フナと河川の関係

陸水学

今回はフナと河川の関係性について解説していきます。
ここではフナが生息している河川の特徴についてと生態の視点からみていきます。

これを読めばフナが生息している水域の特徴がわかり、フナがいるかどうか判断することができます。

フナの生息している河川の特徴

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フナは淡水魚で、特に静かな水域や流れの緩やかな場所を好んで生息します。ここではフナが生息する河川の特徴をいくつか紹介していきます。

1. 流れの緩やかな場所

先生
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まずは「流れが緩やかな河川」になります。

フナは急流よりも流れが緩やかな場所を好みます。流れの強い上流域よりも中〜下流域のさらに流れの澱んでいる場所によく見られます。

こうした環境は、フナにとってはエサを探しやすく、繁殖にも適していますね。

2. 豊富な植生

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水生植物が豊富に生えている場所も、フナの生息地として非常に重要です。

水草やアシなどの植生は、フナにとって隠れ場所や産卵場所としても適していますね。
水草にはエビや水棲昆虫が生息でもあり、フナの餌場としても相性がいいですね。

3. 泥底や砂底

先生
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次に生息環境の特徴ですが、
フナは泥や砂の底質を好む傾向があります。

こうした底質は、フナが水底を掘り返して水生昆虫などの餌を探すのにも適しています。
また、底質が柔らかい場所は水草が生えていることが多いですからね、産卵にも適していることは言わずもがなでしょうね。

4. 水質

先生
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フナは比較的水質変化に耐性のある魚です。

多少の水質汚染にも耐えられますが、やはりきれいな水を好みますね。
水質が良好で、酸素が十分に供給されている環境が理想的です。

ただし、極端に清澄な水ではなく、多少の濁りがある水域でも問題なく生息できます。

5. 温暖な環境

先生
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次に生息環境ですが、フナは温暖な水域を好みます。

ただ、フナの種類によっては水温が0度近くにもなる水域生息しているヨーロッパブナもいますし、
低酸素かつ低温環境でもゲンゴロウブナが生存していることもありますから、

少なくとも日本では北は北海道、南は九州沖縄まで日本全国に生息していますからね。寒冷地では生息できていないわけではありませんね。

それでも寒冷な水域では活動が鈍くなり、成長や繁殖にも影響が出るため
温かい季節や地域での生息が多く見られますね。

6. 幅広い食性

先生
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フナは雑食性です。

植物の葉や茎、藻類、小型の水生昆虫、ミミズ、プランクトンなどさまざまな餌を食べます。
こうした餌が豊富にある環境がフナの生息に適していますね。

代表的な生息地

日本では、琵琶湖や霞ヶ浦などの大きな湖沼だけでなく、多くの河川の中流から下流域に広く分布しています。
また、都市部のため池や水路などでも見かけることができます。

フナは環境への適応力が高いため、さまざまな淡水環境に生息していますが、上記の特徴を持つ河川は特にフナにとって居心地の良いですね。

コラム〜川と河の使い分け

先生
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漢字の「河」と「川」の使い分けについて解説していきます。

まず「川」を「河」と表記するのは基本的には中国だけのようです。
しかも同じ中国でも北部は「河」(例:黄河)で南部は「江」(例:長江)と言うように変わるようです。

また、川の大きさにもよるところもあり、

  • 「江」は「川」のおよそ100倍の流域面積で
  • 「河」は「川」のおよそ50倍の規模で使い分けされるようです。

中国では「川」は溝を意味しているのに対し、
「河」は「デコボコ」とか「曲がりくねった」と言う意味があるそうです。

このことからも「河川」を直訳すると「曲がりくねった溝」と言うことになります。

先生
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中国の大河に比べたら日本の「川」は溝のようなものに見えるかもしれませんね。

日本における外国の川の表記は、日本に入って来たときにほとんど「川」で表記されていますが、
中国の川はもともと漢字で表記されているために「河」「江」をそのまま使っていると思われます。

先生
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ここのサイトでは幅広い河川を河と記載しておきます。

まとめ

ということで、今回はフナと河川の関係について解説していきました。

生息している河川が中下流域であるのにはフナの生態に大きな理由があったんですね。

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