フナ撮影の新たな挑戦|魚眼レンズとワイドマクロ

撮影機材

水中撮影を楽しむカメラマンにとって、魚眼レンズは欠かせないアイテムです。
その独特の湾曲効果により、周囲の景色を鮮やかに捉えることができるため、多くの水中シーンで活躍します。

しかし、果たしてこの特殊なレンズを使ってフナを撮影することはできるのでしょうか?
本記事では、魚眼レンズとワイドマクロ撮影について、フナの撮影に挑戦する魅力をお伝えします。

魚眼レンズの特性

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魚眼レンズは、通常の広角レンズに比べてはるかに広い視野を提供します。
これは、水中では光の屈折によって画角が狭くなってしまうため、より広角なレンズが必要とされるからです。

また、水中では直線の物体が少ないため、湾曲の効果が目立ちにくいのも特徴です。
そのため、対角180°の画角を持つ魚眼レンズは水中撮影において非常に重宝されます。

ワイドマクロ撮影の魅力

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魚眼レンズを用いた撮影法の中でも特におすすめしたいのが「ワイドマクロ撮影」です。
これは、ワイド撮影とマクロ撮影のいいところを組み合わせた手法で、被写体とその生息環境を同時に切り取ることができるのが魅力です。

通常のマクロ撮影では、望遠マクロレンズを使用して小さな魚を大きく写すことができますが、周囲の環境を映し出すことができません。

一方、ワイド撮影では生息環境を広く捉えますが、被写体が小さく映ってしまうことがあります。このため、ワイドマクロ撮影では、広角でありながら撮影倍率も高いレンズが求められます。

魚眼レンズを使うことで、被写体に近づきながら、背景も広く写し込むことが可能になります。

撮影の条件とコツ

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ワイドマクロ撮影を行うためには、いくつかの条件があります。まずは、撮影する魚がある程度大きく、接写が可能であることが重要です。

魚眼レンズの撮影倍率は0.1倍から0.2倍程度であり、被写体に近づくことで良い結果が得られます。あまりにも小さな個体を狙うと、ストロボの光が届かずに暗い写真になってしまうこともあります。

フナを対象にした場合、この撮影法は非常に難易度が高いと言わざるを得ません。
フナは警戒心が強く、ダイバーに見つかるとすぐに逃げてしまいます。接近する際には、呼吸の際に発生する泡の音すらも警戒される要因です。

また、フナの活動が活発な昼間よりも、夜間や日没前の静かな時間帯を狙うことが成功の鍵となります。

実際の成功例

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ここで、私が実際にフナのワイドマクロ撮影に成功した例を紹介します。

場所は本栖湖の前浜というポイントで、5月の産卵シーズンに潜りました。この時期はフナが水深の浅い場所に集まってくるため、撮影のチャンスが増えます。

このポイントでは、水草が豊富で、フナが数多く生息していました。
撮影時、フナは警戒して沖へ逃げることが多かったのですが、しばらくすると元の場所に戻ってくることがわかりました。
そのため、何度もフナの撮影に挑戦することができました。

特に、日没前の時間帯はフナが動きが鈍く、環境が暗くなる前の明るい状態で接近するチャンスです。このタイミングを利用し、ゆっくりと動くギンブナに接近することで、ワイドマクロ撮影に成功しました。これは本当に貴重な経験でした。

まとめ

フナはワイドマクロ撮影には向かないと最初にお伝えしましたが、実際に撮影を行った結果はとても魅力的です。

フナの美しさやその生息環境を同時に切り取ることができるこの方法は、フナ好きのカメラマンにはぜひ挑戦してほしい撮影スタイルです。

水中撮影の新たな挑戦として、魚眼レンズとワイドマクロ撮影を駆使して、ぜひフナの魅力を捉えてみてください。あなたも素敵な水中の世界を切り取ることができるかもしれません。さあ、次の撮影に出かけましょう!

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