【青鮒研究】アオブナの飼育記録 1回目

飼育室

今回は私が実際にアオブナ(ヒブナ青色変異個体)を入手し、飼育した記録について解説していきます。

高校時代にアオブナを研究飼育したいと考えておりました。
しかし、流通量がかなり少ない為、さまざまなECサイトを確認しても入荷の情報がほとんどなかったです。

そんな中、湘南アクアリウムで入荷した情報があり、思い切って購入し研究飼育を開始しました。

アオブナの入手情報

仕入れ先:湘南アクアリウム
入手価格:15,000円
個体の体長:10cm程度

高校生の私からしたら15,000円はかなりの高額(今もだけど)で入手するか、当時めちゃくちゃ悩んでいました。
研究材料として投資ということ、そして他の人に購入されてしまって後悔するのも嫌だったので、注文しました。
現在ほどではないですが、それでも当時は流通があるということもあり、今思えばかなり良心的な価格だったと思えます。

飼育経過

飼育期間:2008年12月~2009年2月

ここからは飼育経過を記載していく。実際に起きた事件とそれに対して行ったことも載せていきます。

飼育1日目 〜飼育開始〜

ヒブナ青色個体がヤマト便で届く。

梱包されていた発泡スチロールを開けて確認する。死着なし。

30分かけて水合わせを行う、問題なし。

単独飼育では餌を食べなくなる可能性を考慮して、混泳魚は協調性の高いギンブナを使用した。

飼育環境

  • 飼育環境:45cm規格水槽
  • 濾過装置:外掛け式濾過装置。
  • 底砂:五色砂利。通常よりも粒が大きめの砂利を使用。
  • 混泳魚:ギンブナ。体長は青ブナと同じくらいかそれよりも小さいサイズでした。
  • エサ:日本淡水魚のエサ(沈降性)

飼育2日目 〜水槽から飛び出し〜

朝起きて姿を確認しようしたが、水槽内に姿がなく、外に飛び出していた。

水槽から1m離れた机の下で確認した。

どうやら夜間に水槽から飛び出したと思われる。水槽に戻すと息を吹き返していた。

今後も飛び出すことがあると考慮し、水槽から飛び出しを防ぐことが可能な蓋がある60レギュラーの水槽に移した。

移転先の水槽では特に問題がなく泳いでいた。

飼育15日目 〜体調を崩す〜

外部形態は正常だが、なかなか姿を現してくれなくなった。
摂食状態もいまいちでした。

飼育23日目 〜水カビ病発症〜

体の右側の体表から白い糸状の物質(水カビ)が無数に発生する。水生菌に感染したと思われる。
薬治療を行うため、トリートメントタンクへ移しました。
治療薬としてメチレンブルーを入れました。濃度は5000分の1です。

治療記録

トリートメントタンク:30cm規格水槽。

設備:投げ込み式濾過装置、サーモスタット付きヒーター

投薬:メチレンブルー

飼育31日目 〜水カビ摘出〜

効果が薄い為、体表にある水カビを除去することにした。

魚を水から取り出し、滅菌したピンセットを使用してミズカビを直接つまみだした。水カビをすべて取り除いた後、トリートメントタンクへ戻した。

飼育42日目 〜水カビ再発〜

水カビが再発する。

薬の濃度が足りなかったのだろうか、濃度を少し高めてメチレンブルーを2500分の1で投薬した。

飼育45日目 〜水カビ再再発〜

また、体表の水カビを除去することにする。

すべて水カビを取り除き、水槽に戻す。

飼育53日目 〜マツカサ病発症〜

水生菌に加え、エロモナス菌ににも感染したようであり、松かさ病を併発する。

当時、松かさ病の治療方法に有効といわれる「ココア浴」を行うことにする。

ココア浴治療

治療が困難であるマツカサ病に対して効果があると当時は話題になった治療法。

新たなトリートメントタンク(30cm規格水槽)を用意しました。

設備としてヒーター、エアレーションを用意し、水温は26℃に保った環境にしました。

10リットルあたりにスプーン1杯ほどの純ココアをいれます。

水は毎日交換して様子をみました。

飼育56日目 〜力尽きる〜

水槽内で死亡が確認される。
今後の実験を行うサンプルとして本個体の皮膚と鱗を採取した。

原因と対策

今回の反省点は、まず飛び出しを許してしまったことだろう。飛び出しによる皮膚粘膜の損傷が考えられる。

導入当時の飼育水槽には、天面にフタをしてあったのだが、水槽の外部濾過装置付近のわずかな隙間から飛び出しをはかったようである。

私のヒブナ青色個体を飼育すると、飼育開始して1週間以内には必ず飛び出しを行特徴がある。

フタをした水槽で合っても頭に外傷がでるほどに飛び出しを行おうとする程で、もっと注意する必要があっただろう。

対策としては完全な飛び出しを防ぐために上部濾過及び照明の設置をすべきであったと反省しています。

また飛び出しを行った後、すぐに薬浴させて早期に水生菌の予防、治療を行う必要があった。そうすれば、治療が長引かずに済んだだろう。

日和見感染である松かさ病が併発したということは、フナ自身の状態も悪かったと判断できる。治療を行った環境も長期間に及んだ為に水質の悪化につながってしまったのだと反省する。

最終的にエロモナス菌によるマツカサ病に感染してしまったが、対処法としてココア浴を行なったのも民間療法として適切ではなかったと反省しております。

まとめ

初めてのアオブナ飼育は残念な結果となりましたが、独特な特徴と治療に関する反省をしました。

今後の飼育研究に生かしていきます。

再度入手する機会があったので飼育研究を続けてみました。

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