フナの鰓の役割とは?呼吸・ろ過・浸透圧調整の3つの機能を解説

雑記・まとめ記事
男の子
男の子

先生、魚って水の中でどうやって呼吸してるんですか?
肺がないのに不思議です!

先生
先生

いい質問ですね。
魚は「鰓(えら)」という器官を使って、
水の中にある酸素を取り込んでいるんですよ。

女の子
女の子

へぇ〜、鰓ってそんなに大事な器官だったんですね!
どんなしくみで働いてるんですか?

先生
先生

それが実におもしろいんです。
今回は、フナの鰓に注目して、
その3つの重要な働きと驚きのしくみをわかりやすく解説していきましょう

鰓とはどんな器官?

鰓(えら)は、魚類が生命を維持するために欠かせない呼吸器官です。
私たち人間にとっての肺と同じ役割を果たしており、水中に含まれる酸素を効率よく取り込むために進化してきました。

水中には「溶存酸素」と呼ばれる酸素が溶けており、魚は鰓に水を通すことでその酸素を血液に取り込み、同時に二酸化炭素を排出します。

このガス交換を行うのが、鰓の「鰓弁」と呼ばれる赤いひだ状の部分です。鰓弁には細かい血管が通っており、その表面積を大きくすることで酸素をより多く取り込むことができます。

鰓の3つの主要な機能

1. 呼吸(ガス交換)

鰓を構成する「鰓弁」は、魚の呼吸において中心的な役割を果たします。水中の酸素は、鰓弁の表面を通じて血液中に取り込まれます。

先生
先生

例えば、ヘラブナ(ゲンゴロウブナ)の鰓弁は400gの個体で770㎠もの表面積があり、十分なガス交換を可能にしています。

2. ろ過と餌の選別(鰓耙の役割)

鰓には「鰓耙(さいは)」と呼ばれる構造があり、口から吸い込んだ水をろ過し、水中の浮遊物や餌を選別する役割を持っています。

たとえば、ベントス性の餌を砂ごと吸い込むコイやフナは、鰓耙で餌と砂を分け、餌は飲み込み、砂は吐き出します。

鰓耙の形や数は魚種によって異なります。
プランクトンを食べるゲンゴロウブナは細かい鰓耙を持ち、大型の餌を食べるキンブナは粗い鰓耙を持っています。

3. 浸透圧の調整

鰓は、腎臓とともに体内の浸透圧を調整する役割も担っています。

淡水魚であるフナ類は、体表や鰓から真水を取り込むため、水分が細胞内に過剰に入り込むのを防ぐ必要があります。

そのため、鰓で塩分を取り入れて、浸透圧を調整しています。ギンブナがまれに汽水域で見られるのは、この調整機能によるものです。

鰓が酸素を効率的に取り込む仕組み

水中の酸素量は空気に比べて非常に少なく、大気中に約20%含まれる酸素も、水中ではわずか約3%しかありません。
そのため、魚は大量の水を効率よく鰓に通す必要があります。このときに重要となるのが、次の2つの仕組みです。

エラポンプ(ポンプ機能)

フナのような魚は、止まっていても口や鰓蓋を開け閉めして、常に水を取り込んでいます。
これは口腔と鰓蓋腔という二つの空間で圧を調整し、水を外界から口→口腔→鰓→鰓蓋腔→鰓蓋→外界へと流す「エラポンプ」の働きによるものです。

先生
先生

このしくみにより、魚は休むことなく水を鰓に通し続け、酸素を取り込み続けることができます。

対向流(ガス交換の効率化)

鰓での酸素の取り込みは、「対向流(たいこうりゅう)」というしくみによって非常に効率的に行われます。
水の流れと血液の流れが逆方向になっており、酸素濃度の差を常に保ちながら酸素を血中に移すことができます。

もしも水と血液が同じ向きに流れていたら、酸素の移動は最大でも50%にとどまりますが、対向流では90%以上の酸素を取り込むことも可能です。

この仕組みによって、フナのような魚は少ない水中の酸素からもしっかりと必要な酸素を取り出し、体全体に運ぶことができるのです。

まとめ

先生
先生

といことで、今回は「魚の鰓の構造」について解説していきました。

  • 鰓は魚にとって肺のような重要な呼吸器官。
  • 鰓には「ガス交換」「ろ過・餌の選別」「浸透圧調整」の3つの主な機能がある。
  • 水の流れを作る「エラポンプ」と、効率的な酸素交換を行う「対向流」のしくみで呼吸が成り立っている。
  • 鰓の構造や形態は、魚の分類や生活様式に深く関係している。
男の子
男の子

鰓は魚にとって、まさに“生命線”とも言える大切な器官なんですね。

女の子
女の子

これから金魚を見るときも、鰓の動きに注目してみたくなりました!

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