淀川とフナ|都市河川に生きる淡水魚たちの物語

陸水学
先生
先生

今回は「淀川とフナ」について解説していきます。
大都市を流れる淀川ですが、実はたくさんのフナが暮らしていて、文化や自然環境とも深く関わっているんですよ。

男の子
男の子

えっ、フナってそんなに重要な魚だったんですね。
身近すぎて、あまり気にしたことがありませんでした。

先生
先生

そうなんです。フナは食や釣り、さらには地域の自然ともつながっている魚なんですよ。
今日はその魅力をじっくりお話ししていきますね。

男の子
男の子

はい、どんな話が聞けるのか楽しみです!

淀川とは

日本最大の湖・琵琶湖を水源とする淀川は、上流部では瀬田川、中流部では宇治川と呼ばれ、
さらに京都・大阪の境界で桂川、木津川と合流して「淀川」となります。

最終的に大阪市内を通り、大阪湾へと注ぐ全長約75kmの大河川です。

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その流域面積は8,240km²に及び、全国第7位の広さを誇ります。
流域には約1,100万人が暮らし、政治・経済・文化の中心地として長い歴史をもってきました。

先生
先生

現在も洪水の防止や水資源の確保、美しい水辺環境の保全に向けた取り組みが続けられています。

淀川の源とびわ湖

淀川の源は、福井県と滋賀県の県境にある長浜市余呉町・栃ノ木峠にあります。
そこから流れ出た水は高時川、姉川を経て琵琶湖へと注ぎます。琵琶湖は117本の河川から水を受け、唯一瀬田川として下流へと水を送り出します。

先生
先生

なお、日本の法律「河川法」では湖も河川の一部とされるため、琵琶湖は正式には「淀川水系一級河川びわ湖」と呼ばれます。

女の子
女の子

琵琶湖って川なの!?

淀川の陸水学|内陸水系が育む恵み

淀川は、日本有数の内陸水系です。琵琶湖で一時的に蓄えられた水が、瀬田川、宇治川、そして淀川を通じて大阪湾へ流れるという、明確な水の循環が形成されています。

この流れは、流域に豊かな地下水と湧水を生み、農業や工業、都市生活を支える重要な水資源となっています。

また、川沿いに点在するワンド(後背水域)は水の流れが穏やかで、生き物たちの避難所や繁殖地として機能しており、自然と共生する川の象徴的な存在です。

淀川の地理学|人と都市をむすぶ川

淀川は、京都・伏見・大阪といった歴史都市を結ぶ地理的な大動脈です。
古来より水運・物流の要所であり、周辺地域の発展に大きく貢献してきました。

桂川・宇治川・木津川が合流する地点は、水系が集中する地形的なハブでもあります。
琵琶湖は上流で天然の調整池のように働き、下流域の洪水リスクや渇水リスクをやわらげる役割も果たしています。

現在では都市化により川との距離が広がったものの、「水辺の再生」や「自然との接続」を目指す活動が進められ、再び注目される存在となっています。

淀川と魚類学|都市の中に息づく淡水魚たち

淀川にすむ代表的な魚たち

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淀川では、春になるとアユが産まれた海や汽水域から川をのぼり、桂川や淀川の堤でその回遊の姿を見ることができます。

また、イタセンパラはかつて広く分布していた希少種で、現在は淀川水系に限って生息が確認されています。

先生
先生

シンボルフィッシュとして保全活動も盛んに行われており、
地域の生物多様性の象徴となっています。

淀川に生息するフナ属魚類

淀川水系には、ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、オオキンブナ、ギンブナといったフナ属魚類(Carassius 属)が生息しています。
これらは主に琵琶湖を起源とする淡水魚で、流れのゆるやかな場所や水田、ワンドなどでよく見られます。

とくにカワチブナはゲンゴロウブナの改良種で、アライ(洗い)として食用に利用されたり、釣りの対象魚としても人気があり、大阪の伝統的な特産魚として地域文化にも深く根づいています。

淀川を展示している水族館

淀川資料館

淀川資料館は、淀川の自然や歴史、文化を学べる施設です。
展示や資料を通じて、淀川流域の生態系や人々の暮らしとの関わりを知ることができます。また、定期的に開催される講座やイベントでは、淀川の魅力を深く学ぶことができます。

すいたまちなか水族館

すいたまちなか水族館は、吹田市役所本庁舎と水道部(南吹田3)に設置された大型水槽で、淀川水系の淡水魚を展示しています。
生物多様性の大切さを伝えるため、ボランティアによる水槽の清掃やイベントへの出展なども行われています。

生物多様性センター

大阪府立環境農林水産総合研究所の生物多様性センターでは、大阪府内の生物多様性保全に関する調査研究を行っています。
また、府内の生物多様性関連施設の情報提供や、イベントの開催などを通じて、府民への啓発活動も行っています。

おわりに|都市の川に息づくフナの物語

先生
先生

ということで、今回は「淀川とフナ」について解説していきました。
都市の川にも、昔ながらの自然やそこに生きる魚たちの営みがしっかりと残っているんです。

男の子
男の子

フナのことを知ったら、川を見る目が変わりました。
今度は実際に淀川のワンドに行って、フナを探してみたいです!

先生
先生

それはいいですね。自然の中で生き物を観察することは、たくさんの学びにつながりますよ。
ぜひじっくり観察して、新しい発見をしてきてくださいね。

女の子
女の子

はい、自然をもっと身近に感じていきたいと思います!

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