
今回は「水のかんきょう学習館」について解説していきます。
明治用水や矢作川の魚たちを学べる、とてもユニークな施設ですよ。

えっ、水の施設って、ただ水道のことを学ぶだけじゃないんですか?

ここでは、水道のしくみだけでなく、実際に魚が泳ぐ水槽を見ながら、
自然と人の関わりについても学べるんですよ。

なるほど、実物を見ながら学べるなら、すごく楽しそうです!
明治用水の歴史と安城の水を学べる場所

愛知県安城市にある「水のかんきょう学習館」は、大池公園内にあり、明治用水の流れを実際に取り入れた展示が特徴です。

水の環境学習館」は、明治用水の歴史や安城市周辺の水資源に関する知識を深められる施設です。
水道の仕組みや地域の水環境について学べる展示が揃っており、子どもから大人まで楽しめる学びの場となっています。
水槽では、コイ・フナ・カワムツ・ドジョウなど、矢作川流域に生息する淡水魚の姿を間近で観察できます。
また、水にまつわるパネル展示や、環境教育に役立つ体験コーナーなども充実。お子様の自由研究や学校の社会見学にもおすすめの学習施設です。
矢作川とは

矢作川(やはぎがわ)は、長野県の恵那山を源とし、愛知県と岐阜県を流れて三河湾へ注ぐ全長約118kmの一級河川です。
流域には豊田市や岡崎市、安城市などがあり、古くから農業用水や生活用水として地域の人々の暮らしを支えてきました。
中でも「明治用水」は矢作川の水を活用した代表的な農業用水路であり、現在でも大規模な灌漑に利用されています。
矢作川に生息する魚たちを展示

施設内には矢作川にすむ魚たちを紹介する大型水槽があります。展示名は「フナ」となっていましたが、実際に確認できたのは体高のある25cmほどの個体たちで、おそらくギンブナかゲンゴロウブナと思われます。体格もしっかりしており、健康状態も非常に良好でした。
混泳している魚も豊富で、以下のような種類が確認できました。
- コイ
- オイカワ
- カワムツ
- ドジョウ
- タイリクバラタナゴ
- モツゴ
- タモロコ
とくにオイカワやモツゴもかなり大型に育っており、展示環境の良さがうかがえます。
超大型水槽と給排水システム


展示に使用されている水槽は、全長3m以上ある大型のもの。給排水には直径40mm近い塩ビパイプが使われており、水族館並みのスケールです。しかし水槽の水は茶色く濁っており、一見すると「掃除されていないのでは?」と思ってしまうかもしれません。
ところが実際には、この水槽には矢作川に流れ込む明治用水(農業用水)をそのまま使用しているとのこと。季節や天候、農業利用の状況により、水の透明度が日々変化するのです。
筆者が訪問した日はちょうど田植えシーズンで、加えて雨天だったため、用水の濁りがそのまま水槽に反映されていたのでしょう。おそらく冬の晴れた日にはもっと透明な水になるのかもしれません。
魚にとって「きれいな水」とは?


従来、濁った水槽は管理が行き届いていないと思いがちでしたが、この施設の展示を見ると、そうした価値観に一石を投じられたように感じます。普通のろ過設備では水質悪化が避けられない場面でも、ここでは流量の多い農業用水を循環させることで、水温も安定し、糞尿も滞留しない理想的な環境が維持されているようです。
結果として、魚たちは健康で生き生きと泳いでおり、「透明な水=良い水」とは限らないことを改めて考えさせられます。

とはいえ、水槽の壁面には茶ゴケがびっしりと付着しており
メンテナンス面では課題も残っているようです。
撮影には不向きな環境
水槽内には照明が設置されておらず、室内もあくまで自然光による明るさです。そのため、魚の撮影にはやや不向きな環境であり、特にフナをきれいに撮影するのは難しいと感じました。
屋外池にもフナの姿が



施設の外には池があり、こちらでもフナの姿を確認することができました。むしろ水の透明度はこちらの方が高く、観察もしやすかった印象です。確認できたのはおそらくゲンゴロウブナと思われる個体です。
なお、この池は本来は関係者用の通路に面しており、立ち入りは禁止されています。今回は特別に許可をいただいて撮影を行いました。
入口水槽には金魚とプレコ



施設の入り口近くには小型の展示水槽もあり、金魚とプレコが飼育展示されていました。
こちらは学習目的というよりは来場者向けの癒しの展示といった雰囲気です。
水のかんきょう学習館|施設概要とアクセス情報
基本情報
- 施設名
水のかんきょう学習館(明治用水会館隣接) - 住所
〒446-0065 愛知県安城市大東町22-16 - 電話番号
0566-76-6560(明治用水土地改良区 地域活動係) - 開館時間
9:00〜16:00 - 休館日
月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、臨時休館日あり - 入館料
無料(※一部の体験・施設は有料の場合あり) - 駐車場
あり(無料) - トイレ
あり(多目的トイレ完備)
アクセス
- 公共交通機関でのアクセス
JR東海道本線「安城駅」から徒歩約15分
名鉄西尾線「北安城駅」から徒歩約15分
あんくるバス(西部線6番または作野線7番)「中部小学校」バス停下車、徒歩約1分 - 車でのアクセス
国道23号「和泉インター」から北へ約20分
国道1号「今本町西」交差点から南へ約10分
まとめ

ということで今回は「水のかんきょう学習館」について解説していきました。
学びながら自然とふれあえる、貴重な施設でしたね。

水槽の魚を見るだけじゃなくて、
水環境のことも考えられるんですね。

そうなんです。これをきっかけに、
水の使われ方や自然との関わりにもっと興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
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