フナ類がレッドデータブックに載った理由とは?|生態系の危機と未来のために知っておきたいこと

環境学

どうも、あおいふなです。
今日は、フナという魚がなぜ「レッドデータブック」に載ってしまったのかについてお話しします。

「レッドデータブック」って、絶滅の危機にある動物や植物が載っている本のことで、
フナは昔から私たちの身近にいた魚なのに、なぜそんな危ない状況になっているのでしょうか?

先生
先生

その理由を知ることで、自然や生き物たちを守るために必要なことがわかります。
私たちができることを一緒に考えてみましょう。

レッドリストについて

世界中で動植物が減少していることに気づき、自然を守る活動が本格的に始まったのは20世紀の半ばごろです。
1948年には、国際自然保護連合(IUCN)という団体が設立され、1966年には、絶滅の危機にある動植物をリストにした「レッドリスト」が初めて発表されました。

日本では、1991年に環境省が「レッドリスト」を作成しました。このリストには、絶滅の危険がある淡水や汽水に住む魚が載っています。
2007年の最新リストでは、絶滅の危険がある魚が144種類も含まれています。

都道府県ごとにも独自のレッドリストが作られ、現在はすべての都道府県がそれぞれのリストを持っています。

先生
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ただし、これらのリストには法的な力はなく、
絶滅の危機にあることを警告するためのものです。

レッドデータブックに記載されている魚類の特徴

先生
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レッドデータブックには魚類も多く記載されていますが、
その理由の一つは環境の変化です。

例えば、水質の悪化や川や湖の開発で住む場所が失われ、食べ物も減ってしまいます。さらに、外来種が増えると、元々いた魚たちが負けてしまい、数が減ってしまうこともあります。

もう一つの理由は、乱獲です。たくさん魚を捕りすぎると、次の世代が生まれる前に数が減り、絶滅の危険が高まります。

例えば、ある特定の魚が美味しいと人気になりすぎて、過剰に捕られてしまうことがあります。

レッドデータブックに載る魚たちは、自然のバランスが崩れた結果、今後生き残るのが難しくなっています。

この状況を改善するためには、自然を大切にし、魚たちが安全に暮らせる環境を守る努力が必要です。

レッドデータブックに記載されている魚類の中から、5種類を紹介します。

絶滅危惧種の日本淡水魚

1. ミナミメダカ
日本の川や池に生息する小さな淡水魚です。体長は3~4cmで、オスとメスで体の色が少し違います。ミナミメダカは水質の悪化や外来種の影響で数が減ってしまい、絶滅の危機にあります。

2. ニホンウナギ
長い体が特徴の魚で、川や湖で育ち、成長すると海に降りて産卵します。近年、ニホンウナギは過剰な漁獲や河川の環境変化により、数が大幅に減少しており、絶滅の危険が高まっています。

3. アユモドキ
川や湖に生息する小型の魚で、体長は10cmほど。アユに似た姿をしていることから「アユモドキ」と呼ばれます。生息地の開発や水質の悪化によって、生息できる場所が減り、絶滅の危機に瀕しています。

4. ヤマトイワナ
日本の山間部の冷たい川に生息するサケ科の魚です。体には美しい模様があり、特に釣り人に人気があります。しかし、生息地の開発や外来魚の影響で、その数が減少し、絶滅の危険が高まっています。

5.トミヨ
日本の清流や湧水池に生息する小さな淡水魚です。体長は5~7cmほどで、体には黒い斑点があります。トミヨはきれいな水を好むため、水質の悪化や川の開発によって生息地が減少し、絶滅の危機に瀕しています。特に、湧水が枯渇したり、生活排水が混入したりすると、すぐに影響を受けやすい魚です。

これらの魚たちは、環境の変化や人間の活動によって数が減少し、レッドデータブックに記載されています。これからも自然環境を守るために、私たち一人ひとりができることを考えることが大切です。

絶滅危惧種に指定されているフナ類

さて、ここからは絶滅危惧種に指定されているフナ類についてそれぞれ解説していきます。

ゲンロゴウブナ EN (絶滅危惧IB類) [新規掲載]

ゲンゴロウブナは、琵琶湖沿岸にあるヨシ群落や内湖が減少していることが原因で数が減っています。さらに、オオクチバスやブルーギルという外来魚が卵や幼魚を食べてしまうことも影響しています。

繁殖期に水位が急に下がることで、卵や孵化したばかりの魚が干上がってしまうことも問題です。
そのため、ゲンゴロウブナはレッドリストに新しく追加されました。

ニゴロブナ EN (絶滅危惧IB類) [新規掲載]

ニゴロブナも、ゲンゴロウブナと同じようにヨシ群落や内湖が減少し、外来魚による捕食が原因で数が減っています。

1980年代後半にはたくさん取れていた魚ですが、今では漁獲量が減少しています。
このため、ニゴロブナも新しくレッドリストに追加されました。

先生
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ニゴロブナは「鮒寿司」の原料としてとても重要で、
滋賀県ではこの魚を守るためにさまざまな保全活動が行われています。

キンブナ  NT (準絶滅危惧) [新規掲載]

キンブナは、千葉県から岩手県にかけての太平洋側の平野部にある川や池で見られるフナ属魚類の一つにはなりますが、
河川の改修や外来魚の影響で生息環境が悪化し、個体数が減少しています。

そのため、今回新しくレッドリストに掲載されました。

ナガブナ DD (情報不足) [新規掲載]

ナガブナは、北陸地方や長野県の諏訪湖などで見られる魚ですが、
その生態についてはまだよくわかっていません。

しかし、諏訪湖では個体数が減少し、外来魚の侵入や河川の護岸工事などで生息地が減少しているため、レッドリストに追加されました。

フナ属の1種(沖縄諸島産) DD (情報不足) [新規掲載]

ナガブナは、北陸地方や長野県の諏訪湖などで見られる魚ですが、その生態についてはまだよくわかっていません。

しかし、諏訪湖では個体数が減少し、外来魚の侵入や河川の護岸工事などで生息地が減少しているため、レッドリストに追加されました。

私たちができること

絶滅危惧種に指定された生物たちを守るために、私たちができることはいくつかあります。

身近な暮らしを大切にする

まず、身近な自然を大切にすることが大切です。
たとえば、川や湖でゴミを捨てない、水を汚さないなどの行動を心がけるだけで、生き物たちの住む場所を守ることができます。

生物のことを知る

次に、絶滅危惧種について学び、知識を広めることも重要です。

どんな生き物が絶滅の危機にあるのか、どうしてそうなってしまったのかを知ることで、自然を守る気持ちが高まります。

そして、その知識を友達や家族にも伝えてみましょう。
みんなが協力することで、大きな力になります。

保護活動へ参加する

また、絶滅危惧種を保護する活動に参加することも考えてみてください。

地域で行われている自然保護のイベントや、寄付などを通じて支援することができます。
少しの行動でも、多くの人が協力すれば大きな効果があります。

優しい暮らしの心がけ

最後に、環境に優しい暮らしを心がけることも大切です。

例えば、リサイクルをする、無駄なものを買わない、電気や水を大切に使うなど、日常生活の中でできることはたくさんあります。

これらの行動を積み重ねることで、絶滅危惧種を守るための力になるのです。

まとめ

フナがレッドデータブックに載った理由を知ると、私たちの身近な自然が実はとても大切で、守らなければならないものだとわかります。

フナたちがこれからも元気に暮らせるように、私たちもできることを考え、行動していくことが大事です。

先生
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自然を大切にする気持ちを忘れずに、未来のために一緒に頑張っていきましょう!

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