
先生、魚の消費量が減ってるって本当ですか?

そうなんですよ。
特に日本では、魚の骨が邪魔で食べにくいって理由で敬遠されがちなんです。

でも、シシャモみたいに丸ごと食べられる魚があれば便利ですよね!

実は、それを可能にする研究が進んでいます。
骨が柔らかくなる魚の養殖について、一緒に見ていきます。
魚離れの現状と課題

日本では和食文化の中心である魚の消費量がピーク時の約半分に減少している。
その要因として、「骨があること」による食べにくさに加え、価格の高騰や調理の手間がかかることも挙げられている。こうした課題を解決するため、滋賀県立大学の杉浦省三教授(60)は骨の柔らかい魚の養殖技術を研究している。
シシャモのように丸ごと食べられる魚

杉浦教授の研究では、魚の骨を柔らかくし、シシャモのように頭から丸ごと食べられる魚の養殖が可能となった。実際に試食したディレクターも「骨を感じない」と驚いた。
この技術の鍵は餌にある。骨の硬さはリン酸カルシウムの量に影響されるため、リンを取り除いた餌を与えることで骨を柔らかくすることができる。
養殖技術とその影響
現在、この技術はコイ、フナ、ニジマス、ティラピア、モロコの5種類で実用化されており、魚の健康には全く影響がない。
さらに、骨まで食べることで栄養価が3~5倍向上し、魚の持つ豊富な栄養を無駄なく摂取できる。
杉浦教授は「たい焼きのあんこを捨てるようなもの」と例え、骨まで食べることの重要性を強調している。
研究の背景と挑戦
杉浦教授は幼少期、父親の厳しいしつけにより魚を食べる習慣を身につけた。高校時代から魚を飼育し、大学卒業後は中東シリアやハーバード大学で養殖技術を学んだ。
しかし、日本に戻った際、研究施設が不十分であるという厳しい環境に直面した。そこで井戸水のある空き家を購入し、1000万円以上をかけて自宅兼実験場を整備。環境を整えながら研究を続けてきた。
環境負荷の軽減と国際的評価
欧米では低リン飼料の研究が盛んであり、特にアメリカやヨーロッパの養殖業界では、水質汚染防止や魚の健康維持を目的にした研究が進められている。
例えば、アメリカの一部の養殖場では、低リン飼料を活用し、湖や海へのリンの流出を抑制する試みが行われている。
リンを取り除いた餌は、骨の柔らかい魚を育てるだけでなく、海洋汚染の抑制にも貢献する。
杉浦教授の研究は、学術誌『サスティナビリティ』からも高く評価され、「魚の餌の研究を変える可能性がある」と認められた。
未来への展望
杉浦教授は「この研究をしているのは自分だけで、私がやめたら誰もやらない」と語り、研究の継続に強い意欲を示している。現在は一般販売に向けた協力企業を募集しており、商品名も公募中。
教授の案として「骨あり魚(ほねありざかな)」が考えられている。
淡水魚だけでなく海水魚への応用も視野に入れ、日本人の魚離れを食い止める新たな技術として期待されている。
フナの骨が柔らかくなる逸話

フナは日本の淡水魚で、刺身や焼き物として楽しまれます。

特に川魚の中ではフナの刺身は特に美味とされておりますが、小骨が多いことが課題とされています。
小骨対策としての調理法


フナは小骨が多い欠点はあるもの、さまざまな調理方法を駆使することで小骨の問題を解決できます。
- 煮る
フナを煮ることで、小骨が柔らかくなり、食べやすくなります。 - 骨切り
調理前に小骨を細かく切る「骨切り」を行うことで、食感を良くする方法もあります。 - ミンチにする
フナの身をミンチにしてカツレツなどに加工する際、小骨を取り除くか、細かくする工夫が必要です。
この特性から、フナを「骨なし」→「ほねな」→「ふな」と呼ぶようになったという逸話があり。この言葉が転じて「フナ」という名前になったとも言われており、魚の調理法が名称に影響を与えた興味深い例として語り継がれている。
これらの調理法を活用することで、フナの小骨の問題を軽減し、美味しくいただくことが可能です。
また、骨まで食べられる魚の研究とも関連し、魚の消費拡大や調理の利便性向上につながると期待されています。
まとめ

骨まで食べられる魚って、すごく画期的ですね!

そうですね。栄養価も高いし、環境負荷の低減にもつながり。
さらに、フナのように調理次第で小骨の問題を解決できる魚もいます。

これからの魚食文化に、すごく役立ちそうですね!

そうですね。
これを機に、もっと魚を身近に感じてもらえるといいですね。
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