実験期間
平成26年8月11日〜8月15日
実験目的
前回の実験で、乾燥により色素胞が変化し、青色に体色変化を行うということが分かった。
変色の要因にホルモンが関与しているかを調べるため、
今回の実験ではあらかじめ皮下組織を摘出た状態で乾燥させることで体色が変化するか調べていく。
実験個体

ギンブナ (Crassius auratus langsdolfii)
実験方法
麻酔を掛けた後、供試魚を解剖して体の両側の皮下組織を摘出する。
摘出箇所は鰓蓋より後端、体の側線より上部の褐色部分である組織を主とした。
その後、片方の皮下組織は乾燥させ、もう片方は生理食塩水に入れてcontrolとする。
実験前と実験後に写真を撮り、鱗を摘出し顕微鏡で観察する。
顕微鏡は40倍率で観察を行う。観察後はブアン溶液に入れて固定する。
その後、皮下組織の組織標本をAZAN染色及びHE染色したものを顕微鏡で観察を行った。


実験結果
通常撮影



観察結果、組織の表面からの体色変化を確認ができた。
鱗の色素胞を確認していた結果、虹色素胞の黄色から青色へと変色していることを確認できた。
暗所撮影




暗所環境での撮影を行った結果、水中環境の場合の虹色素胞は反射しているのに対し、
乾燥環境に置いた鱗の虹色素胞自体の光の反射がみられなくなっていた。
AZAN染色


乾燥環境側の組織は赤色の染色が上手くいかず、青色だけ発色された。
HE染色


皮下組織から鱗にかけての空間が乾燥環境においた方が狭くなっていた。
考察
皮下組織を乾燥した結果、鱗の体色変化を確認できた。
体色変化の要因は生理的なホルモンではなく、乾燥によるものであると判断ができた。。
虹色素胞は一般的に色素を成すグアニン層の間隔の変化により色の変化が起きる為、
乾燥によるグアニン層の間隔を変化できたと考えられる。
また、皮下組織の組織標本で観察を行った結果、鱗のかさなり合う部分のか感覚が狭くなっていた。
乾燥することにより、体表の水分(粘膜部分)が蒸発したことが原因であると考えられる。
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