今回はニゴロブナについて解説していきます。
生息域が限られているフナですが、独特の文化を持つ魚になります。
一緒に見ていきましょう。
特徴

背鰭12~18分岐軟条。鰓把数50~70程度。全長30cmほど。
まずはニゴロブナの特徴についてですが、頭が大きく、下顎が角張っているのが特徴ですね。
他のフナと比べて眼球がやや大きく、視力が弱いと言われています。
琵琶湖固有の魚
一般的に似たような種類は、利用する資源(食べ物や生息場所など)が似ているため、共存ができません。
しかし、琵琶湖にはニゴロブナを含む3種類ものフナが住んでいます。
学名と種小名

Carassius auratus grandoculis Temminck et Schlegel, 1846
名前の由来ですが、
ゲンゴロウブナに類似しているから「似伍郎鮒」という名前がつけられた説が濃厚です。
また、ニゴロブナの学名の亜種名は「auratus grandoculis」になります。
意味合いとしては「目の大きい」フナであることを表していますね。
飼育

ニゴロブナはは飼育においては野生種個体と養殖個体で非常に難易度が異なる魚の一つですね。
野生個体はかなり気難しいため、餌やりや環境が合わないと露骨に痩せてしまいます。
最大体長は40cmを超えるため、飼育水槽が大きければ大きいほど成長しやすいです。
現在は入手さえも困難な種類であり、稀にブリード個体からの流通がみられることがありますね。
水族館

ニゴロブナの展示ている水族館ですが、生息地が限られていることもあり、展示している水族館は琵琶湖に設立している琵琶湖博物館とあきついおの2館しかいません。
しかし、その地域との広い関わりや本種における生態系の立場などからも多くのメッセージとくみたれるような水槽展示がなされており、どちらの水族館でも考えさせられる展示をおこなわれていますね。
水産学
ふなずしについて

そんなニゴロブナの食品として最も有名である「ふなずし」は、
珍味として全国に知られる滋賀県の特産品となっています。
その強烈なにおいを一度でも嗅いだ事のある人でしたら、
この食品の存在を一生忘れることはないでしょう。
絶滅危惧IB種

残念ながら、ニゴロブナは個体数が減っており、絶滅危惧種に登録されています。
1980年代後半には漁獲量が100~200トンあった多穫性魚類であったが、近年では低水準の漁獲が続いています。
滋賀県の懸命の増殖努力にも関わらず、現状では漁獲量の回復が十分期待できる状況ではないため、レッドリストに掲載されました。
コラム〜琵琶湖の漁業規制
そして、徐々に数を減らしているニゴロブナですが、
その資源の回復を図るためにやっている規制は一体何でしょうか。
まとめ
と言うことで、今回はニゴロブナについて解説してきました。
この魚がどんな風に生活していて、どんな役割を持っているのか、少しでも理解してもらえたら嬉しいです。
自然の中で生きる魚たちについてもっと知りたいと思ったら、ぜひ他の魚も調べてみてくださいね!
独自の文化を今後とも残していけるように我々も努力していきたいですね。
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