こんにちは!今日は「フナ」の生殖器官と発生についてお話しします。
「生殖器官」というのは、魚の赤ちゃんのもとになる卵や精子を作る器官になります。
そして、「発生」は卵から仔魚が生まれて成魚へ育っていくまで過程のことを指します。
フナがどのようにして卵を産んで、どんなふうに赤ちゃんが育っていくのかを、
一緒に見ていきましょう!
この内容を読むと、
フナの不思議な生態が少しわかるようになるはずです。
生殖器官ってなに?
生殖器官は、卵や精子といった赤ちゃんのもとになる細胞を作る場所です。
メスの生殖器官では卵を作り、オスの生殖器官では精子を作ります。
これらは人間や他の動物と同じで、メスの生殖器官を卵巣、オスの生殖器官を精巣と呼びます。
生殖器官は、フナのお腹の中で消化管(食べ物を消化する管)の背中側に左右1対ずつあります。
卵巣と卵
卵巣は、フナが卵をたくさん蓄えている場所です。
フナはなんと10万個もの卵を持っているんですよ。
卵は直径が約0.9mmで、半透明の丸い形をしています。卵の中には卵黄が広がっていて、外側は細胞質で包まれています。卵巣の中では、いろいろな成長段階の卵が同時に見られます。
産卵の仕組み
卵が十分に育ったら、卵巣から卵が排出されます。
フナのような魚では、卵管という管が卵巣の中に開いていて、そこから卵が体外へと運ばれます。
左右の卵管は途中で合流し、一つの開口部(生殖孔)から外に出ていきます。
精巣と精子
オスのフナの精巣も左右に1対ずつあります。
精巣の中にはたくさんの管があり、その中で精子が作られます。
精子は、最初は普通の細胞ですが、途中で鞭毛というしっぽが生えて泳げるようになります。
精子は、頭部、中片、尾部の3つの部分から成り立っています。頭部の大きさはわずか1.5マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの千分の一)で、とても小さいです。
フナの発生
産卵期
フナの産卵期は春の一回で、水温が15℃から25℃くらいの間で行われます。
最適な水温は20℃前後なので、関東地方では4月上旬から6月上旬ごろが産卵期になります。
フナはこの期間に、7〜10日の間隔で何回か産卵しますが、回数が増えるにつれて産む卵の数は少なくなります。
産卵
フナの産卵は、早朝(日の出前)から午前中にかけて行われます。
まず、オスがメスに近づいて体を寄せ合いながら泳ぎ始めます。
そして、オスがメスのお腹をつついて産卵を促します。メスは水草に卵を産み付け、オスがその上に精子をかけて受精が完了します。
孵化
卵から孵化する時間は水温によって変わりますが、水温20℃前後だと4〜5日で孵化します。
生まれたばかりのフナの赤ちゃんは、水草や水底にくっついてじっとしていますが、2〜3日するとお腹にある栄養袋を吸収し、泳ぎ始めます。
この頃のフナの赤ちゃんの餌は、ミジンコなどの小さな生き物(動物プランクトン)です。
特殊な生殖方法
ギベリオブナの場合
今回はギベリオブナに関する生態の中でも特に異質な性質である性比と単為生殖について解説していきます。
ギベリオブナは中国大陸に生息しているフナで、日本には生息していない個体です。
とはいっても、日本で流通している金 魚はこのギベリオブナの改良品種でもあるので、一般家庭で飼育している金魚というのはこのギベリオブナに当たります。
ギンブナの場合
ギンブナは日本中の川や湖に住んでいる魚で、体長はだいたい25cmくらいです。
特に、ギンブナのメスは単為生殖という「オスがいなくてもメスだけで子供を産む」珍しい繁殖方法で増えることが知られています。
まとめ
今回のまとめでは、フナの生殖器官や発生のしくみについて学びました。
フナがどのようにして卵を産んで、どのようにして生まれてくるのかを知ると、水の中で生きる生き物たちのすごさや命の不思議さを感じられたのではないでしょうか。
魚の体のしくみや成長の過程は、自然の中で生きているすべての生き物とつながっていて、とても興味深いものです。
これからも、フナだけでなく、いろいろな魚や生き物たちについて学び、
自然の中での生活や環境をもっと深く知っていけたらいいですね。
みなさんが自然に興味を持ち、これからもいろいろなことを学んでいくきっかけになればうれしいです。
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