今回は魚の循環器官である心臓と脾臓、及び血液について解説していきます。
呼吸や栄養の運搬、排出、浸透圧調整などが直接関わる大事な役割を持っています。
循環器官は大きく分けると血管系とリンパ系になりますが、魚の場合未発達なので、今回は省略します。
心臓


心臓は、我々人間と同じく血液を体中に循環させるための器官です。
ある程度の大きさの動物は、血液を介して細胞の代謝のため酸素を各細胞に送り、老廃物を回収します。
血液の循環は心臓であるポンプから始まり、鰓を経て体内に張り巡らされた血管を巡回して心臓へと戻ります。
心臓は大きく分けると「静脈洞」、「心房」、「心室」、「心臓球(動脈球)」の4つに区分され、
これらの境界には血液の逆流を防ぐ弁が備わっています。
ちなみに、哺乳類・鳥類は2心房2心室ですが、魚類は1心房1心室しかありません。
魚類、両生類・爬虫類、哺乳類・鳥類と進化したと考えられており、
進化が進むにつれ心臓の構造も複雑になっています。
血管

血管は人間と同じく動脈と静脈からなります。
心臓から送られる血管が動脈で、心臓へ戻ってくる血管が静脈になり、
基本的には動脈の方が圧力が高いので、厚く成ってます。
全身を回って戻ってきた静脈洞に戻ってきた血液はそのまま心臓を経て大動脈へと送られます。
そして血液は鰓動脈を通じて鰓へと送られて新鮮な空気を取り込んだ血液が全身にめぐっていきます。
血液循環
魚も人間と同じく、血流を全身に巡らせるために血圧が存在します。
そして、血液の循環は魚が遊泳したり、環境の変化にあったりして心拍数が変動します。
心拍数が増加すれば亜心臓からの血液の量も増え、血圧も上昇します。
また。水中の酸素濃度が低下すると心拍数も低下して徐脈が生じ、血圧が上昇します。
徐脈をもたらすほどの酸素濃度というのは魚によって異なっています。
一般的な魚は80〜100mmHg、ウナギは30〜60mmHgであると言います。

比較的酸欠に強いフナの場合は45mmHg程度と言われています。
血液量
次に血液の量について解説します。
血液の総量は魚の種類によって違っています。
測定方法の違いなどもありますが、一般的な魚類では体重1Kgあたり20〜132mlと言われていますね。
血球
赤血球や白血球、血小板など
血漿
血清やフィブリンなど

血液の成分は人間と同じなんですね
脾臓

最後に「脾臓」の紹介をします。先ほど述べた血液を作る「造血器官」になります。
「造血器官」は脾臓以外にも腎臓があり、腎臓は白血球を、脾臓は赤血球を主に作ります。
脾臓は腸の上側(背側)にある細長い器官であり、見た目は赤色ですね。
脾臓の機能は大きく3つあり、
- 赤血球やリンパ球などの血球を作る
- 古くなった血球(赤血球や血小板)を破壊しm鉄分の回収をする
- 血液を蓄える
以上になります。
まとめ
ということで、今回は循環器官と血液について解説していきました。
- 魚も人間と同じく心臓を持ち、血液が循環していること。
- 血管は動脈と静脈を持ち、肺ではなく鰓に新鮮な空気をもらってから全身にむぐること
- 脾臓では赤血球や血小板を作り、腎臓では白血球をつくること
腎臓については今後泌尿器官について解説したときに機能を解説していきますので、そちらをご覧ください。
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