今回は魚の生息する環境についてどのような環境でも魚がいることについて水温という観点から解説をしていきます。
フナは日本全国に生息して姿を見ることができる魚ですが、なぜ全国で姿を見ることができるのでしょうか。
これを読めば生息環境が広い魚の特徴がわかりますよ。
魚の生息環境
魚が生息している「水」という物質は様々な変化をもたらしていきます。
水温
季節や生息域によっては大きく違いがあり、朝と夜では温度の差も出てきます。
塩分濃度
海水と淡水で濃度が異なっています。
魚の体に浸透する濃度自体も場所によって様々です。
光の量、水圧、酸素量
同じ水位でも浅い場所と深い場所ならば水に入っていくる「光」や魚にかかる「水圧」も異なります、
さらにいうならば水中に溶け込んだり、光合成するための植物の生息によって「溶存酸素量」も場所によって大きく異なっています。
このようい魚の生息場所の環境要因はその場所その場所で大きく変化しており一様ではないのです。
魚類はこのような「水」という環境の影響を受けながらも、
餌である生物とそれを奪い合う競争者、そして天敵となる捕食者などともにを生息しています。
そんな様々な生活環境に適応するために、
魚は種類ごとに生活や分布域にも特徴が表れていきます。
水温と生息分布
先ほど紹介してきた中でも特に「水温」は地理的な分布に大きく影響を及ぼしていきます。
というのも水中では温度変化の幅が狭く、
季節的な変化の速度も緩慢なのですね。
そして、変温動物である「魚」にとって、この温度の変化に対してあるていど耐えることもできます。しかし、魚も我々と同じく「生き物」です。全ての温度に耐えられるわけではありませんから、これにもやはり限度というものが存在していて、適正の範囲外の温度になると生存ができなくなります。
これにより温水域に適応した魚と冷水域に適応した魚がそれぞれ存在し、熱帯に生息できる魚、寒帯に生息する魚が存在してます。
また温度変化に対する差も種によって適応できるものには違いがあり、
狭い温度にしか対応できない「狭温性の魚」と広い温度に適応する「広温性」の魚とでは
必然的にも生息する分布域の中心は異なることがありますね。
フナの場合はどちらかといえば温水域で広温性の魚といえます。
限界環境で生息する魚の例
一応、水温という点で言えば、以外にも生息する限界というのは広く、暑い環境にも冷たい環境にも魚は適応して生息しています。
冷たい水の環境を例とするのでしたら、本来は水温が0度を下回ると魚は死んでしまいますが、
南極海の氷点下を下回る海でも生息している魚が確認されています。
また、暑い環境の場合は、一般的な魚はだいたいは35℃が水温の限界になりますが
アメリカ西部の砂漠地帯に生息するカダヤシの仲間は43.5℃の水中でも生息しています。
43.5℃なんてお風呂でも熱く感るのにすごいですね。
フナが日本の広い範囲に生息、移植する理由
さて、いよいよ本題に移りますが、フナという魚は非常に広い範囲の水域に生息している魚になります。
ギンブナは日本全土の水域で生息が確認されていますし、ヘラブナことゲンゴロウブナは釣り魚として全国に放流され、その環境に適合して生息しています。沖縄の亜熱帯から北海道の寒帯まで生息が確認できますね。
日本以外ならばシベリアやヨーロッパなど日本の北海道よりも緯度が高く水温が低い水域でもヨーロッパブナは生息しています。
生息地が広い理由
なぜ、こんなにも広い範囲で生息の確認ができているのでしょうか。
これは、フナの適温水温の高さが挙げられます。
フナは4℃〜32℃までが生息可能な水温であるとも言われています。
このことからも水温の面で見ればフナは特に適応する環境の範囲が広いといえますね。
北海道から沖縄までの日本全国、河川、湖沼さらには高地の山上湖など幅広い水域でも分布できているのは、その水温に適応できること一番の要因といえますね。
まとめ
ということで、今回は「フナが日本全国で生息できる理由」について水温の観点から解説していきました。
- 魚が生息するためには「水」の環境の要因に合わせなければならないということ。
- 水温は場所によって変化するので、その水温に適応しないといけないということ
- フナは広い水温範囲に適応できるために日本全土に生息できていること
以上となります。
水温に関しては生理学の点でも解説している記事があるので、そちらもご覧くださいね。
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