【鑑賞編】水族館から学ぶレイアウト術

飼育室
先生
先生

今回は水族館からフナ飼育におけるレイアウト術を学んでいきましょう。
様々な水族館の水槽レイアウトを表示していきますので、一緒に見て参考していきましょう。

女の子
女の子

はーい

水族館から学ぶ

展示のプロから学ぶ

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男の子
男の子

せんせー、なんで水族館から学ぶんですか?

先生
先生

それは、水族館が展示としてのレベルが高いからです

水族館はお客さんに魚や環境を見てもらう施設となっており
そのため、その道のプロの方々が展示を行っているんですね。

ものを知るにはその道のプロから学ぶのが一番ですから、
ただ水槽を眺めて綺麗だなとか感想を述べるのではなく、魚を展示している水槽の環境やレイアウトを見ていきましょう。

生息環境を模倣している場合が多い

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といっても、水族館も何も一からレイアウトについて考えているというわけではありません。
基本的にはやっていることはシンプルで「生息環境を模倣している」ということがほとんどです。

実際に生息していた環境を再現してあげるのがその魚にとって一番生活しやすく、馴染みがある環境になるんですね。

特に京都水族館は水槽以上に陸地部分の展示の質が高く、
実際の環境で自生している植物を擬岩に植えたり、苔を生やしたりしていて自然の中にいるような気分に、させてくれますね。

アクアリウムの世界にも陸地部分を再現する「アクアテラリウム」というものも存在しますから参考にうするのもありですね。

あくまで人に見てもらうのがメイン

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女の子
女の子

でもそれだとヘラブナは植物プランクトンを食べるかから

濁った水での展示になってしまいますよ

ヘラブナの環境を再現しようとすると一つ問題が生じます。
それは湖に生息していますし、食性が植物プランクトンなので、
大体の生息地は緑色に濁った水での展示を行うことになります。

そうなるとゲンゴロウブナの飼育水は濁った水での展示になるのではと思ってしまいますが、
そんな水族館はほとんどありませんよね。

それは水族館は人に見せる展示であり、あくまで「模倣」なので、
透明度の良い水での展示を行っていることがほとんどです。

男の子
男の子

まー、水槽もエサとかフンで濁っていることも多いけどね

レイアウトの例

琵琶湖博物館

まずは滋賀県にある琵琶湖博物館の水槽を見ていきましょう。

ここの水槽は前面には泳ぐスペースが確保されております、ここに大きな魚が泳いでいますね。
そして、奥の陸地付近は水深が低くなっており、ヨシが植ってあります。

ヨシは琵琶湖の岸辺に植っている水生植物であり、琵琶湖の魚との馴染みも深い植物なんですね。
そのため、ヨシの根元にはタナゴをはじめとする小魚たちが集まって泳いでいます。

通常の水槽の場合は棲み分けをしないと大きな魚に小さな魚が追われてしまいます。
食性によっては捕食されていましますから、こうした生物によっての生息環境の再現は非常に珍しいと言えます。

先生
先生

一般家庭でこれ再現しようとするとヨシは大きすぎてしまうので、
参考にするならセキショウモあたりの水草を使用するのがいいでしょう。

ポイント

魚の生息する水深やポイントを把握する。
生息する環境に合わせてあげる。

アクアトト岐阜

先生
先生

次に紹介する水族館は「アクアトトぎふ」です。
ここは長良川の中流をイメージした水槽になっています。

ここはフナ以外にはコイやソウギョ、ナマズなど大きな個体が泳いでいることもあり
迫力のある大型魚水槽になっていますね。まぁ、このあとにメコン川やアマゾン川の大型水槽が控えていますが。

水槽の中央に大きめの流木が置いてあるだけで、他にあると言えばウナギが隠れるための土管でしょうか。
レイアウトというよりも遊泳スペースの確保を優先している水槽となっていますね。

基本的に大型水槽はレイアウトがシンプルである場合が多いですね。
水槽全体の雰囲気よりも泳ぐ魚に注目を置くためであると考えられますね。

でも、水槽内のレイアウトが特に何もなくても、壁面は石垣が用いていたり、水槽の縁が木枠を用いていたりと雰囲気作りはしっかりしていますね。

ポイント

・大型魚の水槽は遊泳スペース確保のため、アクセサリーは控えめ。
・水槽の壁面や縁などの装飾を行なって雰囲気作りはできる。

かすみがうら市水族館

先生
先生

次に紹介するのはかすみがうら市水族館です。
ここはキンブナの単独飼育を行っている水槽があります。

女の子
女の子

ここの水槽には水草がありますね。

水槽のレイアウトとしては流木と水草になります。
水草はミクロソリウムというシダの仲間で、流木に活着させて植えられています。

ここの水槽のフナは大きさがそこまでではないので、掘り起こされる心配はないですね。

しかし、流木に活着させる方法はフナ飼育に関してはそれなりに有用であり、
フナが水槽の砂利を掘り起こしてしまっても水草が掘り起こされる心配はありません。

唯一の欠点としては景観がやや劣るという点でしょうか、
活着できる植物は大抵がアヌビアス系統やミクロソリウムなどの日本には存在しない植物なので、
日本らしい侘び寂びのある水草水槽とはかけ離れてしまいます。

あくまでも主役はフナですから水草の採用を考える分にはありだと思いますね。

ポイント

水草を置きたいなら流木や岩に活着させて使用する。

井の頭公園水族館

次に紹介する水族館は井の頭公園の水族館になります。

ここは、それなりの大きさのギンブナを飼育展示しています。
底砂は大磯砂を含めた砂利ですね。

ここの特筆すべき点は「それなりの大きさの個体がいる中で水草を植えてあるという点ですね。
主にオオカナダモが植えてあります。

オオカナダモはフナが生息している用水路にはよく見かける水草なので相性はいいですね。
掘り起こされることも少なくないでしょうし、それなりの対策はされているのでしょうね。

成長速度も悪くないですので、フナに食べられてしまってもその分成長はしますから維持は簡単ですね。

ポイント

大磯砂も雰囲気作りはできる。
オオカナダモはフナとの相性はいい。

姫路市立水族館

先生
先生

最後に紹介するのは姫路市立水族館です。
ここは姫路市の環境を再現した水槽があります。

男の子
男の子

田んぼの用水路を模した水槽になっていますね。

ここの水槽は今まで紹介したものよりもずっと環境を再現したものになっています。
というのも水槽の背景が用水路の木枠みたいになっているんですね。

また、ここにも気持ち程度ですが、水草が植ってあります。

実際の生息環境を再現するならここまでやると雰囲気が出ていいですね。
小型の個体を複数匹飼育すれば環境には慣れやすいので、アクセサリーも少なめでも問題ないですね。

ポイント

環境再現は陸地部分もこだわると雰囲気がでる。
複数飼育して群れを作ってあげると生態が再現できる。

まとめ

先生
先生

ということで、今回はいくつかの水族館を紹介してきました。

ぜひ水族館に言ったら水槽にいる魚だけでなく展示している環境にも目を向けてみましょう。
様々な気づきがあると思います。

今回のポイント

実際に生息している環境を模した水槽を作ってあげること、
フナの生態に沿って生活しやすい空間を作ってあげること、
飼育管理のしやすく、維持しやすいレイアウトにすること、

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飼育室水族館

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