フナの泳ぐ水深はコロコロ変わる!?|泳層まとめ

生態学

今回は「フナの泳層」について解説していきます。

フナがどこでどのように泳いでいるのか知れば、釣りで成果も上がるかも知れませんし、自然とフナがどこに住んでいるのかわかる指標になります

それではみていきましょう。

フナの泳層について

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フナ類は多くは底棲魚であり、水底に留まっているといわれていますが、
ゲンゴロウブナは表層に生息していることが多いですね。

先生
先生

かくいう筆者もゲンゴロウブナが湖の表層で群れて泳いでいる姿を

何度も見たことがあります。

それは、ゲンゴロウブナが主食にしている植物プランクトンは水中で浮く性質があるからですね。
そもそも植物プランクトンは細胞の中に気泡や油滴が入っていて浮上しやすい構造になっており、これは、太陽光で光合成を行い栄養分を作るのに都合よくできた仕組みなのです。

だから太陽の光が達していないような深いところには植物プランクトンはいないとされています。

また、太陽の光が届く水深は水の透明度によっていろいろ変わります。
水が濁っていたり、他のプランクトンやゴミなどの浮遊物が多いと、光は深いところ達することはないです。反対に水が澄んでいれば、かなり深いところまで光をが届くことができます。

ゲンゴロウブナの行動様式の進化

脳の発達による食性と泳ぐ層の違い

魚の行動様式を研究している学者の話ですが、フナ属は脳が延髄と中脳を主に発達していることが脳を解剖結果わかっています。
宙層や底棲性で行動はあまり敏捷でないとされています。つまりはあまり泳いでいる層を変えないことですね。

どうも魚の行動と脳の発達形態が関連があるらしく、中脳が発達しているイワシ、サンマ、ニシン、アユなどは主に表層から中層魚でプランクトンを食べることが多いですよね。

この魚たちは活発であり、視覚による索餌行動を行います。

一方でゲンゴロウブナを含めてフナ属は、中脳よりも延髄が発達していることがわかっています。
延髄が発達している仲間には、ナマズやゴンズイ、ギギ、ニゴイ、タラなどがいます。これらの魚は中脳発達している魚と比較して「味覚」や「触覚」による索餌行動をとります。

これらはあまり敏捷ではないので底着生活を行っていることが多いですし、ナマズなど夜行性かつ肉食性で視覚に頼らないで餌を探す個体もいます。

つまり、フナ属は本来は延髄が発達した魚なので、基本的に底棲の場合が多いですね。

しかし、中脳もかなり発達しているので、水生昆虫や動物プランクトンなどの動物性の食物を主として摂ってはいますが、時には中層まで上がってきて植物プランクトンも食べる雑食性を持っています。

ゲンゴロウブナの泳ぐ層

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そのフナ属の中でより進化したといわれているのが、琵琶湖に生息しているゲンゴロウブナである。
この個体は他のフナと比較すると延髄よりも中脳が発達していることが知られています。

これにより中脳が発達している魚のようにプランクトン食の性質を獲得し、湖沼の沖合で中層に生活するようになっています。

中脳が発達した要因

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ゲンゴロウブナははじめから中脳が発達して沖合の中層に生息していたというわけではありません。

おそらく元々は沿岸部に生息していましたが他の魚との生存競争に追われてしまい、
やむなく沖合にでたら底層は酸素も少なく栄養もないので、仕方なく宙層のプランクトンを食べて生活するうち、中脳が後から発達してきたのではないでしょうか。

男の子
男の子

どうしてそういう説が出てくるんですか?

