今回は魚を長生きさせる方法について魚類の生態学の観点から解説していきます。
これを読めばあなたの飼育しているフナや金魚の寿命を少しでも長くすることができます。
一般的なフナや金魚の寿命

まずはフナの一般的な寿命について解説していきます。
屋台の金魚すくいのようにすぐ死んでしまうため、寿命が短いと思われがちですが、
一般的にフナや金魚の寿命は10から20年位と言われています。
実際、適正な環境で飼育を行えれば少なくとも平均で5~7歳、さらには10歳以上に長生きする事も可能です。
ギネスブックには、43年生きた金魚の記録もイギリスにあります。
飼育すれば長生きできる魚
一般的にフナの寿命は10年とされています。しかし、実際の川に生息しているフナのほとんどは5年も生きられていないことがほとんどです。
原因は天敵による捕食と環境の変化によるものです。
少なくとも飼育と行うことによって他の生物に食べられてしまうリスクは回避できますから、
自然界よりも長生きできる可能性があります。
金魚やフナを長生きさせるコツ

ここからは魚の寿命を伸ばしながく生かしてあげる方法について解説していきます。

ポイントは2つ
「事故」「病気」です
飼育環境において魚を死なせてしまう理由として最も高いのが病気です。
その原因になりやすいものを排除していきましょう。
飼育環境を一定にする。

まずは病気の予防として「水温や水質を一定にしてあげること」です。
これは水温変化による魚に対するストレスを減らしてあげることが重要です。
水温の変化を減らしてあげることで病気のリスクを軽減できます
水質の変化を一定にするにはその分、水量の稼げるように大きな水槽で飼育することをお勧めします。

フナを終身飼育を行う場合ならば90cmくらいの水槽は確保しておきたいですね、
捕食される魚との混泳は避ける

ナマズ、ウナギ、ライギョ等
次に大事なことは混泳魚との捕食のリスクを減らすことです。

自然界で魚が死亡してしまう理由の多くは捕食です。
いくら天敵がいない飼育環境といっても、
混泳魚に捕食されてしまったり攻撃を受けてしまったら意味ありませんよね。
当然、フナのいる水槽で体格が明らかに大きなナマズやウナギなどが混泳していたら、
捕食されてしまうリスクがあります。
そうでなくてもヒレをかじってくるハゼや縄張り意識が強いティラピアなどと混泳していたら
常に魚には怪我やストレスをかけてしまいます。
これは魚に対しての刺激を与えないということが重要になります。
エサを与えすぎない。

次に紹介することはエサのあげすぎを防ぐことです。
理由は二つあり、「水質悪化につながる」ことと「食べ過ぎになってしまうこと」です。
エサを多く与えてしまえばその分、水が汚れやすくなりますし、水質維持に関しての難易度が上がります。
また、エサをたべすぎにより、消化不良を起こしてしまい、肝臓が肥大化して死亡してしまうことも考えられます。

人も魚も腹八分目がおすすめですね。
泳ぐ層の被る魚との混泳を避ける

これは少々極論かもしれませんが、
同じ泳ぐ層の魚との混泳を避けることも長期飼育においてはおすすめしません。
理由はストレスです。
いくら他の個体との混泳に慣れているフナとはいっても混泳を行っていると、少なからずトラブルが発生します。
エサの取り合いに負けてしまいエサを満足に取れなかったり、
縄張り争いにより常に追いかけまわされてしまったりと何かしらの小競り合いが発生します。
他の魚との飼育をせずに単独飼育を行うのが一番ストレスと与えずに長生きをさせることができます。
しかし、それでは極論すぎますので、
あくまで「泳ぐ層が被らない魚」との混泳は基本的に問題ないと考えています。
例で言えば表層を泳ぐメダカや水底に生息するドジョウと行ったところでしょうか。
もちろん、ハゼのように水底に生息していてもフナのヒレにかじりついてくる魚との混泳はNGです。
水温は低く管理する。

長寿の魚の条件を記載したように水温が低い水域に生息している魚は代謝が少ない為、長寿の魚が多いです。
実際に本栖湖に生息しているフナは代謝が低いためか、長寿の個体が多く見受けられます。
水温を下げる方法としてはクーラーを使用することでしょう。
しかし、成長期などでむやみに水温を下げてしまうと、餌を全く食べてくれずに痩せてしまい
最悪の場合は死亡してしまうリスクもあります。
フナの飼育においてはむやみに水温を低温に持っていくことはおすすめしません。
せめて水温が高くなる夏場に使用する程度にして夏場の寒暖の差を抑える程度に考えた方がいいかと思います。
むしろ上記に記載したような水質を一定にすることを意識した方が重要です。

まとめ

ということで、フナや金魚を長生きさせることについて解説していきました。
- 病気の原因となる水温や水質の変化を無くすこと。
- 捕食や怪我のリスクを減らすこと。
- 成魚まで育ててからストレスを減らした飼育を行うこと
以上となります。
日常的な管理ができている人からしたら何気ない内容だったかもしれませんが、そのとおりで
フナや金魚は適正な飼育をしていれば長生きして我々を楽しませてくれる生き物になります。
ぜひ参考にして魚を長生きさせましょう。
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