【魚解説】ナイルアロワナの生物学

魚解説
私

今回はナイルアロワナの生物学として、系統と生態について解説していきます。
ナイルアロワナの基礎を知ることで、飼育にも応用できると思います。

ぜひ見ていきましょう。

概要

ナイルアロワナは古代魚

ナイルアロワナはアロワナやポリプテルス、肺魚などの古代魚の仲間になります。
古代魚はその神秘的なイメージと独特の姿、重量感あふれる成魚の堂々たる様など、多くのアクアリストを魅了させ、古くから高い人気を保っていますね。

   多くの種類が幼魚で輸入されてくるため、成長に伴い体色や体型の変化を見たり、
大型魚としての成長ぶりを楽しむことも古代魚飼育の醍醐味になりますね。

ナイルアロワナの魅力

しかし人気のある古代魚の中で、ヘテロティスの幼魚はその地味な体色と迫力のある肉食魚としてのイメージに欠けるためか、常に陰の存在になりがちである。

 それでも本種は50cmほどになると光線の角度によって鱗は金属的な輝きをもつ青銅色に放ち、ピラルクの仲間というイメージへと変身する。
私

ここで初めてヘテロティスの魅力を語れる気がする。

 アロワナやポリプテルス、肺魚などを比べると輸入量は少ないものの、年に数回まとまって10cmほどの幼魚が輸入されている。
ヘテロティスは自然下では1mほどにもなる大型魚であるが、飼育難易度の高さから成魚まで飼育されることは意外に少ない。

 また、ヘテロティスは寿命が10−30歳と長く、自然界では40歳を超える個体も存在するほどだと言われています。
飼育化では寿命は10-15年程度とは言われていますが、長時間飼育していけば愛着もわきますね。

系統

 ヘテロティスはオステオグロッスム目オステオグロッスム科ヘテロティス亜科に属して、アロワナやピラルクの仲間である。

ヘテロティス亜科は本種のヘテロティス属とピラルクの属するアラパイマ属の2属に分かれ、お互いに1属1種である。 

   比較的近縁な種と考えられている両者が、地理的隔離された南米とアフリカに棲息しているというのはとても興味深い。

オステオグロッスム科の解説

 オステオグロッスムの「オス」はラテン語で「骨」、「グロッスム」は「舌」を意味している。一般的な魚類では、顎歯や咽頭歯得で獲物を咀嚼したり飲み込んだりするが、オステオグロッスムは舌に歯が発達しており、口蓋とこの舌を用いて獲物を力強く捕らえることができる。

 別名「ナイルアロワナ」と呼ばれるヘテロティスは、背鰭や腹鰭が後方に位置し、体の約1/3を占めるという点では他のアロワナやピラルクなどと共通している。
しかし、頭部は古代魚らしい風貌はなく、むしろコイ科魚類に似ている。

ナイルアロワナの食性

古代魚というと肉食のイメージが強いが、ヘテロティスはこのような歯は退化しており、主に微細生物を食べるオステオグロッスム科唯一のプランクトンフィーダーである。

アロワナやピラルクなどのような肉食性の強い種では、一般には鰓耙は頑丈で本数は少ない。
鰓耙は主に口から飲み込んだ餌と水をこし分ける作用をする。

ヘテロティスは微生物を捕食するために鰓から餌が抜け出さない用に多数の櫛状の鰓耙が密生している。

さらに本種は鰓の一部が変化した螺旋状の濾過器官を備えており、鰓耙でろ過した微生物を集めて飲み込む能力を持っている。
口は砂中の微生物も捕食できるようやや下向きの形状になっている。

生態

ナイルアロワナの分布

 ヘテロティスは北・西アフリカを中心にセネガル川やガンビア川、ヴォルタ川、ニジェール川、ナイル川、オモ川、トゥルカナ湖と広く分布し、他の河川や湖沼などにも移入されている。

  ヘテロティスは現地では重要な食用魚であり、西アフリカのニジェール川やバニ川にある魚市場では、大量のバルブやモルミルス、テラピアなどに混じり、ポリプテルス・エンドリケリーや1m近いヘテロティス、ナイルパーチなどがよく売られています。

また、西アフリカ・マリ共和国の切手の中にはアフリカ特産の魚としてヘテロティスの姿が描かれているものもある。

生息している水域

ヘテロティスが棲息する河川や湖沼の水辺にはアカシア科などを中心とする木が茂り、
アシやガマなど多くの群落帯を作っている。

河川上流から運ばれていくる細かい泥や砂に含まれるミネラルをもとに、強烈な耐用エネルギーによって微小なコケ類やそれらに集まるワムシの微生物などが発生する。

 ヘテロティスは比較的流れの緩やかな場所に生息し、これらの微生物をおもに食べているのである。

まとめ

と言うことで、ナイルアロワナの解説を行っていきました。

生態を参考にして飼育に活かしていきましょう。

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