育成学とエサやり|魚に適したエサの選び方と給餌方法

育成学
男の子
男の子

先生、魚にエサをあげる方法って色々あるんですか?

先生
先生

そうですね。給餌方法には3つがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。
また、魚の食性によって適したエサを選ぶ必要があり、摂食行動や口の大きさも考慮しなければなりません。
今日は、魚の飼料学について詳しく学んでいきましょう。

給餌方法

給餌の方法は大きく3つあり、「手まき」「自動給餌」「自発摂餌」があります。

手まき

育成者が直接養殖魚にエサを与える方法です。
魚の状態を直接確認できるのがメリットですが、管理する水槽の数が多いと手間がかかり、飼育管理の負担が増えてしまいます。

自動給餌

エサが入ったタイマー付きの給餌機が、設定した時間に自動でエサを投入する方式です。

給餌の手間は省けますが、供給量を調整しづらく、魚の活性や環境の変化に対応できません。
そのため、エサ不足や過剰給餌による水質悪化のリスクがあります。

自発摂餌

近年、最も期待されている方法です。
魚の行動を感知し、空腹時の動きをスイッチとして給餌機が自動的にエサを与える仕組みです。

これにより、魚の状態に応じた適切な給餌が可能になります。

食性

魚は種類によって摂餌の生態が大きく異なります。主な食性は以下の6種類です。

1. 魚食性

生きた魚を捕食する食性で、大きな口や細かい歯を持つことが特徴です。
活魚しか食べないため、エサの確保が難しい場合もあります。

2. 底生生物食性

底生生物を食べる魚は、味蕾や鰓耙が発達しており、口に入れたエサを噛み砕くための硬い歯を持っています。
また、水を噴射して砂の中の生物を掘り起こす行動をとることもあります。

3. デトリタス食性

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デトリタス(堆積有機物)を食べる雑食性の魚のことです。
咽頭歯を持ち、餌をすりつぶして消化しやすくする特徴があります。

4. プランクトン食性

水中を漂うプランクトンを摂食する魚は、鰓耙が発達しており、
口に入ったプランクトンを濾し取って食べることができます。

5. ポリプ食性

サンゴなどの硬い有機物を食べる食性で、吻が前に突き出し、齧り取って摂食します。

6. 植物食性

水草や海藻を食べる魚は、消化を助けるため腸が長いのが特徴です。
ただし、一生植物だけを食べるわけではなく、幼魚期には異なる食性を持つことも多いです。

先生
先生

このように、魚の食性に応じた適切なエサを選び、給餌することが重要です。

摂食行動

先生
先生

魚の種類によって、餌の食べ方も異なります。
特に稚魚の育成では、効率よく給餌するために摂食行動を理解することが大切です。

  • S型摂食:ニシンなどに見られ、体をS字に曲げながらエサを捕食する。
  • C型摂食:ブラックバスなどに見られ、体をC字に曲げて勢いよくエサに噛みつく。
  • 直線摂食:サバなどに見られ、直線的に素早くエサを捕食する。

口径(魚が食べられる餌の大きさ)

魚が摂食できる餌の大きさには限界があり、適切なサイズを知ることが重要です。
口径を測定する方法として、以下の手順があります。

  1. 上顎と下顎が最大に開いた状態を90°と仮定する。
  2. 側面から上顎長を測定する。
  3. その数値の√2倍を、便宜的な口径として算出する。

このように、魚の摂食行動や口の構造を理解し、適切なエサを与えることが、養殖や育成の成功につながります。

まとめ

女の子
女の子

魚のエサって、種類や食べ方をしっかり考えないといけないんですね。

先生
先生

その通りです。
給餌方法や食性を理解し、魚に合ったエサを選ぶことが、養殖の成功につながります。

また、適切な摂食管理を行うことで、無駄なエサを減らし、水質の悪化も防ぐことができます。
飼料学を学ぶことで、より効率的で持続可能な魚の育成ができるようになりますね。

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