【脳みそ】フナの終脳が発達している理由|魚の脳の特徴

生物学
先生
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今回は魚の脳の構造と発達部位の違いについて解説していきます。

今まで視覚、聴覚、嗅覚について魚が受けた感覚について説明していきましたが、
それぞれの情報は中枢へと伝えられて統合され、その反応が各種の効果器へと伝達されて発言します。

これらの一連の伝達系を「神経系」と呼びます。

神経系

「中枢神経系」と「末梢神経系」の二つからなっています。

中枢神経系

まずは中枢神経系ですが、これは 主に「脳」と「脊髄」によって構成されます。脳は神経管が膨らんで形成されたもので、脊髄はその脳に続く部分の神経管が発達したもので、体の軸に沿って尾端まで縦走しています。

魚の脳は人間などの高等な脊椎動物と比べると相対的に小さいです。
脳は終脳、間脳、中脳、小脳、延髄によって分けられています。

フナをはじめとした真骨魚類では脳の形に種固有の特徴がみられ、
これは魚ごとの生活様式を暗示するような形態様式をみられています。

そのため、魚の行動様式を判断する材料にもなっています。

終脳

終脳は脳の前の端にあり、その先端に嗅球と呼ばれる膨らみがあります。

魚の終脳には嗅覚以外にも視覚や味覚、内耳や側線の感覚など、ほとんどの感覚情報が入ってきます。

そのため、哺乳類で見られるような大脳に近い部分の存在となっています。

真骨魚類は終脳の頭にある嗅球が特に発達しています。

基本的には終脳の前端に位置していますが、フナをはじめとするコイ科魚類は鼻の近くに隣接しており、終脳へと連結しています。

先生
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嗅覚を頼りにしている魚は特にこの部位が相対的に大きい特徴があります。

終脳には、腹側野と背側野に分かれています。腹側は主に嗅覚の、背側には内耳や側線、味覚や視覚などの情報が入ってきます。

また、終脳は行動の決定を行う器官です。ここを傷つけたり電流が流れると、
生殖行動や攻撃行動が誘発したり、減退したりします。

間脳

間脳の部位

ここは「視床上部」、「背側視床」、「腹側視床」、「視床下部」に分かれています。

ここの部位は主に視覚、味覚、内耳、側線感覚などの情報が入ってきて、
終脳と一緒に情報を共有しています。

視床下部には行動調整や内分泌系の活動の調整など、生命の維持に深く関わっています。

ここの部位に刺激を与えると食事や生殖、攻撃や温度の変化に対する行動が誘発されます。

また、ここからは様々なホルモンが分泌・調整も行われています。

中脳

中脳の部位

中脳は「視蓋」と「中脳被蓋」に分かれています。

視蓋は主に眼からの情報を受けており、
視覚を管理しているため「視葉」とも呼ばれています。

それ以外にも内耳や側線の情報も一部は中脳に集まっています。

一般的に視覚を多く頼っている魚の場合はこの視蓋が大きく発達して膨らむ傾向があります。

先生
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フナは視覚よりも聴覚や嗅覚に頼っているので、
そこまで中脳は発達していない印象を受けますね。

小脳

小脳の特徴

小脳は中脳の後ろにある部位で「小脳体」と「小脳弁」 によって構成されています。

この部位は活発的な魚が特に発達しています。

特に海の表層を高速遊泳するイワシやサンマ、岩礁帯で頻繁に方向転換を行いう魚類は相対的に脳が大きく、表面に皺が多いですね。

このように小脳は運動の調整に関わる脳です。
延髄などから情報が集まり、小脳弁は姿勢の制御などの機能を持ちます。

延髄

延髄は脳の一番後ろに位置しており、それよりも後ろは脊髄にと繋がっています。

背側が「感覚系」、腹側が「運動系」の領域となっています。

小脳には聴覚や側線の感覚に大きく関わる「内耳側線野」があります。

側線や電気受容器が発達する真骨類の場合は腹側が大きく隆起している特徴があります。

また、味覚を大きく頼っている魚は延髄が相対的に大きく、隆起した部分も大きい傾向があります。

味覚の中枢として機能しており、口腔内の味覚が発達しているコイの仲間は「迷走葉」が大きいです。
また、体表(ひげ)の味覚が発達しているナマズは「顔面葉」が大きいです。

ちなみに延髄は逃避行動を起こす時などを管理しているので、
活動的な魚はよく発達しています。

先生
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一方で水底じっとしているような定住性の魚は小さいか欠落している傾向があります。

まとめ

今回は魚の脳の構造について解説していきました。

私も魚類みたいな脳みそなので、小脳が発達しているのでしょうね。
頭を動かすよりも体を動かすのが得意なのはこれが要因なのでしょうね。

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