【生態学】フナの生活まとめ

まとめ記事

ここでは、フナの活動様式について解説しています。

我々の知らない水面下ではフナたちはどのように活動しているのでしょうか。
そんな知られざる姿を一緒にのぞいてみましょう。

遊泳

人間をはじめとした陸上動物の移動方法は歩くですが、水中に生息している魚の移動手段は「泳ぐ」になります。

ここでは魚の泳ぎ方や泳ぐ速度、使う筋肉について解説していきます。

一般に魚の遊泳速度は体長の倍数で表されます。

長時間その速度で泳ぎ続けることのできる速度を巡航速度、餌をとらえたり天敵から逃れる際に発揮される短時間しか維持できない瞬発速度とに分けられる。

フナの遊泳速度

巡航速度は0.1~0.7倍
瞬発速度は0.3~1.20倍

1秒間に自分の体の大きさの何倍の距離を泳ぐことができる距離

先生
先生

フナは雑食性であり、捕食する際に瞬発的な速度を求めないため遊泳は得意ではないのだ。

群れ

群れは特定の生物が同一種で集まっている状態であり、生存戦略の一つと考えられています。
1個体ではすぐに食べられてしまうが、集まることで天敵を寄せ付けず、生殖の面でも有利に働くと考えられています。

フナの場合、キンブナ以外の種は群を成すことが多く、同種間だけでなく多種のフナ類の群れに混じることもある。

生息分布域がかぶらない場合(低層のギンブナと宙層のゲンゴロウブナ)などは群れが混ざることはなく、それぞれの群れが作成され、さらにコイの群れに混じって泳ぐことも確認されています。

一方、キンブナはあまり群れを作ることがなく、単独で活動をしている場合が多い。この違いは食性のわずかな違いによると考えられている。キンブナの場合、アカムシやイトミミズのような動物性の餌を求めるので、群を成すのは生態的には効率が良くないのである。

縄張り

魚によって自分のテリトリーを持つものもいて、縄張りに他の魚が入ると攻撃を仕掛けてきたりします。

また、自然界では群れを作っているフナですが、飼育下では縄張りを持つこともあります。
そんな場合は、追われてしまった魚はストレスを感じて疲弊してしまいますので、隔離してあげるようにしましょう。

また、飼育密度を高くすると縄張りではなく群れを作ることもありますので、飼育密度にも気をつy毛て飼育しましょう。

食生活

フナ属魚類は基本は雑食性であり、動物性と植物性の餌を区別なく摂食する。
通常のフナは底生生物食性、ゲンゴロウブナはプランクトン食性の傾向が強くお互いに異なっています。

この食生の偏りは腸管の長さ、鰓把の状態が関与しており、腸管が長く鰓把数が多いとプランクトン食性の傾向になりやすく、腸管が短く鰓把数が少なく短い場合は動物食生になりやすい。

ヨーロッパブナでもほかの個体と比べて底に生息している生物を摂食していると顎が発達して角張る傾向もあるといわれている。

睡眠

フナは夜になるとの暗くなり目が見えなくなる為、我々人間と同じように睡眠をとります。
フナの睡眠水底に体をつけてじっと休みます。

また、休んでいるときでも側線で外敵の動きを感知したら、
水底から胸鰭をあげて浮上し移動を始めます。
目が見えなくても側線の感覚によりぶつからずに夜間でも移動が行えます。

一年

フナの活動は水温変化によって動きを変えています。
水温が高い夏は浅い場所へ移動して、水温が低い冬には深い場所で過ごします。

それによって1年間で活動場所がコロコロ変わっているのです。

フナの1年間の流れ

1、春
 深い場所から浅い場所へと「巣離れ」して、産卵の準備を行います

2、夏
 水温が高く活動が活発になるとともに、酸素が多い場所へと移ります

3、秋
 冬に向けて荒食いを始めて少しずつ深場へと降りていきます

4、冬
 水深の深い場所でじっと寒さを乗り越えてます

冬眠

フナは水温が5~6℃を下回ると動きが鈍くなり餌を食べなくなり、4℃以下になると水域の深部に沈み、冬眠を始める。
冬眠は基本的に睡眠と同じ動きである。

氷が厚く張った水域でも体液が凍らなければ、0℃を下回っていても生存していられる。
実験下では、水温が-1~-2℃と長く続くと幣死し、ー3℃では即死する。

表層に氷が張っている場合でも、深度があれば水底は4℃前後を保つことができるので、
幣死する事はなく、冬眠状態がつづくことできます。

釣りから学ぶ生態学

私がこのカテゴリを作成するにあたり、よく釣りの文献を参考にしていることがわかっただろうか。
釣りは対象の魚の生態を理解していないと釣れない為、時として釣り人は生態学に関して科学者に勝ることもある。

釣り人が生態学の科学者になることもあるのだ。

しかし、釣り人の情報は必ずしも生態を見ているわけではなく、魚が受けている環境によって及ぼされた反応を予測して釣りを行っている彼らは、完全に水面下から魚を観察はしていない。

その為に信憑性は必ずしも高いとは言い切れないので文献を参考にする際には非常に推敲に悩んだ。

それでも、釣り人はフィールドワークをして環境を読んで釣りを行っている。
とてもすばらしいことだと思います。

更新情報

7/26 「フナの縄張り」を作成しました。

7/25 「フナの一年」、「フナの群れ」を作成しました。

7/22 「フナの冬眠」を追加しました。

7/21  「フナの睡眠」を追加しました。

7/20 「フナの遊泳」を追加しました。

7/18 「フナの食性」を追加しました。
    複数の箇所を修正、それぞれの画像を追加しました。

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