マンボウの泳ぐ水族館





古代生物館という側面があり、化石や生きた化石生物の展示も同時に行っていたり、水槽で海人さんが素潜りで潜るという演出もあり文化的要素もあった。
駐車場の入り口に巨大なマンボウのモニュメントがありトレードマークとしてすごくよかった水族館であった。
令和3年3月31日をもって閉館してしまった「志摩マリンワールド」。
長い歴史がある水族館がこうして閉館してしまうのは非常に残念ではあるが、
フナを展示していた水族館として私も残していきたいと思い記事を書いている。
フナのいる水槽
高校生水族館

水族館の建物の途中にある休憩スペース。自動販売機や子供が遊ぶ遊具が置いてあるようなコーナーに淡水の水槽がいくつか置かれている。
水槽内にはフナをはじめとした伊勢志摩の淡水魚が様々展示されており、健康状態は良好である。



水槽内正面を除く3面は板で囲われており、水槽内は暗く、魚の撮影はしずらい。
これはあくまでフナなどの魚を落ち着かせるための配慮であろう。
後ろが明るい時には水槽の表面に写り込みが出てしまうので、極力カメラのレンズを水槽のガラス面に近づけて撮影を行う必要がある。
この水槽は驚くことに「志摩マリンワールド」が制作した水槽ではなく、近隣の高校生が作成、管理を行っている水槽なのである。
「三重県立水産高等学校 水産資源科アクアデザインコース 生物部」が管理をしており高校と水族館が提携を組んでいたのだろう。
この水族館がなくなるということは、この水槽もなくなってしまうことであり、非常に残念ではあるが彼らはまたどこかで活動を行なっていることだろう。
いつか彼らも水族館の職員となって、別のところで活躍する日が来るのかもしれない。
展示個体:ギンブナ
混泳個体:タモロコ、カワヒガイ、ドジョウ、シマドジョウ、ヌマムツ、オイカワ、アブラボテ、ヤリタナゴ
魅力的な魚たち
マンボウ


この水族館のシンボルでもあるマンボウ。
この水族館は特にマンボウ飼育には歴史があり広い水槽にマンボウが優雅に泳いでいた。
ちなみに志摩地方ではマンボウを食用にすると言う。
ネオケラトドゥス

館内に入ると迎えてくれるのは魚ではなく化石標本の数々。古代生物館という顔があり、いきた化石とも言われる生物を複数展示している。
私のお気に入りの古代種はこちら。「オーストラリアハイギョ」とも呼ばれる魚である。通常のハイギョとは少し離れた外観をしているは、肺呼吸もできる魚である。
愛らしい顔と柔らかそうな鰭、そして古代魚特有のフナに似た鱗が私を魅了してくれる。
実際に飼育したいが、80年以上生きる長生きな魚。下手したら私よりも長生きをする魚であり、私の寿命では飼いきれないだろう。非常に残念である。
カンパチ



当水族館で一番の特徴とも言える大回遊水槽。ドーナツ状の水槽に島の海の魚たちが泳ぎ続けている。
力強く泳ぎ続けるカンパチの姿を見ていると自然とケツイがみなぎった。
ずっと一定方向に泳ぎ続けるため、流し撮りの撮影を練習をするのにはもってこいの水槽であった。
それでも魚を撮影するとぶれやすいので、動く方向や速度を予想したりして撮影するとうまくいきやすい。
流し撮りをしても体がぶれないのは泳ぐのに全身を使わずに尾鰭しか使っていないのがよくわかる。
訪問記
この水族館が休館するという話を聞き、休館する前日にこの水族館に再度訪れた。
子供の頃、三重の旅行に行く時にはよくこの水族館に連れて行ってもらっていた思い出の土地であり、閉館してしまうのは非常に残念な気持ちである。
昨今のコロナ禍もあるが、長年営業してきた設備の老朽化などもあげられるのであろう。
半月後には神奈川にある油壺水族館も閉館するそうだ。長期にわたって営業する大変さをひしひしと感じられた。
これも時代なのだろうか。
それでも私たちの心の中にはこの水族館の思い出が残ってくれることを期待しよう。
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