どうも、あおいふなです。今回は魚の呼吸器官について解説していきます。
魚が水の中でどうやって呼吸しているか、考えたことはありますか?
私たち人間は空気を吸って酸素を取り込みますが、魚は水の中にいるのにちゃんと呼吸ができるんです。
その秘密は「鰓(えら)」という特別な器官にあります。
この記事では、魚がどうやって鰓を使って水中の酸素を取り込んでいるのか、その仕組みをわかりやすく説明していきます!
えら【鰓】|魚が呼吸する器官
水中で生活している魚ですが、我々は水中では呼吸することができずに生活することはできません。
水は空気中と比べて酸素が溶け込む量が小さいです。
さらには水中で酸素の拡散する速度も遅いので、水中では酸素が欠乏しやすいです。
そのため、魚における呼吸の条件というのは決して良いものではありません。
しかし、魚は水中の呼吸に適した鰓を備えており、常に新しい水を鰓へと送る換水機構は発達していて、水中で効率よく呼吸することができます。
また、鰓以外でも皮膚呼吸が可能な魚類も知られていますね。
肺魚なんかは空気呼吸をしますよね。
鰓の構造
まずは鰓の構造について簡単に解説していきましょう。
鰓は咽頭部の膨出という出っ張っている部分と素手に対応する体表の陥入によって形成されており、何対かの鰓裂の壁面に、弓状の構造物に指示されて並ぶ多数の鰓弁が空気交換の場となります。
一般的な魚の場合は5対の鰓弓が発達していて、多くの場合は鰓弓に鰓弁が並んでいます。
鰓弁は薄くて細長く、基部にある内転筋と外転筋の働きにより、先端が外側に曲がっています。
これにより隣接する鰓弓の鰓弁と接触し、呼吸の水の流れに対する抵抗が大きくなり、
ガス交換を効率よく行うようにしています。
鰓面積
鰓弁にはさらに「二次鰓弁」という器官があり、
ここでガス交換を行っています。
この部位が体重あたりの総評面積のことを「鰓面積」といいます。
活発に遊泳する魚はこの鰓面積が大きく、底生性の魚は小さい傾向にあります。
表にすると次のようになります。
魚種 | 鰓面積 (mm2・g−1) |
カツオ | 1.350 |
マグロ | 885 |
アンコウ | 143 |
ニジマス | 197 |
ウナギ | 990 |
コイ | 139 |
フナの仲間であるコイの数値ですが、他の魚と比べると低いですね。
エラ呼吸の仕組み
ここからは魚の鰓呼吸の仕組みについて解説して行きます。
基本的には上記で紹介したエラに水を通して水中の酸素を吸収し、二酸化炭素を放出して呼吸して行きます。
魚が呼吸に必要な水は絶えずに口から入って鰓を通り体外へ抜けるようになっています。
換水とは 水中でえら呼吸を行う動物が、えらに触れる新鮮な水を取り込み、入れ換えること。
この構造は2種類あり、「二重ポンプ換水」と「ラム換水」があります。
フナは二重ポンプ換水になります。
二重ポンプ換水の補足
・加圧ポンプ
口を開いた状態から口を閉じることによって口の中の容積は小さくなります。
それにより口のなかの圧力が上昇して水は鰓弁と二次鰓弁の中を通り、鰓蓋弁を押して鰓から流れていきます。
・吸引ポンプ
鰓蓋が外側に開く際に鰓蓋弁を閉じ、鰓を広げて圧力を下げ、水を口から鰓へと吸い込みます。
同時に口の中の圧力が下がるので、水が口から入っていきます。
この流れで絶えず水が鰓の表面を洗っていきます。
また、フナやコイは、水が濁った環境に生息しているので、
鰓に異物が付着する場合が多いのです。
そんな時は鰓で口に向かって瞬間的に水を逆流し、吐き出すようにしています。
この行動のことを「洗浄運動」と言います。
呼吸に関して顎の筋肉の機構は「顎筋・鰓蓋筋」の項目で説明しています。
よろしければそちらもご覧ください。
換水と酸素量
魚の換水は呼吸の条件によって調節しています。
水中の酸素濃度が減少したり、鰓の損傷などによって血中の酸素濃度が低下すると呼吸回数が多くなり、換水量も増大します。
これにより血液が鰓を通る時間を長くして呼吸の効率を高める脳にしますので、
自然と心拍数も下がっていきます。
特に水中では酸素が足りなくなる環境が起こりやすいです。
夏の水温の高い時や水の交換が悪い養殖場でも残餌や排出物が溜まるとよく起きます。
こうした場合が続くと魚は「酸素不足症」に陥ってしまい、最悪の場合は窒息死してしまいます。
このように魚が健全に生活できる水中の「最小酸素飽和度」は魚の種によって異なります。
フナは比較的酸欠に強いのは
この最小酸素飽和度が低くても生活できるからなんですね。
こうしてみますと圧倒的にウナギの方が最小酸素飽和度が低いのがわかりますね。
確かにウナギは湿った環境であれば問題なく生息していたり、水から上がって長距離を移動したりすることもあります。
特殊な生態をもつ魚ですので、これは異例と言えるのではないでしょうか。
酸素消費量
また、魚は酸素の消費量は一定時間に消費される体重あたりの値で表し様々な要因によって変化します。
水温が上昇すれば、代謝が上がるので酸素の消費量も増加していきます。
まとめ
ということで、今回は鰓と呼吸について解説していきました。
- 呼吸は主に鰓弁で行い、鰓面積は魚の中でも低いこと
- 換水方式は二重換水であり、汚れた水では逆に水を吐き出す逆洗浄ということもできる
- 魚によって酸素飽和度が決まっており、他の魚と比べてフナは低酸素濃度環境でも適応します。
鰓のおかげで、魚は水の中でも呼吸ができるんですね。
水中の酸素を効率よく取り込むために、魚の体はとても工夫されています。
これで、魚がどうやって生きているのか少し分かってもらえたら嬉しいです。
次に魚を見るときは、ぜひこの鰓呼吸の仕組みを思い出してみてくださいね!
フナは酸欠に強いとはいえ、
飼育環境では酸素補給はしっかりと行っていきましょうね。
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