フナのいる水槽展示では欠かせないものの一つが「擬岩」です。
義岩は水族館の展示にとって非常に大きな役割を果たしています。驚く方も多いとは思が、水族館にある岩のほとんどはニセモノ、つまりは擬岩となる。
特に淡水の水族館では魚の棲息している河川を再現する展示が多いです。
そのため、背景は岩を使用することが多いのだが、ただ岩を用意するには重さがあるので設置は困難となります。
そこで擬岩の登場です。一見、不自然に見えるかもしれないが、擬岩は長時間置くと苔や植物が生えるので、それが作り物だとは気づかない見た目となります。

擬岩のもう一つ重要な役割は水槽内の柱や配線、建物の出っ張りを隠すなどの役割を果たしていることが多いです。
自宅での飼育設備でもそうであるが、ヒーターやフィッシュレットなどの設備が見えてしまうと違和感が生じてしまいますね。
水族館の雰囲気作りにも多大な影響を与えています。
擬岩の素材

擬岩の主な材質は主にFRPという繊維と樹脂で強化したプラスティックで出来ています。
FRPはあらゆる耐性を持ち合わせ、さまざまな形状に対応し、着色も自由自在であるので、よく使われています。
もちろん生物にたいして害もなく安全な素材なんですね。
擬岩を使用してる水槽例
さいたま水族館

さいたま水族館の例。この水槽でも擬岩が使用されている。
3方を全て擬岩にすることによって多少の自然に見えるようになります。非常にシンプルなので、管理がしやすいのも利点です。
琵琶湖博物館の場合

琵琶湖博物館の場合は外に面した水槽であり、自然光を当てるようにしており、比較的自然な見た目となっている。
また、浅瀬のヨシ帯を作成してその中の生態系も表現できるようにしているのは擬岩のいじりやすさならではではないだろうか。
富士湧水の里水族館

湖を再現した擬岩の水槽。これは特にレベルが高い。というのも、岩が単調ではなく複数の岩の重なりがあり、自然な見た目としている。
特に隙間による影ができることにより、自然らしさと、隠れ家らしさにより魚の生態の再現を行えるようになっている。
本物の岩を用いて展示を行っている水族館

ということで、散々に擬岩の魅力について説明していきましたが、ここで、1館ほど本物の石で作られた水族館について説明させていだきます。
それが岐阜県にある「森の水族館」です。
有料水族館の中では最小の規模ではあるのものの、しっかりとアクリル板が貼られている水槽で、見た目は紛れもない水族館です。
そして、ここでは擬岩ではなく本物の岩が用いられているのが特徴があります。
水も水槽の上部から滝のように流れており、水温の低さでアクリルガラスの表面が結露するほどです。
岐阜県飛騨の自然を切り取ったような雰囲気が水槽からは感じ取られますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか、水族館の背景にはこんな不思議があったんですね。
今度水族館に行くときには背景の岩は本物か、それとも擬岩なのかじっくり見てみましょう。
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