今回は研究に入室前に実施したレポートを記載していきます。
病理時代に作成してきた透明標本についてを学術的に使用していきます。
実験目的
魚類の形態の構造を観察するために透明標本と通して魚類の形態や分類に関する基礎知識を取得するため、また、実態顕微鏡の使用手順も学習する。
実験器具
透明標本、実体顕微鏡、中古シャーレ、ピンセット、柄付き針
実験対象魚
金魚 (Carassius auratus)
実験方法
- 体長を測定する
- 画骨の数、形、染色状態、位置関係に注意してケント紙にスケッチを行う。
- 各骨の名称を調べる。
- 実体顕微鏡を用いて脊椎骨および鰭条数を形状し、レポートには紀式を記載する。
透明標本作成法
- 新鮮な標本を10%ホルマリン固定後、数日間流水洗浄
- 鱗および、内臓を取り除き、3%H2O2中にメラニンが褐色になるまでつける。
- 0.01%アルシアンブルー8GN+95%エタノール・氷酢酸(8:2)溶液中に24~48時間つける
- 5%エタノールに×2回・70-40-15%エタノールおよび、D.W.中で2~3時間ずつ脱染・洗浄
- 30%飽和ホウ酸溶液100mlにトリプシン1gを添加した溶液中に浸して透明化を行う(37℃2~3日毎に交換)
- 0.5%KOH溶液にアリザレンレッドSを濃赤紫色になるまで溶解した溶液中に24~48時間つける。(硬骨を赤く染める。)
- 0.5%KOH:グリセリン混合液系列(3:1・1:1・1:3・純グリセリン)により脱染
- チモールクリスタルを数粒添加した純グリセリンに移す
なぜ、透明標本をおこなうのか
ヒトのばあい、形態観察を行うときにはx線で写真を撮り、それに写った骨格を観察している。
魚の場合も骨格を観察する際、x線を使用することは可能である。
しかし、x線は対象が小型であったり、未成熟だったりした場合、骨がちいさくて骨格を写し取ることができないことが多い。
しかし、透明標本では小さいメダカや金魚の幼魚の骨格も見ることができるのである。
考察・感想
今回、私はキンギョの形態観察を行った。この個体はキンギョの祖先であるフナ類と比べて非常に類似しており、品種は和金であると考えられる。
尾鰭は通常のフナ類と同じフナ尾という名前の形をしており、透明標本で観察してみると本当のフナ類の様に感じる。
フナ類は非常に分類が困難なグループの一つであり、フナの分類する点として形態は非常によく見られている。亜種間で食性の異なりによって体高が異なり、また生息域の違いにより顔の骨格も異なるのである。
そして、今回数えた鰭式もフナ類の分類や検索を行う際の貴重な分類点でもあるのだ。
このように魚類の形態を観察すると分類の際には便利であると感じた。
ただ透明で硬骨が赤色、軟骨が青色に染めてあり、インテリアとして病理サークルの透明標本を購入していく方を文化祭の時に多く見かけた。
透明標本はこのようにして魚類の骨格を勉強する学術的にも確りとした研究機材であるということを再確認できた。
まとめ
いかがでしたでしょうか、透明標本についての意外な使い方を理解できたかと思います。
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