今回は飼育水における二酸化炭素について解説していきます。
私たち生物が呼吸の際に吐き出し、有機物を燃やすと発生する二酸化炭素。
これは地球温暖化の原因として、現在注目されている物質の一つですね。
アクアリウムにおいても重要性は高く、魚の呼吸や水草の光合成と高い関係があります。
この二酸化炭素が水中ではどのような性質をしますのか一緒に見ていきましょう。
はーい!
アクアリウムにおける二酸化炭素の性質
水に溶けやすい
まず最初の特徴としては「水に溶けやすい」ということです。
二酸化炭素は空気の46倍も水に溶けやすいことが知られています。
水中に生息するフナをはじめとした魚たちはこの性質を生かしてエラから二酸化炭素を放出しているんですね。
また、気体は水温が低いほど水に溶け込みやすくなるという性質を持つことも覚えておくといいでしょう。
PHを下げる
次の特徴としては「PHを下げる」ことですね。
二酸化炭素は水に溶けると酸性に傾く性質を持っており、PHが下がります。
逆にエアレーションを行って水中の二酸化炭素濃度を低くするとPHは上昇しますね。
空中へ放出する
最後の特徴としては「空気に放出される」ことです。
炭酸飲料の入った容器を降ったら二酸化炭素が出てくることから分かるように衝撃を与えることで、水に溶け込んだ二酸化炭素は抜けやすくなってしまいます。
エアレーションをしたり、フィルターで水面を波立たせることにより空気との接触面積が増え水中の二酸化炭素が抜けやすくなっていきます。
二酸化炭素とフナの関係
二酸化炭素が多い環境にフナがいるとどうなるのか
では、実際にフナを飼育する中では気をつける環境はどういう場面なのかというと、
結論、気にする必要はありません。
というのもですね、湖沼や用水路など酸素分圧が低く、二酸化炭素分圧が低い環境に生息しています。
フナは酸欠に強い魚であるということがわかりますね。
適正な飼育密度で飼育し、適正なフィルターを使用している環境なら全く気にする必要がない指標になります。
魚に影響が出るパターン
逆に二酸化炭素が過多になってしまう理由としてはこちら2つが考えられます。
1つ目のパターンとしては過密飼育ですね。
酸素供給をせずに通常よりもおおい数を飼育すると、水中の酸素が減って二酸化炭素濃度が増えていきます。
対策としては過密な飼育密度で飼育しない。またはフィルターを活用して二酸化炭素を放出させることですね。
2つ目のパターンは二酸化炭素を追加で添加する場合ですが、
主に水草水槽では光合成を促進するために二酸化炭素を添加していきます。
基本的に飼育水の二酸化炭素濃度は5〜15mg /Lくらいが水草の成長に対して適正になります。
逆に20mg /Lを超えてしまうと長期的に魚には有害な値となってしまいます。
これにより魚たちは鼻上げ行動をしていくでしょう。
水草水槽で魚を飼育する場合は二酸化炭素濃度を把握することが大切ですね。
まとめ
ということで、今回は飼育における二酸化炭素濃度の指標について解説してきました。
フナは酸欠に強い魚ではあり、過密飼育を避け、水質循環をしてあげれば心配ありません。
水草水槽で飼育する場合には適正な二酸化炭素濃度で飼育管理してあげましょう。
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