今回は水温管理について解説していきます。
水温の変化は魚の環境に対して良いこと、悪いことを含めて様々な変化を与えていきます。
はーい!
水温がアクアリウムにもたらす影響
水温は魚だけでなく周りの水槽の環境にも良いことと悪いことを含めて様々な変化を与えていきます。
ひとつずつ解説していきますので一緒に見てみましょう。
成長促進
魚は変温動物なので、水温と体温がほぼ同じとなっています。
生物は体温が10℃上がることに代謝が2倍になりますので、水温が10℃上昇することにより代謝が促進され、成長する速度が高まります。
熱帯魚の幼魚は育成するのに30℃で飼育されることが多いように成長促進に適しています。
もちろん、代謝が増えるということはその分エサや酸素の消費量も増えます。
供給不足だと酸欠や栄養失調になりますので気をつけましょうね。
関連記事→フナの水温における反応
バクテリアが活性化
次に与える影響としては「バクテリアの活性化」です。
これは主にフィルターについてる濾過バクテリアを指しますね。
水温が高温になるほどにバクテリアの代謝も増加し、活発に働くようになります。
もちろんその分酸素の要求量が増えますので、エアレーションは必須になります。
また、飼育している水と温度差のある水で濾過材を洗ってしまうとバクテリアもダメージを与えてしまうと言われています。
夏場にフィルターを掃除するときには少し気をつけましょうね。
発病のきっかけ
次は「発病のきっかけ」です。
活動が活発になるのは魚やバクテリアだけでなく、魚に影響を与える細菌も同じです。
また、水温の急変により魚の免疫が低下してしまい、病気の発生の引き金になることも多いです。
水温が上昇する春先、気温の落ち込む秋口は特に注意が必要です。
一方で、白点病などの病気は水温を上げることにより回復を早めることも知られています。
繁殖行動のきっかけになる
水温の上下が魚の繁殖を促進するということはよく知られていますね。
フナなどは春先に水温が上昇することにより産卵のきっかけになりますので、飼育環境では水温管理が繁殖に対して効果がありますね。
色素胞の変化
30℃以上を超えるほど水温が高くなるすぎると色素胞が縮小することが観察されることがあります。
それにより、錦鯉や金魚の一部の品種では高水温になると赤い模様が薄れてしまうことがあります。
原因は諸説ありますが、代謝の上がり過ぎによる栄養失調が考えられます。
デリケートな品種を飼育するときには水温の上がりすぎにも気をつけていきたいですね。
水草が枯れる
また、代謝が良くなるのは生物だけでなく、水草も当てはまります。
一般的には水温が上がることで水草も代謝が促進されて成長速度が早くなります。
しかし、水温が30℃を超えてしまうと、成長がおさまってしまい、枯れたり溶けてしまうことが多いです。
植物も夏バテをしてしまうのでしょうね。
植物を植えている場合には水温管理は大切ですね。
水温管理のコツ
直射日光の当たる場所での飼育を避ける
まずは水温上昇する危険がある場所で飼育しているのかを見直しましょう。
具体的には「直射日光が当たる場所」かどうかを確認しましょう。
直射日光が当たる場所だと露骨に水温が上がってしまいます。
また、昼夜で水温の差が生じてしまうことに魚にストレスがかかってしまい、病気の発症のきっかけにもなります。
直射日光が開ける場所での飼育は避ける。
移動できない場合は窓に遮光シート貼ったりと日差しを遮る工夫を行いましょう。
ヒーター、クーラーを活用する
まずはシンプルに水温自体の管理になります。
水温を上げたいならヒーターや温度調節できるサーモスタットを使用します。
これにより水温を一定に保つことができますので、水温の低い冬場でも上げて魚の成長促進や繁殖のきっかけを与えることができます。
逆に水温を下げたいならクーラーを使用します。
水槽専用のものもありますが、管理している水槽の数が多い場合は水槽部屋全体を下げたなら部屋のエアコンをして室温自体を管理するのも手です。
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エアレーションを添加する
次にエアレーションの添加になります。
水温の上昇は魚だけでなくバクテリアにも酸素消費量が増えますので、
水槽内の酸欠を抑えるためにもエアレーションの追加の添加をしてあげるのがおすすめです。
エサの与える量は適正に行う
つぎにエサを与える量ですが、これは代謝が上がるからといって2倍の量与えてしまうのはあまりおすすめできません。
というのも餌の量を増やしてしまうとその分食べ残しが増えてしまうからです。
濾過性能が高ければこれに勝るものはありませんが、
濾過性能が低い場合は水質が変化しやすくなってしまい、病気の発症のリスクが増えてしまいます。
餌を与えるときには食べる量を確認しながら少しずつ増やしてみましょう。
フナを飼育する場合は量は増やさずに与える回数を増やしましょう。
水換え時の水温変化に気を付ける
水温が高いとその分水道水との温度差が生じてしまいます。
水道水との水温差がある場合は、水道水を直接入れるのではなくお湯を混ぜたり、水換えの量を控えめにしたりと温度ショックを与えないように管理しましょう。
まとめ
ということで、今回は水温管理について解説してきました。
水温が高いことで、成長が早くなるというメリットもありますが、気を付ける点も多いので、しっかり気をつけながら魚を飼育管理していきましょう。
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