【実験学】実験動物まとめ

水産学
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どうも、あおいふなです。今回は研究や実験を行う上でのフナの立場について解説していきます。

野生動物としてのフナ類

コイ科魚類という野生種について

フナ類をはじめとするコイ科魚類は温帯域に住み一般的に平地性(河川の中・下流・湖沼)である関係上、適応できる温度範囲が広く、冷水性魚類に比べると酸素が豊富な水を特に必要としない。また、仔魚から成魚に至るまで人工飼料による養成が可能で、一部の種類を除くと産卵や保育に関した縄張り闘争を行わずに群れで飼育できる、

コイ科魚類はこれらにおいて生理生態的特徴から実験室レベルでの飼育に適しているが、実験用魚類として取り上げるには、さらに、入手しやすく水槽で飼育できる大きさであることが必要である。

一方、淡水魚の生活圏を眺めると、特に河川や中流や下流、湖沼に生活するコイ科魚類においてはいつも自然のままの環境に生息しているとは限らず、人工の物理化学的え影響を受けながら生活している場合も多くみられる。

この事実は天然水域から入手した魚が供試魚としていつも利用できるものでないことを示している。実験用ほ乳類に見られるような人工的な生産と飼育管理は、純粋な材料を得る上に魚類においても必要であろう。人工的生産という立場から考えると、実験用魚類としてはライフサイクルが高く、採卵や仔稚魚の飼育が容易であるなどの条件を具備していなければならない。


日本産コイ科魚類は多くの種類を包容するとはいえ、これらの条件をすべて満たしたものを見いだすことはできない。したがっていくつかの条件を満たした種類を選んで、目的に応じてそれらを使い分けることが必要であろう。

供給魚としての特徴

食用や釣りの対象魚として養殖されているので最も入手しやすい魚といえる。コイ科魚類の中でも比較的大型になる種類であり、小型水槽における飼育には適さないが、生化学的検査など血液や組織を用いる試験には、十分に試料が得られ、その摘出も容易となる。また、養殖魚を利用すると魚の大きさや年齢を統一して多くの個体を同時に入手できる。フナ類はタナゴ、モロコ類と比較して1個体より採卵できる卵数が著しく多く、1腹よりでた個体はより均一な材料となる。


また、フナ類の中でもギンブナは雄が見あたらず、これが遺伝子が全く同に娘個体へ遺伝することが明らかとなっている。これによりクローン魚類として移植も完全に成立することがわかっている。したがって遺伝背景の同一の実験用の魚として有望視されており、実験でよく用いられるようになっている。

愛玩動物としてのフナ類

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キンギョ(Carassius auratus)はコイ目、コイ科、フナ属に属する2n=100である。実験動物として使用されている品種はほとんどがワキンであり、極一部にデメキンを使用される。古くから愛玩用として飼育されているキンギョは小型の水槽でも十分良い条件で飼育できる。また、容易に入手できるので、生物学、医学、水産学の分野で実験に使用されている。

動物の入手

ワキンを産卵させるとその稚魚にはいろいろ異なった形質(鰭の形、体色および斑紋など)をもつ個体が出現する。これはワキンが遺伝的に不均一であることを示しており、実験魚としての大きな欠点を持っている。実験動物としてキンギョの純型がない以上、実験に用いるキンギョは購入したものより、自家繁殖したキンギョを用いると良い。

自家繁殖したキンギョでは産卵、孵化した後、実験に提供されるまで飼育されていた水質、投与された飼料、罹患された病気及び治療に用いた薬剤など、その魚の生育条件が明らかになるため、毒性試験などの結果により正確な判定が期待できる。また、年齢の明らかな魚も利用できる。

飼育管理

キンギョだけの特別な飼育管理法はない。ここでは簡単にのべる

1)飼育池

魚の検疫、繁殖の為には屋外の飼育池が好ましい。屋外の飼育池には1m×2mで水深40cmくらいの大きさが使いやすい。放医研の屋外飼育池を例にとると、各池には井水栓と排水口があり、池の上部は金網で覆って鳥の害を防いでいるという。

2)飼育室

水温の変動により体温が変わり、代謝速度が変わるので実験中は水温を一定にして保つ。恒温室あるいは高温槽(コイトロンなど)を使えば、多くの水槽の温度を等しくできる。

3)水槽

飼育室におく飼育水槽はプラスティック製マウスゲージを用いると良い。このケージは軽くて水換えも容易だし、薬物消毒も可能である。魚を入れた水槽には蓋をするとバクテリアの落下も防ぐし魚の飛び出しも
防げる。濾過槽をつけた大型水槽を用いれば、長時間の飼育が比較的簡単に行える。

4)照明

特に照明が必要というわけではないが、飼育棚に蛍光灯をつけて照明(1日10~15時間)程度するとよい。

5)飼料

飼育室内での飼料は生き餌がよい。生き餌を投与した場合、もし食べ残しても水が悪化する事はないが、配合飼料を与える場合は食べ残しがないように与える。種々の毒性実験を行う場合、投与される飼料の組成をしておく必要がある。しかし、現在は良好な合成飼料はできていない。

6)死魚

死魚は速やかに水槽から出す。実験処理によって多数の死魚我でた場合は死魚を捨てるとともに水換えあるいは水槽を交換する。死魚はアルコールあるいはホルマリン中に投入し、まとめて焼却炉で焼く。

手術および移植での特徴

キンギョは大きさが手頃で、比較的丈夫なため、手術などの処理に十分耐える。しかし、手術後は抗生物質を含む生理食塩水中に1~2日飼育し、細菌感染を防ぐとともに、体内浸透圧を保ちやすくして体力の回復を待つ。

1食物としての水産物

食品を構成する主成分:
タンパク質、脂質、炭水化物、無機質

・タンパク質:20種類にアミノ酸より構築
→必須アミノ酸をバランス良く含むタンパク質は良質

最後に

いかがでしたでしょうか、ギンブナの独自の生態は魚類の研究にも今後行かせられそうですね。

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