というのも琵琶湖には大型肉食魚のビワコオオナマズが生息しており、この魚の生態が特殊なんですね。

本来、ナマズは底棲魚であり、湖底に生息しています。
しかし、この種は他のナマズ属とは異なり、沖合の中層に棲んでいるのですが夜間は表層近くにも遊泳し、ビワマスやフナを捕食するのです。

そのような厄介な天敵もいるため、生息域を変化されたのです。

先生
先生

苦労すると脳は発達してくるものですからね。

いずれにしろゲンゴロウブナはだんだんフナ属の中では適応性の強い優性な種に進化したことはたしかですね。

宙層魚で敏捷になったゲンゴロウブナも昔の底棲時代の性質はかなり残っています。
水温が低く植物プランクトンの少ない時期には底棲になり、ベントスや動物プランクトンを食べて生活することもできますし、個体によってはルアーに食いつく食性をもつ個体もいますからね。

純植物性のハクレンの多い利根川では、ゲンゴロウブナは宙層を追われていて、底棲になって棲み分けることも知られていますね。

透明度と補償深度

透明度はゼッキの円盤というロープと錘をつけた白い色をした直径30センチの円盤が水面から人の眼でみえなくなる深さを測定して決める。

結局のところ、水面から入った光線が円盤に反射して水面まで帰ってくるのを測っているので、
水中では透明度の2倍の深さまで可視光線が達することになります。

先生
先生

これを陸水学では「飛翔深度」といって、
これより上の層に植物プランクトンが生息しているとされています。

植物プランクトンを食べているゲンゴロウブナも当然のごとく補償深度より上層に泳層としていると言えますね。

このことからもゲンゴロウブナが宙層魚であることが分りますが、いつも宙層に生息しているとは限りません。
比較的浅い岸寄りでは、水底で泳いでいることもありますし、水中に水草が生えている場所ならば、藻面や藻穴に生息しています。
時には湖沼の水面近くまで上がってきて、表層を泳いでいることもあります。

同じフナ属でもキンギョのように飼い慣らされた個体は浮上性のエサを食べるために水面まで上がってくることもありますが、基本的には水底で留まって落下したエサを拾うように食べることが多いです。

ゲンゴロウブナはキンギョほどではありませんが、水槽の水面まで浮上する性質を持っているように感じますね。

泳層を変化させる自然の条件とは

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様々な自然の条件が影響してフナ類の泳層は変わるとされています。
直接的にはその水域の水温と酸素の量(溶存酸素量)が関係することが多く、適水温で酸素量の豊富な深さを生活する泳層にしていると考えられる。

先生
先生

そういう泳層には必然的に植物プランクトンが多いですからね。

季節的な水温の変化も関係しますが、水温が下がると水中の溶存酸素が増えていき、普段よりも深いところまで酸素の濃度が高くなりますからフナの生息する棚は深くなるようですね。

一方で水温が上昇すると水中の溶存酸素は減少し、浅い場所でしか酸素がなくなります。
水底近くでは無酸素状態になりますので、こういうときにはフナは底には生息できずに浅場へ移動します。

水温が最も高い夏から秋にかけてのフナの生息する場所は浅い場所にいるばかりかというと、そうとは限りません。
透明度の高い貧栄養湖では、深いところまで植物プランクトンがいて酸素を出しますので、上層の水温が高すぎると適水温を求めて結構深い場所までに潜ることもあります。

反対に水の透明度の低い湖では、太陽光線が深くまで達しないため、フナの泳層は自然と高くなります。

ゲンゴロウブナの動きは最たるもので、明け方は泳層が高く、日が昇って水温が高くなると泳層は下がり、日中は朝より深くなる傾向がある。午後になると高度が落ちるせいか、夕方にかけて泳層が再びあがり、夜には底近くに下がります。

天気による泳ぐ層の変化

天気によっても影響し、曇天や雨天の高度が低い時にもフナの生息する水深が上がりやすいです。
風邪の影響としては、無風や微風では泳層が上がり、強風、冷風では泳層が下がる。
水の流れのない場所では泳層があがり、流れの強い時は泳層が下がる傾向があります。

フナが泥地を好むわけ

フナが泥地の柔らかいところを好むのは、敵に襲われた場合に泥濁りを立てて逃散するためである。弱い鮒にはそれが身を護る最上の手段であり、寒鮒の時期のフナは動きが鈍いので寒い冬に泥に身を潜めて静かに春を待つのにも適している。

まとめ

ということで、今回はフナの泳ぐ層について解説していきました。
これによって少しでもフナを目つけやすくなるといいですね。

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