琵琶湖の文化と水族館
琵琶湖の岬に建つ近代的な建物、「琵琶湖博物館」ここの水族展示室は現代的な水族館そのものではあるもの、
博物館と名乗っていることもあり、琵琶湖と人の関係や琵琶湖の古代からの歴史の展示が中心である。
日本のフナを展示している水族館の最高峰。まさにフナのために存在する水族館といっても過言ではない。
それは、琵琶湖に住んでいる魚類をはじめ、フナ類を多く展示している。フナ好きにはたまらない、まさに聖地といえよう。
フナのいる水槽
内湖・ヨシ原に住む魚たち
水族館に入ってすぐに横長の水槽が広がってくる。
まるで、池を縦に半分に切ったような水槽。岸辺にはヨシ帯がありタナゴやニゴロブナの仔魚が群れて泳ぎ、我々が目につきやすい水底には大きめのギンブナが泳いでいる。
水面下の風景を移し、湖の中はこんな世界が広がっているんだよと我々に語りかけてきているかのように感じられる。
この水槽には以前はコイが泳いでいたものの、今はトンネル水槽に移ったため、現在はこの水槽で一番大きい個体はギンブナとなっている。
水族館の入り口でフナが展示されていることはよくあることではあるが、こんな大きな水槽でフナが主役を務められる場所は日本中探してもなかなかないだろう。それほどにフナの魅力を押し出している水槽なのだ。
展示個体:ニゴロブナ、ギンブナ
混泳個体:ワタカ、イチモンジタナゴ、タモロコ
岩場から沖合いに住む魚たち
先程の水槽を越え先にはこれまた変わった水槽が待ち構えている。巨大トンネル水槽である。
水深が急に深くなる琵琶湖の北部を再現するために、水槽にトンネルを付けて、水中世界を表しています。
このようなトンネル水槽は海水水槽ではよく見かけますが、淡水専門水族館ではそうそうありません。
この水槽のおかげで、魚たちをいろんな角度からみることができるようになります。
通常、池ならば上から見下ろしたり、通常の水槽ならば真横からしかみることができませんが、トンネル水槽のおかげで真下から魚を見上げることができます。
フナたちのいろんな視点から覗くことができる非常に素敵な水槽です。背景も青なので、綺麗な青抜きの写真を撮ることができます。
特に私のおすすめは真下からフナを撮影することであり、特に天気の良い日は太陽が登って綺麗にフナのシルエットを移せますね。
対象個体:ゲンゴロウブナ
混泳個体:ニゴイ、コイ、ウグイ、ナマズ
ふなずしになる魚
一つの水槽で単独飼育を展示する。という「魚」を紹介する水槽である。
以前は「メスしかいない魚」としてギンブナが展示されていましたが、現在は「ふなずしになる魚」としてニゴロブナが単独飼育で展示されている。
ここでは程よいサイズのニゴロブナが群れをなして泳いでいる。
水槽の横にはニゴロブナに関する解説とふなずしになるまでの過程などの説明もされている。
ニゴロブナ自体は一番最初の水槽でも展示されてはいたのであるが、
ここの水槽ではちょうどすぐそばには「湖を食べる暮らし」としての特設コーナーも存在ており、ニゴロブナに感心意欲を沸いてもらえるようになっている。
展示個体:ニゴロブナ
おまけ
湖魚を食べる暮らし
今までずっと琵琶湖の自然や魚に関する水槽の展示がずっと続いてきたので、突然歴史の感じられる魚屋さんが出てきて驚く方も多いだろう。
湖の魚を食べる暮らしという名のようにここでは、琵琶湖に存在する魚屋さんである「魚滋」を再現した展示となっている。
このコーナーでは、特に琵琶湖で獲れるフナである「ニゴロブナ」の展示を行っている。
実際には魚市場ではどのように魚が売られているのか、ニゴロブナがどのようにふなずしが作られるのかということを解説している。
実際にふなずしの食品サンプルがあったり、ふなずしの匂いを嗅ぐことができたりと食品を視覚と嗅覚で感じることができるのである。
ふなずしに興味がある方は、当博物館にある食堂で食べることもできるので、ぜひとも行ってみることをお勧めします。
水辺の鳥
琵琶湖の展示が一通り終わり、琵琶湖に流れる川の展示が過ぎたところに「水辺の鳥」と名のついた展示水槽がある。
名の通り、水槽の上部である陸地にはカルガモなどの水鳥が停まっている。
そして、水槽の中を覗くと、なぜか水底には数匹のギンブナが泳いであるのが目にとれる。
果たして、このフナは水鳥のエサなのかどうか気になるところではあるが、
少なくとも私が複数回行っている間にフナの数が変わっておらず、水鳥のくちばしなどで怪我を受けたようにも見られないため、
この水槽内で共存しているのではないかと考えられる。水鳥には別で餌を与えているのだろう。
少し奥行きのある水槽ではあるが、水底にフナが泳いでいるので、比較的フナを見つけることは簡単である。
展示個体:ギンブナ
ふれあい体験部屋
魚と触れ合える水槽の中にフナが展示されていた。上から覗いて触れるタッチングプールや水槽内に穴が空いていて水槽にてを入れられる水槽など、種類は様々である。
手軽に魚と触れ合えるのでこういう機会が増えるといいな。
ただ、現在はコロナ禍であり現在は展示は休止中である。
ここで展示されていたフナたちは今はどこで飼われているのだろうか、
展示個体:ニゴロブナ
訪問記
フナ好きの私は小さい頃から、この水族館はずっとあこがれだった。
中学生の頃に貯金を貯めて、新幹線に乗って初めてに行った時のことを今もよく覚えている。
私が初めて車を買ったとき、家族を連れて行った旅行の目的地がここだった。
決して近くはない距離だったがいつでもここの水族館は私に感動を与えてくれたのだ。
その後、転勤で兵庫に異動になったが、意外と近くになった。
私は初めて年間パスポートを購入し、なんだかんだ月一でここに行くようにもなった。
現在は静岡県の浜松市に転勤になったが、滋賀による際にはしばし琵琶湖博物館に行き癒されている。
水族館情報
TEL 077-568-4811
住所 滋賀県草津市下物町1091
URL http://www.lbm.go.jp/
開館時間 9時30分~17時(入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)
入館料 大人 600円、高・大学生 400円、小・中学生 250円
交通 電車:JR草津駅西口から鳥丸半島行き近江鉄道バス約22分、琵琶湖博物館前下車すぐ。
車:名神道大津ICから近江大橋、湖周道路など約30分(または名神道粟東ICから約25分)
駐車場:あり
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