島根県立 宍道湖自然館ゴビウス|宍道湖と斐伊川のフナ展示

水族館解説

汽水を舞台にした日本初の水族館

島根県立宍道湖自然館「ゴビウス」は、日本で初めて汽水域に焦点を当てたユニークな水族館です。
ここでは、海と川が混じり合う「汽水湖」である宍道湖や中海の生態系を中心に、島根県内の川や池で見られる多様な生物が展示されています。

館内では、宍道湖に生息するフナを2種類展示しており、自然の汽水環境に近い塩分濃度で飼育されています。
ゴビウスでは、4つの水槽でフナを観察できるほか、館内の異なるエリアにも展示されており、豊富な展示が魅力です。

宍道湖と斐伊川についての解説

ここの水族館の展示環境は宍道湖と斐伊川がテーマになっており、その環境に生息しているフナを展示してます。それぞれの水域について解説していきます。

宍道湖

まず、宍道湖は島根県で2番目に大きな湖で、湖の水は塩分を少し含んでいる「汽水湖」という特徴があります。この塩分濃度は1~5%程度で、海水と淡水が混ざり合ったものです。

そのため、宍道湖には海の魚と川の魚の両方が生息しています。
代表的な魚には、フナやスズキ、シジミなどがいて、特にシジミ漁は有名です。

斐伊川

次に、斐伊川は宍道湖に注ぎ込む大きな川で、出雲地方の豊かな自然と文化を支えています。
昔からこの川は、出雲地方の稲作や水運に欠かせない役割を果たしてきました。

斐伊川には、斐伊川水系としてたくさんの支流があり、それらの川が山から流れ出て、やがて宍道湖に注ぎ込みます。
この川の流れが宍道湖の水質を保ち、多様な生き物が暮らせる環境を作っています。

フナのいる水槽

汽水の仲間たち

「ゴビウス」に入って最初に目にするのが、汽水域の生物たちの水槽です。
この水槽では、宍道湖を代表する魚の一種としてギンブナが展示されています。

宍道湖の水の塩分濃度は1〜5%と低めで、塩味で例えるとみそ汁よりも薄く感じられるほどです。
水槽の背景には宍道湖の岸辺をイメージした擬岩が配置され、自然環境に近い雰囲気を感じられます。 

展示個体:ギンブナ
混泳個体:ボラ、コイ、ウグイ、ワタカ、チチブ

宍道湖・中海のジオラマ

「ゴビウス」最大の水槽で、宍道湖と中海の水中風景を再現したジオラマが展示されています。
このコーナーでは、遠くからでも汽水と淡水の生態系を一度に体験できるため、非常にインパクトがあります。

宍道湖側のエリアにはギンブナが展示されているものの、コイに混じって自然に展示されているため、見つけるのがやや難しいです。

展示されているギンブナは、主に水槽の底近くで餌を探すため、下部の魚を見つけるには少し観察力が必要です。

  展示個体:記載なし(ギンブナ)
  混泳個体:スズキ、ウグイ、コイ

川のなかまたち

ジオラマエリアを抜けると「川のなかまたち」というコーナーが続きます。
このエリアは、宍道湖や中海から少し離れ、島根県内の川に生息する魚を1種類ずつ単独で展示しています。

ここでもギンブナが登場し、島根地方での食文化との関わりも感じられます。
小柄なギンブナたちが群れを成して泳ぐ姿は、地元の生態系と密接な関係を表現しています。

展示個体:ギンブナ

河川ジオラマ

「川のなかまたち」のコーナーを抜けると、壁一面に横に長い河川ジオラマが広がります。
この水槽は上流から下流までの環境を再現し、様々な魚が泳ぐ様子を観察できます。

下流域ではギンブナやゲンゴロウブナが展示されており、小柄なタモロコやオイカワも一緒に泳ぐため、コイと共にフナがよく目立つ展示となっています。

  展示個体:ギンブナ、ゲンゴロウブナ
  混泳個体:コイ、タモロコ、オイカワ

その他の展示フナ紹介

 ここからは記載はされていないものの、水族館内で見つけたフナについて記載していく。

入口の池

水族館の入口近くのガラス張りの通路からは、下にある池を見下ろせます。
池にはコイとともにフナも泳いでおり、上からその姿を観察できます。

ギンブナの特徴的な体型を上から見るという、普段は味わえない視点での観察が楽しめます。

水草コーナー

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館内の最後にある「水草コーナー」では、さまざまな水草の中に小さなフナが1匹だけ泳いでいるのが見られます。

この展示がフナと水草の生態的なつながりを表しているのか、それとも水槽の掃除役として役割があるのかは不明ですが、水草の合間を泳ぐ姿はとても魅力的です。 

水族館情報

TEL 0853-63-7100
住所 島根県平田市園町沖の島1659-5
URL http://www2.pref.shimane.jp/gobius/
開館時間 9時30分~17時
休館日 火曜(祝日の場合は翌平日)、12月28日~1月1日
入館料 大人500円、小・中・高校生200円
年間パスポート 大人1400円、小・中・高校生500円
交通 電車: 一畑電鉄湖遊館新駅から徒歩10分(または出雲空港からタクシー約10分)
車: 山陰道宍道ICから国道9、県道23号線などで約12分

駐車場 あり
展示個体 ギンブナ、ゲンゴロウブナ

まとめ

宍道湖自然館ゴビウスでは、豊かな汽水生態系とその中でのフナの存在を深く知ることができる展示がそろっています。
島根県の自然と生物の多様性に触れる貴重な機会として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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