こんにちは!今回は日本に生息するフナの種類をチャート式を使って簡単に見分ける方法を紹介します。皆さんは川で魚を釣った時、

このフナはどの種類かな?
と気になったときに役立ちますよ。
魚を傷めないよう、釣ったフナを素早く撮影してから調べてみてください。
背鰭(せびれ)のスジの数など、フナの特徴を比べながら進めていきます。
参考にしたのは『原色日本淡水魚類図鑑』です。
ぜひ、背鰭を広げてしっかりと写真を撮っておいてくださいね。

では、さっそく始めましょう!
フナの見分け方のポイント
1. 背鰭のスジの数(軟条数)

背鰭のスジの数が、コツとなりますね。
魚は泳ぐときに背鰭を使ってバランスをとりますが、種類ごとに泳ぎ方や生息環境が違うため、スジの数も異なります。

そのため、フナの種類を見分ける大事なポイントになり、
例えばキンブナは11~14本、オオキンブナは13~15本です。
2. 鰓耙数(さいはすう)

鰓耙はエラの中にある細かい突起でこれで餌をこし取ります。
フナが食べるものや住んでいる環境に合わせて、エラの構造が変わり小さな餌を食べるゲンゴロウブナは鰓耙が多く、大きな餌を食べるキンブナは少なくて済みます。

フナの種類ごとに鰓耙の数も違います。
例えば、ギンブナは45~57本、ニゴロブナは53~72本です。
3. 体高(たいこう)

体高は、魚の背中からお腹までの高さのことです。
泳ぐ場所や食性によって体の形が違います。

種類によって、体高が高いフナもいれば、低いフナもいます。
ゲンゴロウブナは体高が高く、キンブナは低めです。
4. 体色(たいしょく)


体の色も種類を見分ける手がかりです。体の色は、フナが住んでいる環境に合わせて変わります。
暗い場所にいる魚は黒っぽく、明るい場所にいる魚は明るい色になることが多いです。

キンブナは黄色っぽく、ギンブナは緑や黒っぽい色をしています。
生息環境によって色味も変化させますのでご参考程度にしておきましょう。
チャート式!フナの見分け方
質問1

- 背鰭のスジの数が11~15軟条ですか?
- 体の高さが低く、体色が黄褐色または赤褐色のフナですか?(鰓耙数は36~40)
質問2

- 眼は体の上側についていて、頭部側面の前端は鈍く尖っていますか?
- 尾鰭付近は高く鰓把数は45~57程度ですか?
質問3
- 背鰭11~14軟条。
- 体長は最大でも15cm程度。
→もしそうならばキンブナの可能性が高いです。
【キンブナの特徴】

背鰭11~14軟条。
体長は最大でも15cm程度。
体高が低く、体色は黄褐色
鰓把数は36~40)
詳しい情報はこちらから
- 背鰭13~15軟条。
- 体長は15cmに成長する。
→もしそうならばオオキンブナの可能性が高いですね。
【オオキンブナの特徴】

背鰭13~15軟条。
体長は15cm以上。
体高が低く、体色は黄褐色
鰓把数は36~40
詳しい情報はこちらから
質問4
- 体高が高く、体色は緑褐色で黒味を帯びることもありますか?
- 地方により雄雌の比に偏りが見られるますか?
→もしそうならばギンブナの可能性が高いですね。
【ギンブナの特徴】

体高が高い。
体色は緑褐色で黒味を帯びることもある。
地方により雄雌の比が著しく偏りが見られる
鰓把数は45~57程度である。
詳しい情報はこちらから
- 体高がやや低いですか?
- 体色は赤褐色または黄褐色ですか?
- 雌雄比の著しい偏りはみられませんか?
→もしそうならばナガブナの可能性が高いですね。
【ナガブナの特徴】

体高がやや低い。
体色は赤褐色または黄褐色。
雌雄比は1:1
鰓把数は45~57程度である。
詳しい情報はこちらから
質問5
- 体高が低いですか?
- 口唇が薄く、下顎部が著しく角張っていますか?
- 眼が大きく、尾柄部が低いですか?
- 体色は黄褐色ですか?
- 鰓把数は53~72本ですか?
- 採集場所は琵琶湖ですか?
→もしそうならばニゴロブナの可能性が高いですね。
【ニゴロブナの特徴】

体高が低い、口唇が薄く、下顎部が著しく角張っている。
眼が大きく、尾柄部が低い。
体色は黄褐色。
鰓把数は53~72本
琵琶湖特産。
詳しい情報はこちらから
- 体高は著しく高いですか?
- 体色は灰白色で銀白色の光沢が強いですか?
- 鰓耙数は92~128本と多いですか?
→もしそうならばゲンゴロウブナの可能性が高いですね。
【ゲンゴロウブナの特徴】

体高は著しく高い。
体色は灰白色で銀白色の光沢が強い。
鰓耙数は92~128本。
琵琶湖特産(ただし現在は移植により各地に繁殖している)
詳しい情報はこちらから
まとめ
このチャート式で、釣ったフナがどの種類か見分けることができましたか?
長い経験があれば顔つきだけで分かることもありますが、最初はこうした指標を参考にしてみてください。

鰓耙数など、詳しい特徴を確認するためには解剖が必要ですが、
無理にそこまでしなくても十分に見分けられるポイントがたくさんあります。
最後に、あくまでひとつの指標ですので、全てが当てはまるわけではありません。
それでも参考になればと思います。
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