【生態学】フナの一生まとめ

生物学

魚のライフサイクル

魚は多くの生物と同じように生まれ、成長して、子孫を残していきます寿命を迎えるというライフサイクルがあります。

一般的な魚の一生を、発育段階ごとに解説しすると

仔魚
卵から孵化したばかりのヒレや骨格の発達していない状態。
ほとんど泳ぐことができずに卵黄に蓄えられた栄養を吸収することで成長ていきます。

稚魚
骨格や鰭が発達して「条」と呼ばれるヒレの筋の数が成魚の数と同じ数になった段階。

未成魚(若魚)
体色や体形が成魚と同じ状態になった魚

成魚
成熟して繁殖が可能になった状態。
先生
先生

カタクチイワシを例にすると「シラス」は仔魚、「いりこ」が稚魚、
「煮干し」は未成魚ということになります。

卵と孵化

多くの魚は卵で生まれる卵生であり、フナの卵は岩や水草などに付着する卵です。
フナは産卵の際には20,000粒ほど産みます。

多くの場合産み落とされた卵や仔稚魚の多くは親の保護を受けずに成長します。
その分多量の卵を産むことで、多種多様な繁殖戦略を取りながら子孫を残して種の存続を行なっています。

発育

生まれてすぐは体にある栄養を取り込んで成長をしていきます。
体内の栄養を吸収すると比重が軽くなり水面に浮くようになります。

仔魚はワムシや繊毛虫などの周りにある動物プランクトンを手当たり次第に食べていきます。

さらに成長して稚魚になると咽頭歯や鰓耙が発達してきます。

固い殻を持つカイミジンコを咽頭歯ですりつぶして食べたり、泥に埋まっている生物を泥ごと吸い込んで鰓耙でエサだけ濾して食べたりといった成魚と同じような食性になります。

成長速度

成長速度はその水域の環境や栄養状態、水温が非常に関与しています。
栄養状態がよく、水温が高い水域ほど成長する速度が速くなる傾向が高いです。

フナの場合は食性が雑食でも植物プランクトン食性に偏っている方が成長が早い傾向があります。

成熟

雌は通常の場合は約2年で体重が約100gまで成長します。
ここまで育つと体の生殖器官が成熟して成魚となり産卵を始められるようになります。

成熟した雌は一度の産卵で2万個ほどの卵を産みます。
そして3年目以降も生き残って繁殖した場合には一生のうちにもっと卵を産むことになります。

成熟すると体表に追い星が発生したり、稀に腹部が赤色になることもあります(婚姻色)

産卵行動

4〜5月ごろになると水生植物の根っこの付近に卵をうみつけることが多く、
池や湖にいくと岸ぎわの一面でバシャバシャと水飛沫が上がっている光景に遭遇できます。

水中をよく見ると卵でお腹は膨れた1匹のメスを何匹のオスが追いかけている姿を確認できます。

このように産卵期に魚が寄ってくることを「のっこみ」と言います。
フナやコイは浅瀬へと文字通りに「乗り込んで」くる種類になります。

寿命

屋台の金魚すくいのようにすぐ死んでしまうため、寿命が短いという認識がありますが、
実際、適正な環境で飼育を行えば少なくとも平均で5~7歳、
さらには10歳以上に長生きする事も可能ですね。

記録されている中での最高齢のフナの個体は30歳を越えています。

長生きさせる方法

魚を飼育させる上で、より長く付き合いたいと思うのは当然です。

フナは丁寧な飼育を行えば10年以上も長生きする魚ですから、
この記事を参考に長期間飼育してみましょう。

年齢査定

年齢を査定する方法は2つあります。
それは耳石と鱗で、それぞれ年輪での計測で年齢を判断します。

耳石は体内で音を聞き取る聴覚器官の一つですが、年を追うごと成長して白い輪が見える。
それが年輪であり、いずれも夏期には成長速度が速いため年輪が早く成長し、成長速度が遅い冬季には年輪があまり成長しない特徴があります。

更新情報

7/18「フナの成長速度」を追加しました。
7/16「フナの成熟と産卵」を追加しました。
7/14「フナの年齢査定」を追加しました。

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