
今回は「フナの種類と特徴」について解説していきます。
フナは身近な魚ですが、種類ごとの違いや地域差を見ていくと、意外と奥が深い魚なんですよ。

フナはどれも同じように見えると思っていましたが、
種類によって特徴が違うんですね。

そうですね。
ただし、フナは個体差や地域差も大きいため、
見分け方はあくまで目安として考えることが大切です。

わかりました。
まずは代表的な種類から、少しずつ見ていきたいです。
フナとはどんな魚か


フナは、コイ目コイ科に分類される淡水魚です。
日本では古くから川や池、湖沼、ため池などで見られ、身近な魚として親しまれてきました。
体はやや側扁し、銀色から褐色がかった体色をしており、
環境によって見た目に差が出ることもあります。
また、観賞魚として知られる金魚の祖先にあたる魚としても有名です

日本に生息するフナの種類



一見すると地味でどこにでもいる魚に見えますが、
実際にはギンブナ、キンブナ、ナガブナ、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナなど複数の種類が存在します。
さらに地域差や雑種、倍数性の問題もあり、見た目だけで正確に分類するのは意外と難しい魚です。
身近でありながら、魚類学的にも奥深い存在といえます。
ギンブナ|全国に生息する不思議な繁殖方法の持ち主





- 学名
Carassius auratus langsdorfii - 背鰭
15~17分岐軟条 - 鰓把数
40~70本程度。 - 全長
20〜25cm
日本から朝鮮半島、中国にかけて分布する。多くは雌のみで生殖することで知られています。
無性生殖の一種の雌性生殖でクローン増殖を行います。
尾柄部に現れる稚魚斑は、体長3cm前後まで、他のフナ類に比べて非常に顕著であることが多く、
これが小型個体の場合良い区別点となっていますね。

全国にいるしとりあえずフナはギンブナと思うようにしています。

極論すぎますね。
ヘラブナ(ゲンゴロウブナ)も全国にいますよ(放流個体だけど)

キンブナ|一番小柄なソロ充





- 学名
Carassius auratus subsp.1
背鰭
11~13分岐軟条 - 鰓把数
26~40本程度 - 全長
10~15cm程度
日本産フナ類の中ではもっとも小型のフナになります。
関東地方・東北地方の太平洋側に分布しています。
名の通り体が黄色っぽく、ギンブナに比べて体高が低くて体の幅が広いです。
円筒型に近い体型をしています。
尾柄部の暗色稚魚斑は、体長3cm未満でうっすらと現れる程度で、不明瞭で現れないことが多い。
現在、準絶滅危惧 (NT) (環境省レッドリスト)に登録されています。

鱗の内側に色素胞が溜まっているのが特徴的ですね。

そうですね、明確な分類点ではありませんが
キンブナの特徴の一つとも言えますね。

オオキンブナ|キンブナよりも大きなマイナー種





- 学名
Carassius auratus buergeri - 背鰭
13~18分岐軟条 - 鰓把数
35~55本程度 - 全長
最大40cm
国内では静岡県以西の本州、四国、九州と朝鮮半島に分布する。
名の通り、キンブナに似ていますが大型になります。
最近は関東地方にも見られるようになり、フナの種苗放流などに混じり移入されたと考えられている。尾柄部の暗色稚魚斑は、体長3cm以下で出現するが、ギンブナより不明瞭です。

関西方面ではギンブナと混同していることが多いですね。

ゲンゴロウブナ|ヘラブナという名で全国進出





- 学名
Carassius cuvieri - 背鰭
15~18分岐軟条 - 鰓把数
95本以上。 - 全長
最大で40cm以上。
琵琶湖固有種。体高が高く円盤型の体型をしている。
植物プランクトンを食べるため、鰓把が長く発達し、数も多い。
釣りの対象として人気があり、ヘラブナとはゲンゴロウブナを品種改良したものですね。
尾柄部の暗色稚魚斑は、体長3cm前後まで、ギンブナ同様に非常に明瞭だが、他のフナ類との大きな違いは、暗色斑を取り囲むように、後ろ側に並んで顕著な乳白色斑が現れる点である。
この黒白2色の帯がでる特徴は、むしろコイの稚魚に似ているが、コイでは黒白が並んでいるだけで、ゲンゴロウブナのように黒斑を白色斑が後ろ側から半分を取り囲むような模様にならない。
現在は絶滅危惧IB類 (EN) (環境省レッドリスト) (2007年)

