魚の繁殖行動まとめ|7つの配偶システムとフナの繁殖

魚類学
先生
先生

今日は「魚の繁殖行動」について解説していきます。魚にも人間と同じように、子どもを残すためのいろいろな工夫があるんですよ。
中には、一夫一妻のような関係をつくる種類もいれば、複数のオスやメスが入り乱れて繁殖するような魚もいます。

男の子
男の子

へえ、魚にもそんなにいろんな“恋愛パターン”があるんですね!
でも、どうしてそんなに種類が違うんですか?

先生
先生

それは、生きている環境や生き残るための戦略が関係しているんです。
今回は代表的な7つの配偶システムとメスしかいないことで有名な「ギンブナ」の繁殖についても紹介していきましょう。

7つの配偶システム

先生
先生

魚の配偶システムは、以下の7つに分類されます。

一夫一妻

カクレクマノミ

一対の雄雌が相手を変えずに繰り返し繁殖する配偶システム。
また、部屋で子供の保護を行うような生態を持つのもこれに含まれます。

クマノミ、サザナミハゼ、テンジクダイの仲間がこれに当たります。

ハーレム型一夫多妻

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1個体のオスが、自分の名余りの中に複数個体の津軽関係にあるメスを独占する配偶システムです。
この際、メス同士の行動範囲が重複する場合と、メスも縄張りを構えて、メス同士の行動が重ならない場合の2つのタイプが知られています。

ホンソメワケベラやサラサゴンベの仲間がこれに当たります。

縄割り訪問型複婚

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オスの縄張り2メスが訪問して産卵を行うと言うもので、
特定のオスとメスがつがい関係にならない配偶システムです。


タナゴやカサゴ、ウミタナゴが当たります。

複雄群

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キンギョハナダイのような集団生活を送る習性のある種で、
群は、1個体の雄に対して、複数個体のメスから構成されるが、大きな群れでは、複数のメスが含まれる。複雄群となる。


ランダム配偶

グッピーやコチの仲間のように1個体のオスと1個体のメスのペアで産卵を行うが、繁殖のたびにパートナーが変わる。雄同士でメスをめぐって争うこともなく、体のサイズにも繁殖は影響されない。

一妻多夫


チョウチンアンコウやサケの仲間のように1個体のメスが、
複数個体の押すと同時に連続的に産卵するが、雄は他の息子、体とは違い関係を持たない。配偶システムです。

グループ産卵

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フナのように産卵直前のメスを複数のオス追尾し、メスの放卵と同時に放精を行う配偶システム。

オスからメスへの目立つ求愛行動は無いものの、放精をめぐったオス同士の争いは生じることがある。

配偶者を得るための戦略は、魚の種類によって多岐に渡ります。

乱婚型ではない場合、産卵の際に営巣する種はその作った巣の出来栄えが重要となりますし、強さや美しさを争う手はその体格やダンスの質が重要となります。パートナーに選ばれなかった個体でも何とか子孫を残そうとスキーニングを行う主も存在します。


フナ類の一般的な繁殖行動

​フナ類は日本の淡水域に広く分布し、種によって繁殖行動に特徴的な違いがあります。
​特に、一般的なフナ類の繁殖行動と、メスしかいないギンブナの繁殖様式についてご紹介します。​

多くのフナ類は春から初夏、水温が15〜20℃に達する時期に産卵を行います。 産卵場所としては、水草が豊富な浅瀬や流れの穏やかな場所が選ばれます。

産卵は通常、複数のオスが1匹のメスを追尾する「群れ産卵」という形態で行われます。 メスが水草などに粘着性の卵を産み付け、直後にオスが放精して受精が行われます。

先生
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このような集団的な産卵行動は、受精率を高めるとともに、
外敵から卵を守る効果もあります。​

ギンブナの繁殖行動

ギンブナは他のフナ類とは異なり、ほとんどの個体がメスで構成されています。
オスの個体は非常に稀で、地域によっては全く見られない場合もあります。

このため、ギンブナは「雌性発生」と呼ばれる特殊な繁殖様式を採用しています。
雌性発生では、他種のオス(例えばコイやドジョウなど)の精子を利用して卵の発生を開始させますが、精子の遺伝情報は取り込まれず、母親と全く同じ遺伝子を持つクローンのメスが生まれます。

このような繁殖方法により、ギンブナはオスがいなくても効率的に個体数を増やすことが可能です。 ​

ギンブナの産卵行動自体は他のフナ類と類似しており、水草や流木などに粘着性の卵を産み付けます。 しかし、卵の発生には他種のオスの精子による刺激が必要であり、同じ生息域に他のフナ類が存在することが重要となります。 ​

先生
先生

以上のように、フナ類は種によって多様な繁殖戦略を持ち、
特にギンブナの雌性発生は魚類の中でも特異な例として注目されています。​

まとめ

先生
先生

ということで、今回は「魚の繁殖行動」について解説していきました。
魚の世界には、本当にたくさんの繁殖戦略があって、ただ卵を産んで終わり、というわけではないんですね。

女の子
女の子

はい、ギンブナの「雌性発生」なんて本当にびっくりしました。
クローンで増えるなんて、まるでSFみたいです!

先生
先生

そうでしょう?でもそれが実際に自然界で行われているのがすごいところです。
こうした多様な戦略を見ると、生き物たちがいかに工夫して生きてきたかがわかりますね。
これから水辺の魚を見る目が、ちょっと変わってくるかもしれませんよ。

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