今回はナイルアロワナと同じく「ヘテロティス亜科」に所属している魚である「ピラルクー」について紹介していきます。
ピラルクーとは
ピラルクーは、アロワナ目アロワナ科ヘテロティス亜科に属する魚類。
現存するアラパイマ属唯一の種です。
原産地での名「Pirarucu」 の表音がそのまま標準和名となり、カナ表記されています。
語尾に長音を伴わせずピラルクと発音、表記される場合も多く、アラパイマ, パイチェとも呼ばれています。
英名はArapaima ですが、日本と同様に原産地での呼び名のまま「Pirarucu」 とも呼ばれます。
概要
ピラルクーは体長3m以上になり世界最大の淡水魚です。
ただしメコンオオナマズや淡水エイ、海にも生息しているオオチョウザメなども体長4mを達する記録があり、淡水魚の最大種は別とする研究者もいますね。
強いていうのでしたら「鱗の持つ淡水魚の中で最大種」でしょうか。
この魚は進化において1億年間ほとんど姿が変わっていないと考えられていますから、
シーラカンス同様に古代魚であり「生きた化石」とも言われていますね。
ピラルクーは特長的な体型やその大きさ、美しい赤色の体色もあって、
水族館などでも人気があり、大型水槽でその姿を見ることができますね。
形態
丸太のような円柱系の体形をしていますが、頭部は横に、尾は縦に平たいです。
ナイルアロワナと比べて背鰭、臀鰭、尾鰭だけでなく腹鰭も体の後半部分に集中してついています。
体色は黒から銀色まで個体差があり、成魚では体の後半部分が赤くなるのが特徴である。
要は「紅い魚」という意味ですね。
ピラルクーの口は非常に大きく、舌にはたくさんの突起がついたおろし器のような硬い骨が通っています。
また、円形のうろこも硬くザラザラしており、成魚で直径10cmほどもあります。
生態
南米のアマゾン川流域に分布し、沼地や川の流れのゆるい部分に生息します。
タイとマレーシアの河川には釣り魚として移入され、生息しています。
食性は肉食性で、おもに小魚を捕食しています。
ピラルクーはうきぶくろから肺のように空気呼吸ができ、水面に口を出して息継ぎをすることで酸素を取り入れることができます。
繁殖にあたってはオスとメスがつがいになって卵や稚魚の世話をします。稚魚はオタマジャクシのように全身が黒く、水面に群れをなして泳ぎ親魚が下から見守る。
稚魚の食欲は旺盛で成長は早いです。
人間との関係
生息地では重要な食用魚としてアマゾン先住民により漁が行われてきました。
塩漬けで保存されて祝いの席などで供されることが多いほか、大きなうろこは靴べらや爪やすりにも使われた。
現在は個体数の減少により、ワシントン条約による保護動物に指定されていますが、アマゾン川流域の市場ではピラルクーの肉が食用として高価で取引されるため、漁獲は続いているそうです。
ピラルクーは肉食性だが、前述のように主に小魚を食べる魚食性で、人間を襲うことはないです。
しかし、身の危険を感じると勢いよく水面から飛び出すため、
水面で泳いでいたカヌーやボートとの接触事故が報告されています。
死亡事故も起きているので気をつけましょうね。
アマゾン川をクルージングする機会なんてありませんよ。
飼育
ピラルクーを個人で飼育するのはかなり大型の水槽が必要ですので、かなりの経済力、覚悟が必要です。
飼育下でも2m以上になりますので、
大きく健康に育てるには4〜5m以上の巨大水槽が必要となります。
また、何かの拍子で突進したり、水面下から飛び出ししたりするそうで、衝突の衝撃で脳震盪を起こして空気呼吸ができずに窒息して死亡することが多いです。
時折ペットショップで可愛らしい幼魚が時折輸入されてくるものの、個人レベルで飼育するのはやめておいたほうが賢明な魚と言えるでしょう。
ピラルクーを飼育するということは
ネコのようなペットというよりは馬などの家畜を飼育するというような
飼育規模で挑むくらいの覚悟を持ちましょう。
まとめ
私はよく淡水メインの水族館に行きますが、そこでのメインキャラクターとしてピラルクーが飼育されていることが多い印象を受けます。
世界最大の魚という知名度がありますからインパクトもありますし、人気ですよね。
流石に飼育せず水族館で眺めるのが無難な魚だと思っています。
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