今回はナイルアロワナの見た目がフナやコイに似ている理由について解説していきます。
「アロワナ」と言えば肉食魚らしい見た目が特徴ですが、ナイルアロワナはどちらかというと
優しい見た目をしていますよね。
これを読めばその原因を知ることができます。
ナイルアロワナの形態
ナイルアロワナは柔軟な体型とすさまじいジャンプ力がシルバーアロワナに類似しています。
しかし、コイ顔のようなアロワナらしからぬ顔立ちを持つ古代魚でもあります。
プランクトン食性でアカムシやイトミミズのような微生物を砂ごと吸い込んで、
エサだけを漉して砂だけを吐き出すという食性です。
そのため、肉食性のアロワナよりもコイを連想させる魚になりますね。
外部形態
アロワナ目独特のウナギ型というような長い体で、背鰭や臀鰭が後部にあります。
一般的な魚類なフナやアジと比べて尾鰭が小さく臀鰭が非常に大きいのが特徴的ですね、
体をくねらせて泳ぎます。
浮き袋は頭蓋骨内に貫通せず、空気呼吸によって水面から浮袋に空気を取り入れて浮力調整を行いますね。
生息地と生態
ヘテロティスが棲息する河川や湖沼の水辺にはアカシア科などを中心とする木が茂り、
アシやガマなど多くの群落帯を作っています。
河川上流から運ばれていくる細かい泥や砂に含まれるミネラルをもとに、
強烈な太陽エネルギーによって微小なコケ類やそれらに集まるワムシの微生物などが発生します。
ナイルアロワナは比較的流れの緩やかな場所に生息しており、
これらの微生物をおもに食べているのですね。
食性と形状
「古代魚」というと肉食性のイメージが強いのですが、ナイルアロワナは魚を捕食するための歯は退化しており口の表面にはみられません。
主に微細生物を食べるオステオグロッスム科唯一のプランクトン食性ですね。
アロワナやピラルクなど肉食性の強い種では、一般的に鰓耙は太く頑丈で本数は少ないです。
鰓耙は主に口から飲み込んだ餌と水をこし分ける作用をしています。
ナイルアロワナは微生物を捕食するために鰓から餌が抜け出さないよう、
多数の櫛状の鰓耙が密生しています。
さらに本種は鰓の一部が変化した螺旋状の濾過器官を備えており、
鰓耙でろ過した微生物を集めて飲み込む能力を持っています。
口は砂中の微生物も捕食できるようやや下向きの形状になっていますね。
コイに見た目が似ている理由
アロワナの仲間である「ナイルアロワナ」何か似ていると思いませんか?
コイ、フナみたいな雰囲気がありますねー
「アロワナ」と名のつく魚なのに、見た目がどことなくフナやコイに似ていますよね。
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
本来、アロワナの仲間は肉食でアマゾンのような河川の上部に木が密集しているようなジャングルに生息しています。
そのため、昆虫が豊富で川に落ちた昆虫や小魚を捕食します。
一方、ナイル川はどうでしょう。アフリカ大陸はジャングルというよりかは「サバンナ」という気候なので、木々は多くありませんし、陸上にも生物は多くありません。
結果、ナイルに生息しているアロワナは水面に落ちた昆虫を頼りに生活できないのですね。
実際にナイルアロワナを見ると通常のアロワナのような歯はありません。
食生活が違うと見た目もかわるんですね。
それでも「泥に生息している生物を捕食する」というコイと同じ目的のために進化が洗練された結果、同じような形にたどり着きました。
このように、異なるグループに属する生物が同じ生態的地位にあることによって
似通った姿に進化することを「収斂進化」と言います。
まとめ
今回は「ナイルアロワナの見た目がコイやフナに似ている原因」について解説してきました。
「収斂進化」はこの他にもサメに似た姿をしたナマズであるカイヤンなどが挙げられています。
よければ他の魚にもいるかもしれませんので探してみてください。
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