
今回は「フナが飼いやすい魚である理由」について解説していきます。
魚として飼育しやすい生き物はどんな種類なのかを生理学的に解説して行きます。

えっ、フナってそんなに飼いやすいんですか?
なんだか地味なイメージがありますけど…

そう思うかもしれませんが、
じつは飼育環境にとても順応しやすく、管理も楽なんです。

なるほど!それなら初めて魚を飼うときにもぴったりですね
飼育しやすい魚の特徴と選び方
初めて魚を飼うとき、「どんな魚が飼いやすいのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。

結論から言えば、フナや金魚は非常に飼育しやすい魚です。
しかし、なぜフナが飼いやすいのかは、魚種の性質や飼育環境との関係を踏まえて理解する必要があります。
1. 生態が明らかであること



魚を安定して飼育するには、
まずその魚の生態がよくわかっていることが大前提です。
自然界でどのような環境に生息し、どのように生活しているのかが分からないと、
適切な飼育環境を整えるのが難しくなります。
例えば、水温・塩分濃度・溶存酸素・pH・底質・光量・水流など、
物理的・化学的条件をどう設定するかは、生態の理解に大きく左右されます。
2. 淡水魚は飼育しやすい


飼育水の管理面では、海水魚より淡水魚の方が初心者向けです。
淡水は塩分濃度の調整が不要で、比較的水の入手と管理がしやすいからです。
ただし、川魚でも流水を好む種類(ウグイ、オイカワなど)は水槽から飛び出しやすいためフタが必要になります。
イワナやアマゴなどの冷水性魚種も水温管理が難しく、クーラーや水流ポンプが必要なため飼育難易度は高めです。
その点、フナやドジョウ、モツゴなど止水域に生息する魚は、水温や水流に対する要求が低く、水槽でも安定して飼育できます。
3. 回遊を行わない魚は安定飼育向き


魚の中には、成長や繁殖の過程で長距離の移動や回遊を行う種類がいます。
こうした魚(例:サケ、ウナギ、カワヤツメなど)は、異なる環境を再現する必要があるため、家庭での終生飼育は難易度が高くなります。
ただし、一生の飼育ではなく、特定の成長段階に限って飼育するのであれば、難易度が下がる魚も少なくはありません。
つまり、飼育の目的やゴールの設定を阻めれば、回遊や移動を必須とする魚であったとしても、飼育は容易となります。例えば、海で産卵をするニホンウナギの場合は、産卵を考えなければ、飼育難易度自体は下がります。
その点フナのように生涯を通じてあまり移動をせず、一定の環境に定着する魚種は、限られたスペースでも飼育が可能です。

こうした「定着型」の魚は、飼育設備がコンパクトで済み、
管理もしやすいと言えます。
4. 大型化しない魚が飼いやすい



魚は種類によって成長速度と最大全長が異なります。
飼育初期には小型でも、将来的に体長が50cm〜1mを超える魚種(コイ、ナマズなど)は、専用の大型水槽が必要になります。
その点、体長20〜30cmで止まるフナは、自宅の60cm水槽でも終生飼育が可能なため、非常に飼いやすいサイズ感です。
なお、ペットとして人気だった外来種「アリゲーターガー」は、最大で3mに達するにもかかわらず、無計画に飼育・放流された結果、2018年に特定外来生物に指定され、飼育が原則禁止となりました。

将来にわたって飼育可能な魚を選ぶことも、現代のアクアリストの責任です。
5. 人工飼料で育てられること



飼いやすい魚の条件のひとつに、
餌の入手・給餌のしやすさがあります。
フナを含むコイ科の魚は雑食性で、市販の乾燥飼料(フレーク・ペレット)でも栄養管理ができるため、非常に飼いやすいとされています。
肉食性のナマズやウナギも活きた魚やエビなどを食べることが多いですが、給餌方法を慣らしていくと乾燥エサや配合飼料での給餌も可能になるものもいます。
一方、カエルアンコウやフサカサゴ、タツノオトシゴのように生き餌しか食べない魚は、餌の確保や給餌の工夫が必要で、初心者には不向きです。
6. 環境変化への耐性がある魚


「高ストレス環境」とは、水温・塩分・酸素濃度が大きく変動する氾濫原湿地や潮溜まりのような場所です。
そこに生息する魚は、環境の変化に強い個体が多く、初心者でも比較的飼育しやすい傾向にあります。
特に浅い場所を利用しない深海魚は、水温を4度から5度へと位置し続ける必要があり、個人での飼育は難しいグループです。
水槽用の冷暖房を利用すればできる幅も広がりますが、飼育上の手間も増えます。
淡水ではフナやドジョウ、汽水ではアベハゼ、海水ではアゴハゼなどがその代表例です。こうした魚は、これまでに挙げた「飼いやすい魚の条件」を複数満たすため、総合的に見ても飼育向きです。
まとめ|フナはなぜ飼いやすい魚なのか?
- 生態がよくわかっている
- 回遊せず特別な再現環境が不要
- 成長しても比較的コンパクト
- 人工飼料での給餌が可能
- 環境変化にも強い
これらすべての条件を満たしているフナは、観賞用としても教育目的としても優れた飼育対象であるといえます。
初心者の方にも、また魚飼育を深めたい方にもおすすめできる魚種です。

ということで今回は「フナが飼いやすい理由」について解説していきました。
飼育向きの特徴がたくさんありましたね。

はい!サイズも扱いやすくて、
餌も簡単に用意できるのがうれしいです。

そうですね。自分の飼育環境に合った魚を選ぶことが、
長く楽しむための第一歩です。

今度、水槽を用意してフナから始めてみようかな!
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