使用した麻酔薬に関する実験
フナの体色変化について麻酔薬を用いて実証する。
実際に使用して麻酔が掛かるまでの時間や解けるまでの時間を把握する。
また、掛かった状態での体色変化に影響が表れるのか調べた。
実験期間
平成26年5月12日から5月19日
実験個体

ギンブナ (Crassius auratus langsdolfii)
実験試薬

Ethy1 3-aminobenzeate methanesulgone solt 0.5%(3-アミノ安息香酸エチル)
- 外観:白色/無色~うすい黄赤色~黄色粉末~塊~透明液体
- 溶解性:エタノールに溶ける。
- 用途:有機合成原料。
- 化学的特性:clear yellow to light brown liquid or low melting
麻酔薬にかける時間と麻酔時間の関係

フナに麻酔をかけた後、水から取り出して乾燥させる。
30分おきに状態を観察していく。実験後は水槽に戻して麻酔が解けるまでの時間を求める。
平成24年卒業した河村先輩から試薬の場所と濃度の目安を教わり、麻酔濃度を計算して麻酔溶液を調製した。
濃度としては0.5%溶液と使用すると適正であるとのことだったので、
水1500mlにたいして0.5%使用する為、麻酔薬の使用量は7.5gとなりました。
生成した麻酔溶液に供試魚を入れ、90秒経過した後に取り出し観察を行う。
その後2時間、乾燥環境にした上で麻酔に掛かった状態を観察した。
実験結果
麻酔が解けなかったため、一度水槽に戻して経過を観察する。
翌日、実験個体の死亡が確認された。
麻酔を用いて変化後に生存させる実験

ギンブナ2尾に麻酔をかけて鰓が止まったのを確認した後に取り出す。
1尾は水槽に戻し、もう1尾は取り出して30分置きに写真を撮影する。水槽に戻した個体が3時間後に麻酔が解けたため、実験を終了し観察個体も水槽に戻す。
実験個体が死亡してしまったため、処分して水槽を掃除する。
実験結果
実験開始1時間半に経過した時点で体色が青色に変色し始めていた。
実験後に水槽に戻しても麻酔は解けずに死亡してしまった。
水槽に戻した個体は3時間で麻酔が解けて呼吸を開始していた。
氷冷麻酔に切り替える
死亡理由は麻酔薬ではなく、麻酔後の乾燥時間によるものであると考えられる。
水中環境ではないと麻酔が解けないという事が判明した為、今後は麻酔方法を氷冷麻酔に切り替えて観察する。
実験期間
平成26年6月17日〜6月30日
氷冷麻酔後に乾燥させる実験

麻酔薬を用いて麻酔を行うと乾燥した後に麻酔から解けない為、
他の麻酔手段として麻酔が解けやすい氷冷麻酔を行って実験を行い、麻酔の解けやすさ及びや体色変化の経過を観察する。
実験方法

氷水の入ったビーカーに供試魚を入れる。10分程麻酔を掛けた後に水から取り出して写真を撮り、1時間毎に観察を行う。
実験後は水槽に戻して経過を確認する。
実験結果
麻酔掛けて30分程で鰓が動き出して暴れてしまったため、麻酔が解けたと判断し中止する。
翌日、供試魚を観察したところ、通常通りに呼吸をしており、餌も食べていた。
氷冷麻酔で体色変化させる実験
氷冷麻酔を用いる事で死亡せずに麻酔が解けるまで乾燥させる事が出来た。
今回は長時間麻酔を掛ける事で乾燥させる時間を延長させて体色変化まで確認する。
実験方法

氷水の入った発泡スチロールの容器に供試魚を入れる。
10分間麻酔を掛けた後、供試魚を取り出して氷の上に置き乾燥させる。
30分毎に写真を撮り、2時間まで観察を行う。実験後は供試魚を水槽に戻して経過を確認する。
実験結果
翌日は通常通りに生存していた。
まとめ
これによって氷冷麻酔により適切に麻酔をかけ、無事に麻酔が解くことに成功した。
今後はこの方式で麻酔をかけて実験を進めていく。
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