フナは今どこにいる?魚の年間の活動|フナの一年

生物学

今回はフナの一年について解説していきます。

男の子
男の子

魚なんて一生同じ場所で同じ生活をしてると思うんですが

先生
先生

実は
フナは季節によって活動場所を変えているんです!

この記事を読めば「フナが一年を通してどのような活動をしているのか」わかるかと思います。

一年の流れは意外とシンプル

フナの活動は水温変化によって動きを変えています。

水温が高い夏は浅い場所へ移動して、水温が低い冬には深い場所で過ごします。

それによって1年間で活動場所がコロコロ変わっているのです。

春になると気温が上昇していき、少しづつ暖かい陽気となっていきます。

それとともに、魚が生息している水域の水温も上昇していき、
フナも活発に活動をするようになります。

巣離れフナ

この時期になると、川底でじっとしていたフナ達は、息を吹き返すように、動いていきます。
皆の居た深場から、岸辺に移動するさまから、『巣離れ』といいます。
しかし、この季節はまだ寒く、深場に戻ってしまう事もあるそうです。

具体的には水温が10℃を超えると、冬眠から覚めて活動を始めます。
産卵に向けて体力を蓄えていき、食欲が旺盛になります。

また、春先は水温が上昇しだして日照時間も長くなり始めることにより水草が成長し始めます。
フナも水草も餌としているため、水草の摂食が活発になります。

のっこみ

この時期は、フナの最盛期。気温も上がり、フナ達も産卵の時期になります。
之でフナはえさを求めるため、彼方此方に群れを成して集まっていきます。
ホソで居ブナを釣ることも稀ではない季節ですね。

のっこみの時期になるとは、産卵に向けがた活動が盛んに行われます。

メスは腹部が大きくなり、オスはメスを追いかけて水中で泳ぎ回ります。
その後、メスは水草や石の隙間に卵を産みつけます。

以上が、春先のフナの主な活動です。

産卵期が終わると、夏季に入り生息域や活動範囲が広がるほか、孵化したフナの稚魚や幼魚の姿もみることができます。

水温が高いと、変温動物である魚は体温が上昇して代謝が高まり、
多くのエネルギーを使って活動することができます。

そのため、フナもさらに活発に活動できるようになります。

夏ふな

この時期、フナは人間と同じで暑いのは苦手でもあります。
フナは水温が28℃を越えるとげんなりしてしまいエサを追わなくなります。
水が動いているところに移動する事が多いのです。

一般的に水温が20℃以上になると、魚の摂餌行動が活発になります。
多くのエサを必要とするため、餌を取りに行くための移動する距離も長くなります。

ただし、水温が高すぎると、生物の必要とする酸素量が増えていき水中は酸素不足になることもあります。

そのため、水温が高い昼の時間帯は水の動きがある湧水や水温の上がりづらい日陰のポイントに身を潜めていることもあります。

詳しくはこちらで解説しています「フナの体温と水温の反応

梅雨時期のフナ

梅雨時期には、フナは水温や水質によって行動が変化していきます。

一般的には、梅雨前や晴れ間の日中には活発に泳ぎ回りますが、梅雨で水が濁っている間は水底でじっとしていることが多いです。

気圧や天候の変化が激しく、フナの動きも不安定ですね。

また、梅雨明けになると、水位が上がったり流れが速くなったりすることで、
代謝が良くなり活動的になります。

秋になると水温が下がり、水中の酸素量が増加するため、フナの食欲は増していきます。

先生
先生

水中に浮かぶ小さなプランクトン、昆虫の幼虫、水草
などを食べて生活することが多いですね。

落ちフナ

この時期は寒い冬に備えて、荒食いを始めるようにになります。

水温がだんだん下がり、フナは深場に移動していきます。『巣離れ』の逆のパターンですね。

フナは秋の時期に、水温がある程度落ち着くので、活動が再開されます。

秋のフナは、水面に浮かび上がることが増えてきます。

これは、夏の暑さから逃れるために水中から上がってきたためと考えられています。

冬が近づいてさらに水温が下がると、浅い水域からより深い水域に移動していきます。

先生
先生

これは、深い水域の方が水温の変化が少なく安定しているためであると言われており、
深い場所では水底の石や木の根に身を隠していることが多いです。

フナは冬場でも活動していますが、水温が低下するため基本的には活動が鈍くなります。
昼間は水底の深い場所に潜っていることが多く、夜間になると浅瀬に出てきます。

寒ブナ

この時期は、フナ達も深いところでじっとしていることが多いです。
食い渋り、フナを釣るには最も難しい季節ですが、臭みがなく旬な時期とも言われています。

天気が良い日や水温が少し上がった日には、餌を探しに泳ぎ回ることもあります。

餌は植物プランクトンや水生昆虫、小魚などがありますが、
低水温により活性が落ちており、食欲も少なめです。

冬季のフナ釣りでは、水温が下がると浮き釣りが有効であり、
氷が熱く張った湖では氷上釣りも楽しまれています。

フナの冬眠活動

冬眠とは、寒冷になる季節に陥る一種の休眠のことです。

野生動物などの一部の動物は、冬眠を行うことで低体温状態でエネルギーを節約し、
冬の間を生き延びることができます。

冬眠の間は、代謝が低下し、呼吸や心拍数が遅くなります。

まとめ

ということで、今回はフナの一年について紹介していきました。

  • 深い場所から浅い場所へと「巣離れ」して、産卵の準備を行う春
  • 水温が高く活動が活発になるとともに、酸素が多い場所へと移る夏
  • 冬に向けて荒食いを始めて少しずつ深場へ落ちる秋
  • 水深の深い場所でじっと寒さを乗り越えている冬

このような一年を過ごしているんですね。
魚釣りをするときには魚がどのような暮らしをしているのかと想像しながら場所を探すと見つけやすいかもしれませんね。

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