とりあえず体高が高いフナを見つけたら
ゲンゴロウブナだと思うようにしています。

極論すぎますね、あながち間違いではないですけど。

二ゴロブナ|ふなずしの原料として使用されるフナ





- 学名
Carassius auratus grandoculis - 背鰭
12~18分岐軟条 - 鰓把数
50~70本程度 - 全長
30cmほど
琵琶湖固有種。頭が大きく、下顎が角張っているのが特徴である。
滋賀県の郷土料理である鮒寿司にも使われる。眼球がやや大きく、視力が弱い。
5cm程度の幼魚期までの期間、色彩や体型がギンブナににているものと幼魚期から区別しやすいものとがあるが、詳細は不明です。
現在は絶滅危惧IB類 (EN) (環境省レッドリスト) (2007年)

ちなみに先生はふなずしが嫌いです(本人談)

かなり好き嫌いが分かれる食べ物ですからね。

ナガブナ|一番影が薄いフナの仲間





- 学名
Carassius auratus subsp.2 - 背鰭
14~18分岐軟条 - 鰓把数
45~55本程度 - 全長
25cm程度
三陸地方、山陰地方、福井県三方湖、長野県諏訪湖に分布。
名の通り体高が低くて幅が厚く、円筒型に近い体型をしている。
また、体に対して頭と眼が大きいのも特徴である。
情報不足 (DD) (環境省レッドリスト) (2007年)

一番影が薄いフナですね。

それでもギンブナと混同されるオオキンブナよりはマシだと思いますけどね。

海外に生息するフナの種類
フナの仲間は日本だけでなく、ヨーロッパやアジア各地にも生息しています。
代表的なものに、ヨーロッパブナやギベリオブナがいます。
これらは日本のフナ類と似た姿を持ちながら、分布や生態、金魚との関係などに違いがあります。
海外のフナを知ることで、日本のフナ類の特徴もより理解しやすくなります。
ヨーロッパブナ(ヨーロピアンブナ)

ヨーロッパブナは、英名を crucian carp、学名を Carassius carassius とするフナの仲間です。
ヨーロッパからアジアにかけて分布し、河川、湖、池などに生息します。
日本のフナ類よりやや大型になり、体高が高く、横に平たい体型を持つ個体が多いのが特徴です。
捕食者の多い水域では体高が高くなる傾向も知られています。
高濁度や低酸素、低水温に強く、厳しい環境でも生き残れる非常に丈夫な魚です。
食性は雑食性で、動物プランクトン、藻類、水草などを季節に応じて利用します。

ギベリオブナ(アムールブナ)

ギベリオブナは、英名を Prussian carp、学名を Carassius gibelio とするフナの仲間です。
もともとは中国からロシア周辺にかけて分布し、アムール川流域にも生息すると考えられています。
金魚は中国で家畜化された本種系統から作出されたとされ、金魚の祖先にあたる魚でもあります。
体長は35cmほどで、最大では45cm、体重3kgを超えることもあります。
繁殖方法も特徴的で、ギンブナのように雌だけで増えることができますが、雄も一定数出現します。
日本では霞ヶ浦への放流記録があり、外来種として定着している可能性があります。

地域個体として注目されるフナ
フナの中には、正式な種や亜種として整理されていなくても、地域個体として注目されるものがあります。
たとえば、北海道のエゾアカブナや沖縄諸島のフナ類は、体色や遺伝的特徴、分布の面で地域性が見られます。
こうしたフナは、その地域の水辺環境や歴史を反映した存在であり、保全の面でも重要です。
北海道のエゾアカブナ


