【魚類解説】野生化金魚

生物学
河川で泳いでいる金魚の事です。(写真:東京タワー水族館)

学名:Carassius auratus auratus

概要

 種としては確立されないが、まれに個体確認することがあるので記載する。一般的には金魚すくい等の養殖された金魚が何らかの原因で河川に生息し、野生化した個体である。大抵の場合に野生化した原因は、金魚の飼い主が河川に放流した個体が在来種との交雑し、そのF1個体が野生化したという場合である。

 金魚は体色が保護色でない派手な赤や黄色であることが多いが、この場合は在来個体との掛け合わせにより、体色が通常のフナ色をしていることが多い。(これは、金魚の赤い体色の遺伝子が劣勢遺伝のためであると考えられる。)
また、尾鰭が長い個体(流金やコメットが交配下であると考えられる。)と尾鰭が短い個体(交配下が和金であると考えられる。)の2種類が確認されており、前者の場合は尾鰭の長さが長いため、通常のフナとの分類が容易に行える。
しかし、後者の場合は相違点がほかのフナと多くなく分類が非常に困難である。

 生態は他のC.auratusのフナ類と大差ない。(それ以前に親である金魚が野生で生存している事自体以上でもあるが)金魚の種名はC.auratusであるが、近年、金魚の起源が中国大陸に生息するギベリオブナC.giblioであることが判明しており、日本の在来種と交配すると遺伝の多様性に影響が生じてしまうため、あまりよろしくない。できることなら金魚を河川に放流することは考えたほうがよいだろう。
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