【水族館コラム】展示における「ニゴロブナ」

水族館

ニゴロブナの特徴

琵琶湖固有種であり、「ふなずし」の原料とされるフナ。
生息地が限られていることもあり、展示している水族館は琵琶湖に設立している琵琶湖博物館とほとんどのフナを飼育展示しているあきついおの2館しかない。

しかし、その地域との広い関わりや本種における生態系の立場などからも多くのメッセージとくみたれるような水槽展示がなされており、どちらの水族館でも考えさせられる展示をおこなている。

ニゴロブナの全てを展示する水族館 〜琵琶湖博物館〜

琵琶湖のほとりに建つ「琵琶湖博物館」。ここは水族館ではなく博物館と謳っており、その規模は凄まじい。

ここでは、琵琶湖の人々との関わりの深いニゴロブナについての飼育展示をはじめ、食文化、漁業、自然学、系統など様々な観点からを見ることができる。

飼育展示

ニゴロブナの飼育展示は2箇所で行われている。

一つ目は導入の水槽。琵琶湖の岸辺の断面図のような水槽であり、本来のニゴロブナの生態が再現されている。屋外に設置されているため、四季を通したニゴロブナの生態を見ることができる。

もう一つは大きい水槽にニゴロブナだけを飼育展示した単独展示である。「ふなずし」の原料となる魚として、ピックアップされている。
本来淡水魚の中ではフナ類が単独展示するだけでも珍しいことですが、当水族館の愛を感じることができます。

食文化

水族館のエリアにある魚市のような売り場。ここでは、実際の魚市とニゴロブナのフナずしに関する展示を行っています。

漁業文化

2階にある漁業コーナーでは実際にフナを捕獲するために使用した漁具の展示を行っています。

琵琶湖の漁業文化についても学ぶことができる施設になっています。

自然科学

ニゴロブナの展示は水族館の上にある文化エリアにもあります。こちらは生体の展示ではありませんが、田んぼの生態系や琵琶湖固有種の解説にニゴロブナが使用されています。

それだけこの水域ではいかにニゴロブナとの関わりが深いのかがわかる展示になっています。

絶滅危惧種としての展示 〜あきついお〜

琵琶湖から遠く離れた高知県の四万十川市、ここの水族館にもニゴロブナが展示されている。

ここのでは、四万十川に生息している淡水魚の他に、日本をはじめとした世界中に生息している淡水魚の幅広く展示しており、その一環としての日本淡水魚のコーナーで見かけた。

本種の展示している水槽は琵琶湖博物館のように琵琶湖に生息しているような環境を合わせたり、同じような生息個体との混泳もされていない。

その代わりとしてとある共通点を持つ魚同士での混泳がされている。
それが「絶滅危惧種」である。タメトモハゼやタウナギなどのレッドリストに載った魚を一緒に展示を行っている。

レッドリストに乗ることで、逆にペットショップでの価格評価に利用されてしまい乱獲に遭ってしまうなど現在の惨状についても解説がなさっている。
絶滅危惧種について考えることができる貴重な空間だろう。

まとめ

いかがでしたでしょうか、

展示数こそ少ないニゴロブナでしたが、それぞれの水族館のインパクトが強くてどちらも勉強になります。

興味を持ったら是非行ってみてはいかがでしょうか。

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