今回は、水族館に置かれる展示について解説していきます。水族館において最も力を入れているところになりますが、
「水族館は展示が命」
水族館は野生生物を展示する、つまり見せるための設備である。したがって飼育や繁殖の技術が必要な以上に「展示」の技術が求められている時代である。
その展示とは何なのか、博物館学においては展示物とは、展示対象物に関するさまざまな「情報」のことである。
ニゴロブナの展示

たとえば、1匹のニゴロブナを展示をおこなう場合なら、ニゴロブナそのものの形態を見せるだけでは終わらないですよね。
フナの生態、繁殖方法、棲息する環境。食文化、さらにはニゴロブナを使用した「鮒鮨」という料理でさえもフナの情報も展示となり得る情報ですよね。
そんなフナに関する情報をフナとともに展示する。そうやって提供されたものが「展示物」となるのですね。

そのため、現代の水族館では、魚の展示するにあたっては、棲息する環境なども情報を含めて、展示することが多いですよね。
少なくともフナの生息する環境やその行動も含めて展示する努力が行われてきているんですね。
行動の展示

それが、以前に成功して注目を浴びた旭山動物園の「生態の展示」であり、「行動展示」と言われています。
日本の川を展示するときには、水槽に配置された岩や石の間を流れる川が再現されて陸の部分では草や木が生い茂っている・・・そんな展示がごく普通に行われているのです、これはすごいことですよね。
これは地味な川魚に興味ない観覧者の目を、環境的な生態と、魚達が川上に向かって行動で引きつける展示のテクニックとも言われています。
展示をデザインするときの要素には擬岩の配置の仕方、照明の手段、水槽壁面の色など様々な要素がありますが、それらの要素は水中という特殊な条件下で思わぬ方向に変化します。
その条件を効果的に対処するのが水槽作りのテクニックである。この技術は擬岩の製作者でも水槽を作る業者でもなく、水族館の従業員側に求められます。
展示が一番の水族館とは
数ある水族館のなかで一番のフナの展示が良いところはどこかと聞かれた場合、
私は真っ先に琵琶湖博物館があげます。

それを表すのがこの水槽です。淡水魚の水槽でこんなドーム型である場所はそうそうありません。
基本的にはフナがいる水槽では、メインの魚が別にいてあくまでもフナは脇役であることが多いです。
普段はわき役に徹しているフナやコイ。そんな魚のために水中トンネルや水深のある水槽を惜しげもなく使うことで、
琵琶湖水系の魚たちへの興味がことさらにかき立てられるようになっています。

また、ヨシ原の水槽は、雄大な琵琶湖を借景に、水槽の中に桟橋が掛けられるなど、地元の人たち記憶を呼び覚ます工夫がなされています。
広い水槽で泳ぐのはコイやギンブナ、ニゴロブナなどなじみのある魚ばかりです。
だからこそ、自然科学の主張だけでなく、琵琶湖の環境やそこで暮らしてきた人々の生活のことがすんなり入ってきますよね。
琵琶湖博物館の存在は、水族館がこれからの日本で果たす役割と更にこれからの日本が世界に果たす役割に至るまで、すばらしく大きな可能性を示していると感じますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか、さまざまな記事に登場しているようにとにかく琵琶湖博物館はフナにとって魅力的なものを多く感じる水槽が多く含まれています。
フナの聖地。フナ好きならたまりませんね。ではまた。
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