進出する足掛かりとなった種類になります。
    我々の祖先とも言える生物なので、今後もこれらの生き物について詳しく紹介していきます。

    スポンサーリンク
    スポンサーリンク
    魚類学肉機類

    コメント