北海道のフナ
北海道に生息するフナ類としては、在来系統と考えられるギンブナのほか、移殖されたキンブナやヘラブナが知られています。
ただし、北海道の淡水魚相はサケ・マス類やウグイ、トゲウオ類などが目立つため、フナ類は本州ほど一般的な存在ではありません。

その中でも注目されるのが、赤茶色の体色をもつ「エゾアカブナ」です。
正式な種や亜種として区分されているわけではありませんが、北海道にもともと分布していた古いタイプのフナである可能性が指摘されています。
口がやや上向きで、尾びれの付け根付近に薄い黒斑が見られる個体もいます。
北海道のフナ類を考えるうえで、地域性を感じさせる興味深い存在です。

沖縄水系のフナ類


沖縄諸島のフナ類は、沖縄本島、伊平屋島、伊是名島、渡嘉敷島、久米島などの河川、水田、ため池に生息する地域固有の集団です。

遺伝的には本土や中国、台湾のフナとは異なる固有の系統とされます。
形態的にはギンブナに近く、体は楕円形で側扁し、体色はオリーブ色を帯びた青黒褐色、腹側は銀色をしています。
河川改修、外来魚による捕食、他地域のフナ類との交雑が減少要因と考えられ、保全上重要な存在です。

野生化金魚|川に放流された金魚の末路

- 学名
Carassius auratus auratus - 背鰭
13~15分岐軟条。 - 鰓耙数
40~65程度。
このフナは全長25cmほどで、関東地方では比較的多く採集されることがあります。
外形は側扁し、体色は銀褐色から灰褐色を帯びる個体が多いです。
尾の長いタイプと短いタイプが存在しますが、国内での詳しい分布は不明です。
ギンブナと誤同定されることもありますが、背びれの分岐軟条数がやや少なく、鰓蓋の後ろに直線的な部分が見られる傾向があります。
また、臀びれ付近の体型に段差があり、臀びれがやや後方に生えるように見えることも特徴です。稚魚期には尾柄部の暗色帯が幅広くぼんやり残る傾向があります。

フナの分類が難しい理由


フナの分類が難しい理由のひとつは、
見た目だけで明確に分けられる特徴が少ないことです。
体色や体高、背びれの長さなどに違いはありますが、個体差も大きく、環境によって姿が変わることもあります。
さらに、地域ごとに独自の特徴をもつ集団も存在します。
そのため、フナを分類する際は、外見だけでなく分布や生息環境などもあわせて考える必要があります。

フナの簡単な見分け方

フナを見分けるときは、背びれの軟条数、鰓耙数、体高、体色などが手がかりになります。
たとえば、キンブナは背びれの軟条数が少なめで体高も低く、ゲンゴロウブナは体高が高く鰓耙数が多い傾向があります。
ただし、体色や体型は生息環境や個体差によって変わるため、ひとつの特徴だけで判断するのは難しいです。

チャート式分類も参考にしながら、複数の特徴を合わせて見ていきましょう。

分類点
稚魚期から幼魚期の初期までに出現する尾柄部の稚魚斑も区別点の一つになります。
そちらも確認していきましょう。

人で言うところの蒙古斑(もうこはん)みたいなもんですかね

そうですね、蒙古斑と似たように、尾柄部に暗色の斑点が現れることが多いんですよ。
フナを通じて、生物の多様性や私たちの身近な生態系についてもっと理解を深めてみましょう!
まとめ:フナの種類を知ると水辺がもっと面白くなる

今回は「フナの種類」について解説していきました。
フナは身近な魚ですが、種類ごとに特徴や生息環境、歴史的な背景があることがわかりましたね。

同じフナの仲間でも、それぞれに違いがあって面白かったです。

そうですね。
さらに詳しく知りたい場合は、
魚類解説の記事や各種類ごとのまとめ記事も参考にすると、より理解が深まります。

ありがとうございます。
フナの種類を知ることで、川や池を見る楽しみも広がりそうです。


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