【フナのいる水族館】山方水族館

水族館

まちの小さな水族館

茨城県の山間にある淡水専門の水族館。
水族館に入ると真っ先にオオサンショウウオが出迎えてくれます。

また、日本をはじめとする淡水魚や中国に生息する淡水魚「エンツユイ」を見ることでき、淡水魚水族館としては優れていますね。

関東の水族館らしくフナの展示数が多く3種類で、キンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナが展示されています。
余談であるが水族館の屋外にあった機関車が思いのほか楽しかったことを覚えています。

フナのいる水槽

展示個体は多く、他の水槽にもフナが見られるほど展示数は優れている反面、健康状態はあまりよろしくない印象を受けました。
まつかさ病や穴あき病に近い症状の個体が見られました。

そして、衝撃的なのはフナの単独展示水槽で、尾鰭をはじめとしたヒレがほとんどない状態に個体が展示されていました。
当の本人たちは特に気にした感じはなく、体をくねらせながらも水槽を遊泳していたのは衝撃でした。

単独展示水槽(キンブナ、ギンブナ)

キンブナとギンブナの単独展示水槽があり、フナを多くの人に見てもらおうという飼育員さんに対する思いは感じられます。
しかし、写真を見て貰えばわかる通り、肝心の展示個体は状態がいいと言うことができないですね。

ヒレが溶けてなくなっており、ほとんど胴体だけの状態で泳いでいました。
まさに「切り身ちゃん」を彷彿とさせますね、非常に残念ですね。

展示個体:キンブナ、ギンブナ

螺旋階段水槽

水族館の一番の目玉に螺旋状階段があり、階段式の水槽が螺旋状階段に沿って並んでいます。
階段状に上流から下流へと、川の流れを再現しているのが最大の魅力となっていますね。

最下段に下流の水槽コーナーにゲンゴロウブナとコイが泳いでいました。
この水槽にいる個体はヒレが溶けているような健康状態の異常がなかったです。きちんと水が循環しているのが要因なのでしょうか。

展示個体:ゲンゴロウブナ
混泳個体:コイ

おまけ

解説コーナーには載っていないものの、タイリクバラタナゴとカワムツの水槽にはフナが見られました。
体高からしてギンブナでしょうか。
タイリクバラタナゴの混泳水槽にいる個体はどことなく体色が暗く、体調がよくないように感じました。

体が膨れており松笠病の症状に似ていました。
松笠病は「日和見感染」といって体調が悪くなると発症する人で言うところの口内炎に近い病気ですね。
同じ水槽にいるタナゴも感染している可能性はあります。
症状が出ていないですしフナだけの免疫力が低下しているのではないかと推測されますね。
カワムツの水槽のフナも背鰭が溶けかかっておりどことなく体が膨れているようにも見えます。

タッチングプール?

水族館の奥にあるタッチングプールのような空間には金魚(ワキン)とマス類に混じってフナが観察できました。

・・・というか、ここはタッチングプールと言っていいのでしょうか?
タッチングプールは広く、手の届かない場所もあるため、綺麗に撮影することができなかったのが非常に残念ですね。

展示個体:ギンブナ、金魚(ワキン)
混泳個体:マス類(イワナ?ニジマス?)

尾鰭溶ける原因・・・?

尾ぐされ病の原因はカラムナリス病であり、多くの場合感染するとヒレが充血して最悪場合死んでしまう病気になります。
しかし、ここまでヒレが溶けているのにもかかわらず、生存しているため、カラムリナスに感染しているとは考えにくいですね。
ということで、考えられるもう一つの説が「ストレス」が考えられます。
魚はストレスを感じると粘膜が薄くなり、ヒレが溶けやすくなります。
他の水槽で松笠病にかかっている個体もあり、原因は免疫力の低下が原因というのは否定できません。

そもそも、飼育環境自体は単独飼育をしている時点で混泳などのストレスということは無に等しいので、飼育水の水質悪化が原因なのではないでしょうか。
私もフナを飼育していて感じますが、フナは飼育していると水質変化に強いので、そこまで水質を気にしなくなりがちで、管理が怠慢になりやすい傾向ですね。

先ほどにも述べたが、少なくとも螺旋階段の水槽にいるフナはヒレが劣化していないということもありますので、水がちゃんと循環していることが要因なのであるとも考えられる。
今回は飼育の怠慢になりがちな自戒の意を込めてここに記載しました。
このフナたちも綺麗な水に水換えされてヒレが再生してくれることに期待しましょう。

※私がこの水族館に訪れたのは2018年1月が最後ですので、この現象は現在改善されている可能性があります。

水族館情報

TEL 0295-57-6681
住所 茨城県常陸大宮市山方535
URL www1.ocn.ne.jp/^tansui/index2.html
開館時間 9時~17時
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)
入館料 大人(高校生以上)150円、小中学生70円
交通 JR山方宿駅から徒歩5分。
車:常磐道那河ICから国道118号線で約45分。
駐車場 あり

展示個体:キンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナ

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