- 英名:crucian carp
- 学名:Carassius carassius (Linnaeus, 1758)
概要
本種はヨーロッパとアジアが原産。
野生個体の最高寿命は約10年である。体長は50cm、体重は1.5kgと日本に生息するフナ類と比較してやや大型であり、約64cmと5kgという最大サイズが記録されている。
体格は体高が比較的高く、横方向に圧縮したような見た目をしている個体が多い。まれにスレンダーな体型をしている個体も存在する。この差は捕食性の生態学的要因であると考えられる。
本種を捕食する生物(ナマズ、ウナギ等)が多く存在する水域の個体の体高は高く、いない水域は体高が低い傾向がみられる。背鰭は(14-21)であり、臀鰭は(5-8)である。口は斜めになっており、腹膜が薄い。鰓把数は22-33。体色は背側が暗い黄色がかった銅色であり、各鰭は赤く染まる。
生態
ヨーロッパとアジア全域の河川や湖、池に生息している。成熟年齢は環境条件によって異なり、暖かい地方の方が早く成熟する。ほとんどの場合、雄は雌よりも早く成熟し2-5年で成熟する。
高濁度と低酸素の耐性があり、非常に丈夫な魚である。記録によれば、水域の水位の低下により、数週間泥に埋まっても一時的に生存する事は可能である。また、雪や湿った葉で包装し、長時間の輸送に耐えられることもできる。本種の耐寒性は顕著であり、0℃以下の水温でも生存できる。厚く氷が張った低水温で無酸素状態という環境でさえも数ヶ月間生存する事ができる。これは嫌気性代謝を使用し、仮死状態になることにより数ヶ月間の活動を停止する事ができる。いわゆる冬眠である。食性は雑食性であり、食事は季節によって異なる。
食性は、ミジンコ同様にワムシ、動物性プランクトン、藻類および植物を好むと報告がある。
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