今回は、フナを飼うときの難しさについてお話しします。
フナには、野生で捕まえたものと、養殖されたものの2つのタイプがあります。
これらのタイプごとに、どれくらい飼いやすいかを詳しく説明します
フナを飼育する際のポイントや注意点
フナを飼育するには、まず水槽の大きさや水質、温度をきちんと管理することが大切です。
特に野生から捕まえたフナは、体に病気や寄生虫を持っていることがあるので、水槽に入れる前に病気の予防処置を行いましょう。
また、フナが慣れやすい環境を作るためには、静かな場所に水槽を置き、エサやりのタイミングを一定にすることもポイントです。
種類によっては群れを作る性質があるので、その性格に合わせた飼育を心がけると良いでしょう。
ワイルド個体とブリード個体の違い
日本に生息しているフナ類を飼育する際、野生種と養殖種が存在しています。
それぞれを飼育する場合には、飼育仕方を気をつける必要があります。
ワイルド個体(野生種)
河川から採集してきた個体をさします。またペットショップなどで『wild個体』等で表示され、販売されている個体がこれに当てはまる。
前者の場合は魚体に病原体や寄生虫を持っていることが多いため、そのまま水槽に導入すると混泳魚にも病気が広がってしまう恐れがあります。
それを防ぐためにトリートメントする必要があります。トリートメントする際には塩浴びさせるだけでも結構です。
一般的に、ペットショップで販売されている個体は、既にトリートメントが施されていることが多いです。
新しく入荷されている個体の場合は1週間くらいは見送り、死んだり、病気に掛からないことを確認してから購入した方がいいです。
また、ペットショップで販売していても野生採取個体の場合は
やせていないかどうかを確認することも大事です
ワイルド個体のデメリット
野生種を飼育する際には元いた水域の環境と比較してしまい、水槽環境に慣れにくい特徴があります。
その際には拒食症に陥りやすく、えさを食べずに痩せてしまうことが多いです。
そのため、養殖個体と比べると飼育難易度が高く感じるかもしれません。
逆に餌を食べるようになったら、その水槽環境に適応してきた証拠になります。
ブリード個体(養殖種)
野生で捕獲せず、ペットショップで『ブリード個体』として販売されている個体を指す。
本種は稚魚から業者で飼育されていたため、環境適応能力が高く、餌もよく食べてくれるため、非常に飼育・育成しやすいです。
ペットショップでは販売を行う前に消毒や寄生虫を取り除き健康状態にするために「トリートメント」という作業が行われています。
これにより、すぐ購入することができて、丈夫で慣れやすいのです。現在、琵琶湖で採集が禁止されているのに流通しているニゴロブナやゲンゴロウブナの場合は、事実上野生個体の入手がほぼ不可能であり、ブリード個体の入手に限られている。
ブリード個体のデメリット
養殖種の欠点としては養殖により、遺伝的多様性が弱くなっているため、ある一定の病気に掛かると壊滅的な状況に陥ってしまう恐れがあることです。
養殖個体はいかなる場合でも地域変異ではありませんので、フナ類を地域別で集めたいと考えている場合は、明確な血統表示がなければ養殖個体を選ばないのが無難ですね。
飼育難易度表
種類 | 群れの 作りやすさ | 食事の 取りやすさ | 慣れやすさ | 体の大きさ | 成長速度 |
---|---|---|---|---|---|
キンブナ | △ | ◯ | ◯ | △ | △ |
ギンブナ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
ナガブナ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
オオキンブナ | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | ◎ |
ニゴロブナ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
ゲンゴロウブナ | ◎ | △ | △ | ◎ | ◎ |
私がフナを全種類を飼育して感じたフナごとの飼育難易度になります。
あくまで同じ水槽でまとめて飼育した際の記録になりますので、環境によって変化することもございます。
キンブナ
小型かつ成長速度が遅くなかなか大きくならない為、長期間スモールタンクでの飼育に向いている。
群れも作らず単独で飼育しても餌食いの影響が少ないので、飼育難易度は非常に容易です。
一緒に他のフナを飼育していると体格差が出てくるので、注意が必要である。
ギンブナ
難易度は意外と高めであり、複数匹を水槽に入れて群れを作らないと露骨に水槽環境に慣れない。
また、刺激には非常に敏感で、振動や照明などにすぐに反応して暴れるので、注意が必要である。
その反面一度慣れてしまうと、かなり安定する。生理的にはタフな一面もあるので、
水質や環境の変化に強く非常に丈夫な姿を見ることができるだろう。
基本的には群れを作りやすい個体であり、フナであれば水系や種類などが異なる個体でも違和感無く群泳することができるのはすごい点である。
ナガブナ
キンブナに近い生態であり、群れを作らずとも餌の食いが良いです。
流通があまり多くなく入手難易度こそ高いものの、他のフナと比べるとかなり飼育難易度が低めとなり。単独飼育も可能な種類になります。
ほかのフナ類と比べると体型が流線型であり、単独飼育しているとなかなか格好いいですね。
オオキンブナ
キンブナと比べて成長速度が早く慣れやすい特徴がありますが、水質が悪化すると頻繁に飛び跳ねる特性がありますので、可能ならば水槽にフタをしておきましょう。
空腹時や栄養状態がすぐれない場合はあごが張るように見える個体が多いですので、
健康状態の指標に用いると良いですね。
ギンブナとの識別は難易度が高いため、複数個体で飼育している際には見分けがつかなくなることがあります。
ニゴロブナ
野生種個体と養殖個体で非常に難易度が異なる魚の一つであり、野生個体はかなり気難しいため、餌やりや環境が合わないと露骨に痩せてしまう。
現在は入手さえも困難な種類であり、稀にブリード個体からの流通がみられることがあります。
飼育難易度が高いものの、最大体長は40cmを超えるため、
飼育水槽が大きければ大きいほど健康状態を保ちやすくて成長しやすいです。
ゲンゴロウブナ
日本産フナ類の最大種。成魚個体を飼育をするためにはそれなりの大型の水槽が必要になります。
しかし食性がプランクトン食性であり、飼育下ではなかなか大きくなりにくいです。
餌自体は植物プランクトン食性と特殊な為、普通の餌にならせておく必要があります。
これによりしっかり餌やりを工夫しないと痩せてしまうことが多く、
一般家庭では育成の難易度が高い種類になりますね。
初心者にオススメのフナの種類
結局、どの種類を飼育すればいいんですか?
あなたの本当に好きな種類を飼育しましょう。
その中でも注意してほしいのは「ペットショップなどでの販売個体であること」、「なるべく小型個体から飼育を始めること」こちらのふたつの重視することが重要です。
しっかりと飼育環境に適合できる個体を入手した方が、後々ストレスなく育成ができますよ。
また、大型個体と比べると小型個体の方が成長するためにもエサを食べてくれやすいのでおすすめですね。
また、単独飼育ではなく複数個体で飼育してあげると環境にも慣れやすくなりますから、群れを作ってあげましょうね。
まとめ
この記事では、フナの飼育に関するさまざまな情報をお伝えしました。
各種類のフナがどれくらい飼いやすいかや、野生個体と養殖個体の違いについても詳しく説明しました。
これらの知識は、フナを飼いたいと考えている方にとってとても役立つと思います。
私の見解に基づいた評価を参考にしながら、ぜひ自分に合ったフナの飼育方法を見つけてみてください
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