今回は「魚の群れと集団心理」について解説していきます。
魚が群れを作っている姿は水族館などで見ることができますが、なぜ、あんなにも綺麗な群れを形成することができるのでしょうか。
これを読めば魚がどうして群れを作るのか、群れを作るメリットがわかるかと思います。
ぜひご覧ください。
群れ
群れは集団という数で自然界における淘汰に対抗した生存戦略の一つになります。
1個体ではすぐに食べられてしまうが、集まることで天敵を寄せ付けないと考えられます。、
さらには群れで行動することで、生殖の面でも有利に働きますね。
魚の群れの心理
魚の群れは、自衛やえさの確保を目的とした集団行動をとるため、集団の中では一定の連帯感があると考えられています。
また、群れの中ではリーダーとなる個体が存在し、他の個体はそのリーダーに従う傾向があります。
しかし、群れの中で個体が自分の位置を確保しようとするときには、激しい競争が起こります。このときには、各個体が周囲の個体との位置関係を見極め、どこにいるかを把握して自分の立場を確保することが必要です。
また、群れの中では個体同士のコミュニケーションも重要です。魚は視覚的に情報を伝えることができるため、周囲の個体の動きに注意を払いながら、必要な情報を伝え合っています。
そして、群れから外れてしまうと、自衛やえさの確保が困難になるため、群れにとどまることが個体の生存にとって重要だと考えられています。
そのため、ひとたび群れに入った個体は、集団のルールや秩序を守ることが必要になると言えます。
群れのメリット
安全性の確保
まずは安全性の確保です。
これは小さな魚が集まることで、一つの大きな群れという塊を作り、外敵から身を守ることができます。
万が一襲われてしまったとしても、犠牲は少なく住みますし、その間に他の魚は逃げ切ることも可能です。
こうした群れを作る知恵は魚たちの長い経験の中で培われた本能ともいえますね。
これを「幻影効果」と言います。
また、群れを作っても、当然襲ってくる外敵は存在します。
そのそんな時、群れの魚たちはまとまって逃げるのではなありません。
今まで作ってきた群れが突然爆発したように散り散りになりその場から群れ消えてしまいます。
これによって捕食者は四方八方に逃げる魚たちの攻撃対象を絞り込めず、右往左往させられてしまいます。
これを「混乱効果」と呼びます。
群れのリーダーはいない!?|群れの作り方
では、群れはどのようにしてできているのでしょうか。
実は、群れの作り方はシンプルで、
- お互いを仲間と認識して接近していく
- 前を泳ぐ仲間についていく
ただこれだけです。前を泳ぐ魚についていくだけ。
そして、お互いの姿の認識というのも結構適当なのです。
というのも、魚の視力は0.1程度ですからね、かなり悪いです
例えるならメガネをかけている人ならば、
メガネを外した状態で、他の人を見つけてそばを一緒に歩いていくという感覚でしょうか。
だから、フナは間違えてコイの群れについて行ってしまうこともあるんですね。
でも、コイが群れのリーダーというわけではないんですね。
修学旅行とかで間違えて違う学校の班の人たち
に付いていってしまう感覚ですね。
なお、多くの人は群れの魚はお互いが仲良く、お互いを守り合っているかのように見えますが、
実際はその逆で、各々は自分自身が捕食されたくないがために、群れの内側へ、後ろ側へとギュッと集まっています
そのため、群れの魚たちを見ると次々と内へ内へを入り込む姿を見ることができます。
意外と激しい生存競争なんですね
群れ同士はぶつからないのか?
そこで、一つ疑問が生まれます。
「なぜ、魚たちはあんなにたくさんで泳いでいるのに、ぶつからないのか」ということです。
その秘密は、魚が持つ第六感である「側線の感覚」にあります。
この側線は、「身体のまわりにある水の動き・圧力を感じる感覚」で、
これにより、魚たちは衝突することなく移動しているのです。
夜暗い中でも周りの遮蔽物にぶつからずに泳いでいるのはこの側線のおかげなんですね
詳しくは「側線鱗」の項目でも解説しています。→「フナの鱗の構造と役割」
フナの群れの特性
フナ類の場合、キンブナ以外の種は群を成すことが多く、
同種間だけでなく多種のフナ類の群れに混じることもある。
この場合、生活している水塊の場所が一致している時に発生しやすく、
西日本では河川の低層で生活しているギンブナとオオキンブナが群れが混ざりやすく、漁業などで混獲されていることが多いです。
しかし、生息分布域がかぶらない場合(低層のギンブナと宙層のゲンゴロウブナ)などは群れが混ざることはなく、それぞれの群れが作成される。
また、フナ類はコイの群れに混じって泳ぐことも確認されています。
自分よりも大きなコイについていくことで外敵から身を守ってくれるという考えが大きいでしょうか。
まさに虎の威を借る狐ですね。
群れを作らないキンブナ
ちなみにキンブナはあまり群れを作ることがなく、単独で活動をしている場合が多く、
これは食性の違いによると考えられています。
というのもキンブナはアカムシやイトミミズのような動物性の餌を求めるので、
群を成すをエサの競争につながりますし、効率が良くないのでしょう。
飼育にも応用
今回の授業を踏まえて、飼育でも活用してみましょう。
フナは臆病な性格ですので、飼育を行うときには可能な限り複数匹の個体で飼育してあげましょう。
また、フナ以外でもドジョウやタモロコなどの魚を入れてあげれば飼育密度も自然と上がっていき、水槽環境に落ち着くようになります。
なるべく、大きな水槽で飼育環境を整えた上で行ってくださいね。
詳しくはこちらでも記載しています。
まとめ
ということで、今回はフナの群れの作り方と構造について解説していきました。
- 群れを作ると、安全性を確保できて、エサの確保や繁殖、稚魚の生存に有利になる
- 群れは魚同士が存在を認識してただ前の魚についていくだけで形成されていく。
- フナは群れを作って泳いでいるが、キンブナなどの食性が違う魚は単独せ泳ぐことが多い。
以上となります。
川で魚の群れを見かけたら、少し刺激を与えてみると、群という塊が急に爆散する姿を見ることができるかと思います。
少し魚にはかわいそうですが、ぜひ観察してみてください。
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