今回はフナの生息地について解説していきます。
フナはさまざまな種類がありますが、種類によって生息している地方が異なっています。
この記事を読めばそれぞれのフナがどこに生息しているのかわかります。
それではご覧ください。
ギンブナの生息分布
在来分布:日本、台湾、朝鮮半島、中国にしている 移入分布:沖縄に移入種がいます。
まず紹介するのはギンブナです。
ギンブナは日本全国の湖沼、河川に生息しています。
さらには台湾や朝鮮半島、中国大陸にも生息していることが明らかになっています。
日本の広い範囲に生息しているフナになりますので、川や池で見かけたフナとしてはまず、「ギンブナ」であるという可能性を考えてもおかしくありません。
また、日本以外にも生息してるとのことですが、これには賛否があります。
というのも、系統自体がはっきりしていないからですね。
中国大陸にはギベリオブナという金魚の祖先となったフナもいますし、生態としても
ギンブナと同じように性比が偏って単為生殖をおこなう記録もあります。
このことからギベリオブナとギンブナを混同している可能性は大いにあります。
ということで、中国大陸等に生息しているフナはギンブナではなく、ギベリオブナであり、
ギンブナは日本固有種であるという意見もあります。
いずれにせよ、詳しく研究している文献がありませんので、何とも言えませんね。
ゲンゴロウブナの生息分布
在来分布:琵琶湖・淀川水系。 移入分布:日本各地、大韓民国、中華人民共和国、台湾。
続いて紹介するフナはゲンゴロウブナです。
これは日本の中でも琵琶湖と琵琶湖から流れる淀川の水系のみに生息する日本固有種でした。
そんなゲンゴロウブナですが、品種改良されたヘラブナが全国の湖沼に釣り魚として放流されており、都道府県の大半ではヘラブナの生息が確認されています。
また、日本以外でも朝鮮半島や中国大陸、台湾にもヘラブナが移入されている記録がありますので、
ギンブナとは異なり、移入によって全国に生息しているフナであると言えます。
キンブナの生息分布
日本では東日本を中心に、関東地方および山形県以北に生息 東北地方と関東地方に分布する日本固有亜種。特に関東地方では普通に見られる。
次はキンブナです。
こちらは主に関東地方をはじめ、東北地方にも確認がされています。
特に関東地方では江戸のマブナ釣りとして釣り魚の対象魚として扱われていたこともあり、比較的生息個体が多かったことが伺えます。
残念ながら、生息環境の悪化と外来種により、生息数を減らしているので
現在は絶滅危惧の一つとされています。
オオキンブナの生息分布
日本の九州、四国、淡路島、本州の山口県・広島県・岡山県・兵庫県・京都府・奈良県・大阪府・和歌山県・三重県・滋賀県・岐阜県・愛知県・静岡県・山梨県・長野県に生息する。
続いて紹介するフナはオオキンブナです。このフナは主に西日本に広く生息しています。
東日本に多く生息していたキンブナとは真逆の存在ですね。
生息分布の東の端は静岡県ですが、アユの稚魚の放流に混じって移入され、少しずつ生息分布が東に広がっている傾向があります。
とはいえ、明確に分類できる方も多くありませんのでたいていの場合はギンブナとして同定されてしまいます。
ナガブナの生息分布
本州の山口県の日本海側の一部 島根県、鳥取県、兵庫県の日本海側の一部 福井県の三方五湖、石川県、富山県、長野県の諏訪湖、新潟県、群馬県、福島県の日本海側の一部 山形県、秋田県、青森県の日本海側の一部
次はナガブナです。
ナガブナは主な生息地としては福井県の三方五湖(三方湖)や長野県の諏訪湖が有名ですが、
日本海側に面した一部の湖沼で姿を確認されていることが多いです。
県としては山口、島根、鳥取、兵庫、福井、石川、富山、新潟、山形、秋田、青森でしょうか。
図として上に分布図を残しておきましたが、見事に日本海側になりますね。
あくまでも一部の湖沼のみに生息になりますので、あまり正確ではありませんが、それでもキンブナやオオキンブナとはかなり異なった分布図になっていますね。
移入経路としては放流なども考えられますが、上記のキンブナ、オオキンブナとは異なり主に湖沼での生活に特化している個体であることからも棲み分けができていたのではないでしょうか。
ニゴロブナの生息分布
生息地:琵琶湖 移入分布:富山県
最後に紹介するのはニゴロブナです。
この種類はシンプルに琵琶湖固有種であり、滋賀県のみに生息しています。
あと強いていうのでしたら琵琶湖から流れる淀川水系にもみられる程度でしょうか。
日本固有種だけでなく、琵琶湖固有種として価値の高い魚です。
また、放流によって富山県の一部の湖沼で姿を確認されています。
まとめ
ということで、今回はフナの生息地について解説していきました。
- ギンブナは日本全国に在来、ゲンゴロウブナもヘラブナが全国に移入して分布しています。
- キンブナは主に東日本、オオキンブナは西日本、ナガブナは日本海側の一部に生息している。
- ニゴロブナは琵琶湖固有種で琵琶湖に在来しています。
今回は分布図を作成してみますと一部のフナが生息分布が異なっていたりとみていて面白いですね。
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